「2けた×1けた」の筆算のかけ算の繰り上がりのたし算は、「後追い」から、「待ち伏せ」に進化します。この進化自体を、教えることはできません。子どもが、自助努力で乗り越えることです。

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \end{array}}}\\  の答えを出すための計算は、

3×9=27  の九九から、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:7\end{array}}}\\  と書いて、

2 を次の九九の答えに足す目的で覚えて、

3×2=6  の九九の答え 6 に、

足す目的で覚えている 2 を

6+2=8  と足して、

{\normalsize{\begin{array}{rr}29\\\:\times\:\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:87\end{array}}}\\  と書きます。

 

これだけのことを、

この順に行うことができれば、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \end{array}}}\\  の答えを出して、

{\normalsize{\begin{array}{rr}29\\\:\times\:\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:87\end{array}}}\\  と書くことができます。

 

 

子どもの自力計算に

最も近い教え方が、

こちらの答えの出し方を見せるだけの

とても不親切な教え方です。

 

答えを出しているこちらを

子どもがまねできれば、

そのままで、

自力計算になります。

 

つまり、

こちらの答えの出し方を見せるのですから、

こちらの自力計算を見せています。

 

子どもが、

こちらの自力計算をまねできれば、

そのままで、

子ども自身の自力計算になります。

 

 

1~2問だけ、

こちらと同じようにまねできれば、

計算の流れを、自力で体験しますから、

「なるほど、こうするのか!」と、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \end{array}}}\\  の答えの出し方の体験知を得ます。

 

 

そうなのですが、

こちらと同じようにまねしようのないところが

1カ所あります。

 

繰り上がり数 2 を、

次の九九の答えに足す目的で覚えることです。

 

2 を覚えることは、

まねできます。

 

でも、

後追いなのです。

 

次の九九の答え 6 が出てから、

覚えている 2 を思い出して、

6+2=8  と足します。

 

2 を足すつもりで、

次の九九の答え 6 が出るのを、

待ち構えていないのです。

 

ここが、

まねしようのないところです。

 

 

繰り上がり数 2 の扱いが、

後追いのたし算であれば、

とてもモタモタとした計算になります。

 

自力計算している子どもは、

この後追いのたし算に

強い難しさを感じます。

 

「嫌だなぁ」と感じる原因になります。

 

子どもが、

こうなると分かっていることなのですが、

この大変さを避けることができないのです。

 

子どもが自力で乗り越えるしかないのです。

 

もちろん、

モタモタと計算して、

「嫌だなぁ」と感じている子の計算を

こちらが手伝うことはできます。

 

計算を手伝っているだけで、

後追いのたし算を、

待ち伏せるたし算に

切り替える手伝いではありません。

 

「嫌だなぁ」の気持ちを

少しだけ、和らげる手伝いです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1000)、(×÷  {\normalsize {α}} -181)