暗算のたし算の発達プロセスの途中に、さまざまな壁が潜んでいます。

暗算のたし算  9+3=、8+5=  には、

力のレベルの違いがあります。

 

暗算のたし算  9+3=、8+5=  の答えを、

9+3=  の 9 から、

10、11、12 と 3回数えて出すレベルが、

一番低いレベルです。

 

少し先に進んで、

9+3=  を見たら、答え 12 が、

8+5=  を見たら、答え 13 が、

つまり、たし算の問題を見るだけで、

答えが勝手に出てしまうレベルが、

二番目のレベルです。

 

 

さらに先に進んで、

筆算  {\normalsize{\begin{array}{rr} 26 \\\:\times\:\:\: 9 \\ \hline \end{array}}}\\  の

繰り上がりのたし算  18+5=  の答えを、

二番目のレベルを利用して、

楽にスラスラと出してしまうレベルです。

 

 

もっと先に進んで、

分数のたし算   {\Large\frac{18}{29}} {\Large\frac{5}{29}}=  の

分子同士のたし算  18+5=  を、

2つの分子 18 と 5 だけを見るとはなく見て、

計算するとはなく計算して、

18+5=23  とできるレベルです。

 

 

力のレベルの違いの発達の順は、

ほぼこのようになっています。

 

ですが、

レベルの差の大きさは、

かなり違いがあります。

 

一番低いレベルの

数唱を利用する数える計算は、

数唱と、数字の読みと書きができれば、

楽に修得できます。

 

 

二番目のレベルに飛躍するには、

大きな段差の

閾値型の変化を待たなければなりません。

 

数唱を利用する数える計算を速いスピードで

楽にスラスラとできるようになってからも、

繰り返し、たし算を計算し続ける

子どもをウンザリとさせる試練を

乗り越えなければならないのです。

 

 

三番目のレベルになるには、

二番目のレベルの「たし算の感覚」を

利用するだけなのですが、

意外と、

乗り越えにくい壁になっています。

 

一番低いレベルから、

二番目のレベルに飛躍するときの

試練のような壁ではないのですが

子どもには、

厳しい壁になっています。

 

 

四番目のレベルは、

やや理解しにくいでしょう。

 

 {\Large\frac{18}{29}} {\Large\frac{5}{29}}=  が、

同じ分母であることに

子どもは注意を向けたまま

分子同士のたし算  18+5=  を、

計算します。

 

同分母の分数のたし算に

注意を向けたまま、

2つの分子 18 と 5 だけを見るとはなく見て、

計算するとはなく計算して、

18+5=23  と、

答えを出さなければならないのです。

 

やはり子どもには、

壁になっています。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1547)、(+-  {\normalsize {α}} -858)、

(×÷  {\normalsize {α}} -265)、(分数  {\normalsize {α}} -608)