その時その場で「立ち上がる」だけで、マイナスの気持ちを断ち切れます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 23 \\ \:\times \:20 \\ \hline  460 \end{array} }}\\ のような筆算のかけ算の見本を見て、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\:\:\times \: 20 \\ \hline \end{array} }}\\ をまねして同じように計算します。

 

非常識ですが、説明しません。

見てまねさせます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 23 \\ \:\times \:20 \\ \hline  460 \end{array} }}\\ を見て、まねして、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\:\:\times \: 20 \\ \hline \end{array} }}\\ を計算して」と誘います。

 

同じように計算すると、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\times \:20 \\ \hline  620 \end{array} }}\\ です。

1行です。

 

この子は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 47 \\ \hline \end{array} }}\\ のような2けた×2けたの筆算のかけ算を計算できます。

 

計算すると  {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 47 \\ \hline  224 \\ 128\:\:\:\:\\\hline \:1504\end{array} }}\\ です。

 

ですから、見本  {\normalsize { \begin{array}{rr} 23 \\ \:\times \:20 \\ \hline  460 \end{array} }}\\ をまねしなくても、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\:\:\times \: 20 \\ \hline \end{array} }}\\ を2けた×2けたの筆算として、

計算できます。

 

計算すると  {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\times \: 20 \\ \hline  \:\:00 \\ \:\:62\:\:\:\:\\\hline \:\:\:620\end{array} }}\\ です。

 

正しく計算できていますが、

見本をまねする計算ではありません。

 

再度、「これ(  {\normalsize { \begin{array}{rr} 23 \\ \:\times \:20 \\ \hline  460 \end{array} }}\\ )を見て、

もう一度まねしてごらん」と誘います。

 

「1行で」と教えません。

でも、1行で計算するように誘います。

 

しばらくすると、

涙がポトリと落ちました。

 

声を立てないで、

静かに泣いています。

 

「できない」のようなマイナスの感情に

押しつぶされています。

 

感情を入れないで淡々と、

「立って」と言って、

子どもを立たせてしまいます。

 

立つことは、

その時その場で

すぐに簡単にできる動作です。

 

「できない」のような

強いマイナスの感情のままであっても、

立つことならばできます。

 

目の前の計算と無関係です。

 

「えっ、何?」と感じながら、

子どもはユックリと立ち上がります。

 

教えてもらえると期待していた子どもが、

「立って」と言われたのです。

 

思いもしていないことです。

 

でも、立ち上がることで、

体を動かします。

 

「えっ、何?」と感じる意外性と、

体を動かすことが、

マイナスの感情にとらわれている気持ちを

中断させます。

 

こちらは、泣いていることを気にしません。

できないことを受け入れます。

 

何もなかったように、

しかし突然、

ただ「立って」と言うだけです。

 

そして立たせたまま、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\:\:\times \: 20 \\ \hline \end{array} }}\\ をこちらがリードして計算し直します。

 

「このれい(0)、ここ」で、

20の0を下に動かします。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\times \:20 \\ \hline  \:\:\:\:0 \end{array} }}\\ です。

 

「立って」で立たせました。

子どもには意外なことでした。

 

だから、「できない」とのマイナスの気持ちで

静かに泣いていた子どもの気持ちを、

立った瞬間に中断できました。

 

こちらのリードを受け入れる準備が、

子どもにできました。

 

「このれい(0)、ここ」に続いて、

20の2と、31の1をこの順に示しながら、

「にいちがに(2×1=2)」です。

 

そうして、20の2の真下を示して、

「ここ、に(2)」です。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\times \:20 \\ \hline  \:\:20 \end{array} }}\\ となります。

 

最後に、

20の2と、31の3をこの順に示しながら、

「にさんがろく(2×3=6)」です。

そして、×の真下を示して、

「ここ、ろく(6)」です。

 

見本  {\normalsize { \begin{array}{rr} 23 \\ \:\times \:20 \\ \hline  460 \end{array} }}\\ の計算の仕方を説明しません。

いきなり  {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\:\:\times \: 20 \\ \hline \end{array} }}\\ の計算をリードします。

 

見本  {\normalsize { \begin{array}{rr} 23 \\ \:\times \:20 \\ \hline  460 \end{array} }}\\ を見て、

まねして計算することを、

問題  {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\:\:\times \: 20 \\ \hline \end{array} }}\\ の計算でリードします。

 

式と答えを書くところだけを、

次々にリードして教えます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\times \:20 \\ \hline  620 \end{array} }}\\ と計算し終わります。

 

静かに泣いている子に、

「立って」とリードすることから始めて、

計算し直してしまいます。

 

(×÷026)

さまざまな計算でさまざまにつまずきます。受け入れます。計算をリードして、乗り越えるのを待ちます。

つまずく箇所とつまずき方に

大きな個人差があります。

 

つまずきを乗り越えるのは子どもです。

必ず乗り越えます。

 

ですから、つまずいたら、

つまずいたことを受け入れて、

その計算をリードします。

 

これが、こちらにできることです。

 

7+5 の指が取れそうで取れないつまずき方があります。

 

指を取るのは子どもです。

必ず取れます。

 

つまずいているようでしたら、

7+5 の7を示して、

「しち」と読み、

5を示してから、

「はち、く、じゅう、じゅういち、じゅうに」と、

5回指で数えます。

 

指で数える計算をリードします。

 

繰り返し指で数え続けると、

7+5 を見たら、

頭に答え12が浮かぶようになります。

 

指が取れたからです。

 

 {\normalsize {\begin{array}{rcc} \\ 2 \overline{\kern-2pt \,{\big)} \kern2pt \hspace{-0.1cm} 32\:\:\:\:\:} \\ \end{array}}}\\

の筆算のわり算でつまずく子もいます。

 

 {\normalsize {\begin{array}{rcc} \\ 2 \overline{\kern-2pt \,{\big)} \kern2pt \hspace{-0.1cm} 28\:\:\:\:\:} \\ \end{array}}}\\

を計算できるようになった後、

 {\normalsize {\begin{array}{rcc} \\ 2 \overline{\kern-2pt \,{\big)} \kern2pt \hspace{-0.1cm} 32\:\:\:\:\:} \\ \end{array}}}\\

を習います。

 

 {\normalsize {\begin{array}{rcc} \\ 2 \overline{\kern-2pt \,{\big)} \kern2pt \hspace{-0.1cm} 28\:\:\:\:\:} \\ \end{array}}}\\

は、最初のわり算

 {\normalsize {\begin{array}{rcc} \\ 2 \overline{\kern-2pt \,{\big)} \kern2pt \hspace{-0.1cm} 2\:\:\:\:\:} \\ \end{array}}}\\

が、2÷2=1 で、割り切れます。

 {\normalsize {\begin{array}{rcc} \\ 2 \overline{\kern-2pt \,{\big)} \kern2pt \hspace{-0.1cm} 32\:\:\:\:\:} \\ \end{array}}}\\

は、最初のわり算

 {\normalsize {\begin{array}{rcc} \\ 2 \overline{\kern-2pt \,{\big)} \kern2pt \hspace{-0.1cm} 3\:\:\:\:\:} \\ \end{array}}}\\

が、3÷2=1・・・1 で、あまりが出ます。

 

計算の仕方の違いに戸惑って、

つまずきます。

 

でも、

2÷2、3÷2、8÷2、12÷2 の

わり算の力はそのまま残ります。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 47 \\ \hline \end{array} }}\\ の筆算のかけ算でつまずく子もいます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }}\\ の2けた×1けたと、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ の2けた×1けたです。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 4 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ は、10の位のかけ算です。

1の位が空欄です。

 

答えも、1の位を空欄にします。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \times \:4 \:\:\:\: \\ \hline128\:\:\:\:\end{array} }}\\ です。

 

ここでもつまずきますが、

7×2 や、4×2 の九九の力は、

完全に残っています。

 

さまざまな箇所で

さまざまなつまずき方をします。

 

つまずいたとき、

そういうことはあると受け入れます。

 

そしてこちらがリードして正しい計算を教えます。

 

すべてにつまずいてはいません。

正しく計算できる力が残っています。

 

この残っている力を使って、

つまずいている計算をリードします。

 

つまずいたとき、

「そういうこともある」と受け入れられると、

子どもはつまずきから脱出しやすくなります。

 

抜け出ることだけに専念できます。

 

つまずいてできないところ、

分からないところから気持ちを離します。

 

今も残っている力を使うようになります。

 

さまざまな箇所で

さまざまにつまずきます。

そうして伸びていきます。

 

(基本035)

引き締めていた気持ちが緩みます。集中が切れて逃げます。こうなったら計算をリードします。

3-2、9-3、10-5 のようなひき算を

習い始めたばかりの子です。

 

3-2 の3を「さん」と黙読して、

2を見て、2回、

「に、いち」と数字をさかのぼります。

3-2=1 です。

 

9-3 の9を「く」と黙読して、

3を見て、「はち、しち、ろく」と3回、

数字をさかのぼり、9-3=6 です。

 

10-5 でしたら、

「じゅう」としてから、

「く、はち、しち、ろく、ご」で、

10-5=5 です。

 

1問ずつ慎重に計算しています。

モタモタしているように見えます。

 

まだ慣れていません。

難しい問題です。

気持ちをギュッと引き締めて計算しています。

 

ですが、

気持ちを引き締めていられるのは短時間です。

 

じきに気持ちが緩みます。

そして、集中が切れて、計算から逃げます。

 

「どうして?」としません。

「まだ、途中なのに」と気にしません。

 

ただ、

「逃げたな」と冷静に見ます。

 

そして、

子どもの逃げた先で、

こちらがリードして、

止まったままのひき算を計算します。

 

6-4 の6を示して、

「ろく」と読みます。

続いて、4を示して、

「ご、し、さん、に」とさかのぼります。

 

6-4 の右を示して、

「わ(=)」と言えば、

子どもは=を書きます。

 

そして、=の右を示して、「に」と言います。

子どもは2を書き、6-4=2 と計算できます。

 

こうして逃げた先で、

計算に戻します。

 

逃げた先で計算に戻ると、

子どもは自然に

気持ちをギュッと引き締めます。

 

こちらがリードして、

子どもを無理なく参加させて、

止まっていたひき算を計算すると、

逃げていた気持ちが戻ります。

 

「どうしたの?」のように言うと、

計算の手伝いではなくて、

子どもの気持ちの手伝いです。

 

ほとんど効果を期待できません。

 

子どもの緩んだ気持ちをそのままにして、

こちらがリードして、

計算してしまいます。

 

「わ(=)」と言われて、=を書きます。

「に」と言われて、答え2を書きます。

 

6-4=2 と、

止まっていた計算が1問終わります。

 

これだけで、緩んでいた気持ちが

自動的に引き締まり始めます。

 

続けて数問、

計算スピードを速くしながらリードします。

 

こうするだけで、

子どもの気持ちが引き締まり、

自分で計算し始めます。

 

(+-048)

32×58が計算できるようになります。特殊な31×20を習います。すると、できていた32×58の計算が乱れたりします。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ のような2けた×2けたの筆算のかけ算で、

九九の組み合わせを間違えることもあります。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ の一部分、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 8 \\ \hline \end{array} }}\\ を計算するとき、

8×2 の次に、2×3 としてしまうような間違いです。

 

正しくは 8×3 です。

いつもではありません。

こうしてしまうこともあります。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 8 \\ \hline \end{array} }}\\ と、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 5 \:\:\:\:\\ \hline \end{array} }}\\ の2けた×1けたの筆算が2回です。

 

九九を4回計算して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \: 58 \\ \hline  256 \\ 160\:\:\:\:\\\hline \:1856\end{array} }}\\ のように2行に書いて、

たし算をして計算することを分かっています。

 

ほぼ正しく計算できます。

 

そして、少し特殊な計算に進みます。

 

見本 :  {\normalsize { \begin{array}{rr} 23 \\ \:\times \:20 \\ \hline  460 \end{array} }}\\

問題 :  {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\:\:\times \: 20 \\ \hline \end{array} }}\\ です。

 

見本を見ます。

まねして、

問題を同じように計算します。

 

「まだ早いかな」、

「今のところがもっと安定するまで待つべきなのかな」と不安です。

 

「できそう」とも感じます。

 

子どもの育ちは、

見えないところで確実に進んでいます。

 

こちらが、「まだ早いかな」と感じながら、

先に進めてみます。

できてしまうことが多いのです。

 

見本 :  {\normalsize { \begin{array}{rr} 23 \\ \:\times \:20 \\ \hline  460 \end{array} }}\\ を見て、

まねして、

問題 :  {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\:\:\times \: 20 \\ \hline \end{array} }}\\ を計算してしまいました。

 

「どう計算したの?」と、子どもに聞きました。

 

子どもは、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\times \:20 \\ \hline  620 \end{array} }}\\ と正しく計算しています。

どのように計算したのかを、教えてくれます。

 

子どもが、こちらの先生役になります。

こちらは、生徒役です。

 

すると子どもは、

「見れば分かる!」と答えました。

 

「なるほど」ですが、

計算の仕方の説明がありません。

 

生徒役のこちらは、

先生役の子どもから、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\:\:\times \: 20 \\ \hline \end{array} }}\\ の計算の仕方を教えてほしいのです。

 

「どこを、どのように見るの?」のように、

さらに聞いていきます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\:\:\times \: 20 \\ \hline \end{array} }}\\ の0を、そのまま下に書いて、

2×1=2 の答え2を書いて、

2×3=6 の答え6を書いた」のような

計算の仕方です。

 

子どもがこのように教えてくれるとき、

子どもは自分の内面の

計算をリードするリーダーを意識しています。

ぼんやりと意識しています。

 

この子は、同じ日に、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ の計算を間違いました。

 

その一部分、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\times \:\:\:\:\: 8 \\ \hline \end{array} }}\\ を計算するとき、

8×2 の次に、2×3 としていました。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 31 \\ \:\:\:\times \: 20 \\ \hline \end{array} }}\\ を正しく計算できたのに、

掛ける数の右が0ではない計算、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ のようなすべてで、

同じミスをしました。

 

新しい内容に進むと、

新しいことを知ったために、

今までの力が少し乱れるものです。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 32 \\ \:\:\:\times \: 58 \\ \hline \end{array} }}\\ のような計算すべてのミスを直させました。

 

こちらは、

間違えたことを少しも気にしません。

 

新しいことを知ったのだから、

こういうこともあると受け入れます。

 

「よくあることだ」、

「すぐに新しい内容も、今までの力も安定するさ」

と思っています。

 

少し先の近未来の子どもを見ています。

 

そして、「直そう」と誘いました。

だから子どもは、元気に直しました。

 

(×÷025)

子どもは、いたずらをしている自分と、たし算を計算している自分の両方を見ています。

6+7 や 9+3 のようなたし算を

100問計算しています。

 

6+7 の6を「ろく」と黙読して、

「しち、はち、く、じゅう、じゅういち、じゅうに、じゅうさん」と

指で7回数えて、答え13を出します。

 

9+3 でしたら、

9を「く」としてから、

「じゅう、じゅういち、じゅうに」です。

答え12が出ます。

 

8+6 を見るとすぐに、

+の左の8を見て、「はち」と読み、

続いて、+の右の5を見て、

5回、「く、じゅう、じゅういち、じゅうに、じゅうさん、じゅうし」と数えます。

 

このような計算の流れに、

この子は慣れています。

 

でも、チョットしたキッカケで

いたずら書きを始めます。

 

そして、

たし算の計算が止まります。

 

目の前に見える子どもは、

いたずら書きをしています。

たし算を計算していません。

 

ですが、この子は心の中で、

たし算を計算している自分を

いたずら書きをしている最中に見ています。

 

こちらは、

このままではいけないと思って、

計算に戻すために子どもを手伝います。

 

目の前のいたずら書きをしている子ではなくて、

この子が心の中に見ている

たし算を計算している子を手伝います。

 

するとこの子は、

こちらの手伝いについてきて計算に戻ります。

 

こうなる理由を、

別の例で話します。

 

喉が渇いて水を飲みたい子に、

水の入ったコップを手渡します。

 

喉の渇いたこの子は、

心の中の水を飲んでいる自分を見ています。

 

水の入ったコップを持っていなくても、

水を飲んでいる自分が見えています。

 

でも、

「喉が渇いた」と騒いでいます。

 

こうなっていることを知っていますから、

水の入ったコップをこの子に渡すとき、

水を飲んでいる子に渡すはずです。

 

まだ飲んではいませんし、

水の入ったコップを持っていませんが、

受け取ったコップの水を飲んでいる子に渡しています。

 

これと同じことです。

 

いたずら書きをしている子に、

たし算を計算している子だけを見て

たし算をリードします。

 

すると、子どもは、

こちらのリードを素直に受け入れてくれます。

 

(基本034-91)

子どもは、計算している自分と、他のことをしている自分の両方を、同時に見ています。どちらか一方を見るこちらと違います。

宿題をしています。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 87 \\ \:\times \:\:\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }}\\ のようなかけ算の計算問題です。

 

7×7=49 と計算して、9を書きます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 87 \\ \times \:\:\:\:\:\: 7 \\ \hline \:\:\:\:\:\:\:9\end{array} }}\\ です。

 

7×8=56 と計算して、

繰り上がり数4を、56+4=60と足します。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 87 \\ \times \:\:\:\:\:\: 7 \\ \hline \:\:\:609\end{array} }}\\ です。

 

筆算のかけ算の計算の仕方を知っています。

九九の答えが浮かびます。

暗算のたし算をスラスラ計算できます。

 

宿題は、20問です。

 

計算できるのですから、

10分もかからないはずです。

 

でも、

ボ~ッとして、

宿題の計算が止まります。

 

少ししたら、1~2問計算します。

 

そして今度は、

いたずら書きです。

また宿題の計算が止まります。

 

いたずら書きが終わったら、

1~2問計算します。

 

次は、トイレに行きます。

「喉が渇いた」で水を飲みます。

宿題の計算が止まります。

 

このような子をこちらは、

「してほしいこと:宿題の計算」を中断して、

「してほしくないこと」をしていると見ます。

 

だから、

「宿題をしてしまいなさい」や、

「まだ、終わってないよ」と促します。

 

子どもは、

「はい」と返事します。

あるいは、「分かっています」と答えます。

 

聞いたこちらは、

「分かっているのならば、終わらせればいいのに」と、

内心で思います。

 

これは、見え方の違いです。

 

こちらは目の前に見せている子を見ています。

 

計算しているときは計算している子を、

他のことをしているときは、

他のことをしている子を見ています。

 

どちらか一方です。

 

宿題をし始めた子どもは、

ボ~ッとしているとき、

ボ~ッとしている自分と、

中断して止まっていますが、

続きを計算している自分を見ています。

 

とても不思議ですが、

両方の自分を見ています。

 

さて、

しばらくボ~ッとしたままの子が気になったら、

ボ~ッとしていることを気にしないで、

止まっている計算  {\normalsize { \begin{array}{rr} 69 \\ \:\times \:\:\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }}\\ をリードします。

 

ボ~ッとしたままの子にささやくように、

「7×9=63」、「3」とリードします。

 

ボ~ッとしたままの子をとがめる気持ちがなくて、

ただ計算をリードしているだけでしたら、

そうであることを子どもは聞き分けますから、

3を書きます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 69 \\ \times \:\:\:\:\:\: 7 \\ \hline \:\:\:\:\:\:\:3\end{array} }}\\ です。

 

続いて、

「7×6=42」、

「6足して、48」です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 69 \\ \times \:\:\:\:\:\: 7 \\ \hline \:\:\:483\end{array} }}\\ と計算できます。

 

子どもは、

ボ~ッとしている自分と、

計算している自分の両方を見ていますから、

計算をリードされると、

すぐに計算し始めます。

 

(基本034)

易しいひき算が続くと、気が緩みます。こうなってから難しいひき算に出会うと、うろたえます。

4-3、5-3、6-3 のようなひき算に、

易しさを感じます。

自然に、気持ちが緩みます。

 

たし算の指が取れている子です。

6+8 を見たら、頭に答え14が浮かぶ感覚を持っています。

 

でもまだ、ひき算の感覚を持っていません。

6-3 を見ても、

見ただけで答え3が頭に浮かびません。

 

だから、指で数えて計算します。

 

ひき算は、

「じゅう、く、はち、しち、ろく、ご、し、さん、に、いち」のように数えます。

たし算のときと逆向きです。

 

4-3 は、

4を「し」と黙読して、

「さん、に、いち」と、

指で3回数えて、

答え1を出します。

 

5-3 は、

5を「ご」としてから、

「し、さん、に」で、

答え2です。

 

6-3 は、

「ろく」の後、「ご、し、さん」で、

答え3です。

 

「簡単!」、

「答えが出てくるよ」と、つぶやきながら、

次々に計算します。

 

11-3 や 12-3 に出会って、

急にシーンとしてしまいます。

 

スラスラ動いていた鉛筆が、

たどたどしく止まりながらに急変します。

 

11-3 は、

11を「じゅういち」と黙読します。

10を超えた数に難しさを感じます。

 

そして、「じゅう、く、はち」と、

指で3回数えて、答え8です。

 

12-3 は、

「じゅうに」としてから、

「じゅういち、じゅう、く」と数えて、

答え9です。

 

4-3、5-3、6-3 のような易しい問題を

計算していたときの気持ちの緩みを、

難しい問題に出会ったのに引き締められません。

 

だから、鉛筆の動きが止まります。

 

難しさを感じたら感じただけ、

気持ちを引き締めることができれば、

計算のスピードは落ちません。

 

気持ちの引き締め方を体験させます。

 

11-3 や 12-3 をこちらがリードして、

速いスピードで計算します。

気持ちが自然に引き締まります。

 

11-3 は、

11を速い動きで示して、

早口で「じゅういち」と読み、

「じゅう、く、はち」と、

やはり早口で数えて、

答え8を出します。

 

12-3 も速いスピードです。

12を示して、「じゅうに」と読み、

「じゅういち、じゅう、く」で、答え9です。

 

このようなリードで、

急に遅くなった鉛筆の動きを、

スラスラの動きに戻します。

 

子どもが意識して努力することは、

速いスピードです。

 

難しさを感じる問題 11-3 や 12-3 を、

速いスピードで計算することです。

 

こうするだけで、

気持ちが自動的にギュッと引き締まります。

 

(+-047)