「何を消す?」と、「どうする?」の2つを、連立方程式を見ている子に聞きます。こうして、解く前に、計算の仕方を決める子に育てます。

連立方程式 {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x=3(y-z)\\z=4(y-x)\\z+x=2y-5\end{array}\right.\end{eqnarray}} を見て、

「x、y、z の順に並べ替える」と、

計算す前に決めてから、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x-3y+3z=0\\4x-4y+z=0\\x-2y+z=-5\end{array}\right.\end{eqnarray}} と書き換える子に

育てることができます。

 

考え方を教えるのではありません。

どこを見るのかを教えるのではありません。

式の書き換え方を教えるのでもありません。

 

計算する前に、

連立方程式を見て、

どのように計算するのかを先に決めて、

その後で計算する作法を教えます。

 

教えるというよりも、

子どもが自然に、

このような解き方をするように導きます。

 

まず、

簡単な連立方程式から、

解き方の作法を育てます。

 

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}7x+2y=12\\5x+2y=8\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような連立方程式で、

式を見ている子に、

解く前に、

「何を消す?」と、

「どうする?」の2つを聞きます。

 

子どもが答えられなければ、

「 y を消す」と教えてから、

1番目の式と、2番目の式を示しながら、

「これからこれを引く」と教えます。

 

「何を消す?」と、

「どうする?」の2つの質問を教えています。

 

ですから、

解き方を教えるのとは、

少し違います。

 

何問か、

同じようにリードします。

 

連立方程式を見ている子に、

「何を消す?」と、

「どうする?」の2つを聞きます。

 

こうするだけで、

子どもは、解く前に、

「何を消すのか?」と、

「どうするのか?」を自問自答して、

解き方を決めてから計算するようになります。

 

解き方そのものも教えるのでしたら、

こちらが解く実況中継を見せます。

すぐに理解できます。

 

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}5x+2y=16\\3x-2y=0\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような連立方程式

同じようにリードします。

 

「 y を消す」は同じですが、

2つの式を足して計算します。

ここが少し違います。

 

「何を消す?」と、

「どうする?」の2つの質問は同じです。

 

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}-2x+y=-4\\2x-3y=8\end{array}\right.\end{eqnarray}}  のような連立方程式は、

x を消すために、

2つの式を足して計算します。

 

「引く」計算が、

「足す」計算に変わります。

 

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+2y=7\\2x+7y=20\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような連立方程式は、

x を消すために、

1番目の式を2倍して、

2番目の式を引きます。

 

連立方程式を見ている子に、

「何を消す?」と、

「どうする?」の2つを、

少しずつ難しくなる連立方程式

計算する前に聞きます。

 

こうしていくだけで、

解く前に計算の仕方を決める子に育ちます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -137)、(分数  {\normalsize {α}} -043)