2 つの連立方程式を、
並べて見せます。
と、
それから、
です。
y の前の数(係数)だけが、違っています。
1 番目は、
y の前に、上から順に、
+2 、+1 、-1 が付いています。
2 番目は、
y の前に、上から順に、
+4 、+2 、-2 が付いています。
2 倍になっています。
さて、
1 番目を、子どもに解かせます。
解く前に、
「何、消す?」と聞きます。
「 y 」と、答えてくれます。
次に、
「どうする?」と聞きます。
「 ②+③ 」、
「 ①+2×③ 」と、即答してくれます。
このように、
解き方を決めた後、
解かせます。
途中の計算の概略です。
の
2 番目と、3 番目を足すと。
6x-z=34 です。
1 番目に、3 番目を 2 倍した式を足すと。
9x+5z=64 です。
2 つの式を、
新たに連立させて、 です。
ここで子どもは、
自力で、
解く前に解き方を決めます。
z を消すことと、
1 番目の式を 5 倍して、2 番目に足す・・
のように決めます。
計算して、39x=234 から、
x=6 です。
1 番目の式から、
36-z=34 で、
z=2 です。
そして、
x=6 、z=2 と、
の 2 番目の式から、
12+y-8=8 で、
y=4 です。
の解は、
x=6 、y=4 、z=2 です。
この子が、
このように、
を解いた後、
もう 1 つの連立方程式、
の
式の形の見方を伝えます。
例えば、
先の連立方程式の
1 番目 x+2y-z=12 の
式の y の前が、2 で、
後の連立方程式の
1 番目 x+4y-z=12 の
式の y の前が、4 で、
y の前の数以外の x の前や、z の前は、
同じであることを見比べて気付かせます。
こうすれば、
子どもは、
y の係数だけが、2 倍になっていることに、
見比べることで気付きます。
この後で、
「y の答えは、どうなる?」と聞きます。
この子は、
「2 倍!」と答えます。
自信があるようです。
子どもの答え 「2 倍!」 を聞いて、
こちらは、ニヤッとなってしまう自分を抑えて、
を解く前に、
「y の答えは、2 倍」と書かせます。
それから、
「何、消す?」と、
「どうする?」のリードで、
解き方を決めてから、
子どもに解かせます。
途中の計算を省略します。
子どもが出した答えは、
x=6 、y=2 、z=2 です。
このように解いた子に聞きます。
「どうなった?」です。
子どもは、
「半分・・」と答えてくれます。
でもこの子は、
「y の答えは、2 倍」と書いていますから、
自分の予想が、
間違っていたことを知ります。
実は、
これで、この子へのリードを、
打ち切ってしまいます。
こちらからは、
「y の答えは、2 倍」の予想が、
間違っていたことを指摘しません。
こうした方が、
子どもの心に、
「どうして、半分なの?」と、
引っかかって、残ります。
アレコレと考えてくれます。
このようなことから、
何かを思い付くことを体験していきます。
これが、
現場の教え方の知恵です。
(基本 -538)、(分数 -229)