数人の子が、集まって、
算数の宿題をしています。
その中の二人が、
ぼそぼそと小声で、
とても楽しそうに、
私語を続けています。
子どもの手助けをしようとしているこちらは、
私語を続ける二人の
それぞれの手元を見ます。
私語自体を気にしません。
算数の宿題(計算練習)を、
しているのかどうかを気にします。
だから、二人のそれぞれの
手元を見ます。
手元を見て、
鉛筆の動きが止まっている子の
計算を手伝います。
鉛筆の止まっている子の計算は、
たし算 5+7= です。
この子は、
数えて答えを出しますから、
この子と同じ計算の仕方を、
こちらが代行します。
私語については、
少しも気にしないで、
「話をやめる」のようなことを、
もちろん言わずに、
いきなり、
5+7= の 5 を示して、
穏やかな口調で、
「ご」と声に出して読みます。
続いて、
この子に見えるように、
こちらの片手の指を折りながら、
「ろく、しち、はち、く、じゅう、じゅういち、じゅうに」と数えます。
パーに開いた手から、
指を順に折ると、5回数えます。
グーになった手から、
指を順に伸ばして、2回数えれば、
7回数えたことになります。
そして、
5+7= の = の右を示して、
「ここ、じゅうに(12)」です。
私語をとがめられずに、
穏やかな口調で、
自分と同じ計算の仕方を見た子は、
素直に、
5+7=12 と書きます。
こちらは、
「そう」と受けてから、
さらに、2~3問、
たし算の計算を代行します。
こうすると、
私語で止まっていた計算が、
また、動き始めます。
私語を続けている二人とも、
鉛筆の動きが止まっているようでしたら、
聞き役になっている子の計算を、
同じようなやり方で、
こちらが代行します。
話し役になっている子は、
聞き役になっている子の計算が、
動き始めるのを見れば、
自力で計算を動かすことができます。
(基本 -234)、(+- -148)