易しいひき算が続くと、気が緩みます。こうなってから難しいひき算に出会うと、うろたえます。

4-3、5-3、6-3 のようなひき算に、

易しさを感じます。

自然に、気持ちが緩みます。

 

たし算の指が取れている子です。

6+8 を見たら、頭に答え14が浮かぶ感覚を持っています。

 

でもまだ、ひき算の感覚を持っていません。

6-3 を見ても、

見ただけで答え3が頭に浮かびません。

 

だから、指で数えて計算します。

 

ひき算は、

「じゅう、く、はち、しち、ろく、ご、し、さん、に、いち」のように数えます。

たし算のときと逆向きです。

 

4-3 は、

4を「し」と黙読して、

「さん、に、いち」と、

指で3回数えて、

答え1を出します。

 

5-3 は、

5を「ご」としてから、

「し、さん、に」で、

答え2です。

 

6-3 は、

「ろく」の後、「ご、し、さん」で、

答え3です。

 

「簡単!」、

「答えが出てくるよ」と、つぶやきながら、

次々に計算します。

 

11-3 や 12-3 に出会って、

急にシーンとしてしまいます。

 

スラスラ動いていた鉛筆が、

たどたどしく止まりながらに急変します。

 

11-3 は、

11を「じゅういち」と黙読します。

10を超えた数に難しさを感じます。

 

そして、「じゅう、く、はち」と、

指で3回数えて、答え8です。

 

12-3 は、

「じゅうに」としてから、

「じゅういち、じゅう、く」と数えて、

答え9です。

 

4-3、5-3、6-3 のような易しい問題を

計算していたときの気持ちの緩みを、

難しい問題に出会ったのに引き締められません。

 

だから、鉛筆の動きが止まります。

 

難しさを感じたら感じただけ、

気持ちを引き締めることができれば、

計算のスピードは落ちません。

 

気持ちの引き締め方を体験させます。

 

11-3 や 12-3 をこちらがリードして、

速いスピードで計算します。

気持ちが自然に引き締まります。

 

11-3 は、

11を速い動きで示して、

早口で「じゅういち」と読み、

「じゅう、く、はち」と、

やはり早口で数えて、

答え8を出します。

 

12-3 も速いスピードです。

12を示して、「じゅうに」と読み、

「じゅういち、じゅう、く」で、答え9です。

 

このようなリードで、

急に遅くなった鉛筆の動きを、

スラスラの動きに戻します。

 

子どもが意識して努力することは、

速いスピードです。

 

難しさを感じる問題 11-3 や 12-3 を、

速いスピードで計算することです。

 

こうするだけで、

気持ちが自動的にギュッと引き締まります。

 

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