正しくできたはずの計算 : 仮分数を帯分数に変えた答えに、「×」が付いています。「どうして?」となる子をリードして、正しい計算を、いきなりぶつけます。子どもが育つ手伝いです。

仮分数  {\Large\frac{51}{5}}= を、

帯分数に変える計算です。

 

 {\Large\frac{51}{5}}=9 {\Large\frac{6}{5}} と、

計算する子が、

少なくはない一定数います。

 

間違えています。

 

正しい計算は、

 {\Large\frac{51}{5}}=10 {\Large\frac{1}{5}} です。

 

 

さて、

毒蛇にかまれたら、

応急処置で、毒を取り除いて、

更に必要な処置をするのが普通です。

 

自分をかんだ毒蛇を、

追いかけたりしません。

 

追いかけたら、

毒を身体中に回してしまいます。

 

でも、

 {\Large\frac{51}{5}}=9 {\Large\frac{6}{5}} と計算して、

「×」が付いているのを見ると、

「どうして?」、

「合っているのに・・」と感じるのが普通です。

 

自分をかんだ毒蛇を、

追いかけているとは知らずに、

追いかけています。

 

毒を身体中に回すように、

 {\Large\frac{51}{5}}=9 {\Large\frac{6}{5}} とした自分の計算、

5×9=45 と、

45+6=51 へのこだわりを強めてしまいます。

 

毒蛇の毒を取り除くことを、

一刻も早くすべきなのに、

「×」の理由を知りたがります。

 

「×」の理由を知ることよりも、

 {\Large\frac{51}{5}}=9 {\Large\frac{6}{5}} に付いている「×」を受け入れて、

「正しい計算を知りたい・・」を、

優先させるべきです。

 

自分を育てているのです。

自分を伸ばしているのです。

 

こうすれば、

間違えた計算へのこだわりを捨てて、

正しい計算に入れ替えることができます。

 

 

 {\Large\frac{51}{5}}=9 {\Large\frac{6}{5}} に付いた「×」を見て、

「合っているのに・・」と自信がありますから、

「どうして?」と聞きます。

 

子どもから聞かれた今、

自分をかんだ毒蛇を、

追いかけているこの子を、

毒蛇の毒を取り除くことに、

向き直させることができるチャンスです。

 

いきなり、

 {\Large\frac{51}{5}}=9 {\Large\frac{6}{5}} の答え 9 {\Large\frac{6}{5}} の下の余白を示して、

「10」と、

ボソッとした口調で言い切ります。

 

「どうして?」と聞いたことと、

まったく関係のないこちらの対応に、

子どもは、

一瞬で気持ちを奪われて、

素直に、

10 を書きます。

 

そうしたら、

すぐに続けて、

 {\Large\frac{51}{5}}= の分母の 5 と、

子どもに書かせた 10 を順に示して、

「5×10=50」、

分子の 51 を示して、

「1 余分」としてから、

10 の右に、

 {\Large\frac{1}{5}} を書かせます。

 

一気に、

パタパタと、

こうしてしまいます。

 

これで、

10 {\Large\frac{1}{5}} になりますから、

「これ、答え」、

「51÷5= で計算しても、同じ」です。

 

 

ここまでリードしたら、

続きの説明を期待している子をそのままにして、

スパッと打ち切ってしまいます。

 

打ち切られた子どもは、

しかたなく渋々ですが、

でも、

「どうして?」と聞いた勢いとは、

まったく違う方向に、

自分でアレコレと考えながら、

自分の書いた  {\Large\frac{51}{5}}=9 {\Large\frac{6}{5}} と、

こちらにリードされた 10 {\Large\frac{1}{5}} を見比べます。

 

そして、

その子なりに、必ず、

「そうか!」となります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -635)、(分数  {\normalsize {α}} -265)