小数の混ざった分数計算のレベルでは、出たとこ勝負の計算をする子が多いのですから、思い出せればできます。思い出せなければ、ジッと止まります。

0.2× {\Large\frac{5}{6}}= のような計算で、

どのように計算するのかを

計算する前に考える子がいます。

 

例えば、

小数 0.2 を分数に変えて、

分数のかけ算は、

途中約分をしてから、掛けて、

答えが仮分数であれば、

帯分数に変える・・のように、

計算をデザインできる子です。

 

それから、

自分が決めたデザインのように計算します。

 

まず、

小数 0.2 を、

分数  {\Large\frac{2}{10}} にして、

2 で約分すれば、 {\Large\frac{1}{5}} です。

 

次に、

分数のかけ算  {\Large\frac{1}{5}}× {\Large\frac{5}{6}}= は、

途中約分できますから、

 \require{cancel}\displaystyle {\frac{1}{\begin{matrix}\cancel{5}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{5}\end{matrix}\,}{6}}= と約分してから、

分子同士を、1×1=1 と、

分母同士を、1×6=6 と掛けて、

 \require{cancel}\displaystyle {\frac{1}{\begin{matrix}\cancel{5}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{5}\end{matrix}\,}{6}} {\Large\frac{1}{6}} と計算します。

 

通して書くと、

0.2× {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{1}{5}}× {\Large\frac{5}{6}} \require{cancel}\displaystyle {\frac{1}{\begin{matrix}\cancel{5}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{5}\end{matrix}\,}{6}} {\Large\frac{1}{6}} です。

 

 

0.2× {\Large\frac{5}{6}}= の計算をする前に、

計算の仕方を、

事前にデザインできなくても、

小数を分数に変えることができて、

途中約分できれば、

やはり、

0.2× {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{1}{5}}× {\Large\frac{5}{6}} \require{cancel}\displaystyle {\frac{1}{\begin{matrix}\cancel{5}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{5}\end{matrix}\,}{6}} {\Large\frac{1}{6}} と、

計算することができます。

 

つまり、

事前に計算の仕方をデザインできなくても、

必要な計算の力が残っていれば、

0.2× {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{1}{5}}× {\Large\frac{5}{6}} \require{cancel}\displaystyle {\frac{1}{\begin{matrix}\cancel{5}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{5}\end{matrix}\,}{6}} {\Large\frac{1}{6}} と、

計算できます。

 

でも、

計算する前に、

どのような計算の力が必要なのかを、

問題 0.2× {\Large\frac{5}{6}}= を見て、

考えていませんから、

出たとこ勝負の計算になります。

 

 

問題 0.2× {\Large\frac{5}{6}}= を見て、

計算する前に、

計算の仕方をデザインできる子は、

ごく限られた少数の子どもだけですから、

ほとんどの子は、

出たとこ勝負の計算で、

鉛筆を動かしていきます。

 

すると、

問題 0.25×3 {\Large\frac{1}{5}}= で、

小数 0.25 を、

分数  {\Large\frac{25}{100}} {\Large\frac{1}{4}} に変えて、

 {\Large\frac{1}{4}}×3 {\Large\frac{1}{5}}= と、できますが、

帯分数 3 {\Large\frac{1}{5}} を、

仮分数に変えることができないために、

ここで計算が止まります。

 

出たとこ勝負の計算で、

鉛筆を動かして計算し始めて、

計算の仕方を思い出せない計算で、

止まってしまいます。

 

こうなると、

普通は、

ジッとして、

止まったままになって、

教えてくれる誰かが、

手を差し伸べてくれるのを待ちます。

 

「聞けばいいのに」や、

「聞くことくらいできるだろう」と思うのですが、

不思議と、

自分から、聞かないで、

止まったままになるのが普通です。

 

「どうしたの?」と声を掛けられたら、

この子は、

救いの手を待っていたのですから、

「分からない」となります。

 

 

と、

このような流れになりますから、

ジッとして、

止まっていたら、

こちらは、

チラッと一瞬間、

0.25×3 {\Large\frac{1}{5}} {\Large\frac{1}{4}}×3 {\Large\frac{1}{5}}= を見て、

帯分数 3 {\Large\frac{1}{5}} を、

仮分数に変えることができなくなっていると、

判断できます。

 

そうしたら、

すぐに、続きの計算をリードします。

 

 {\Large\frac{1}{4}}×3 {\Large\frac{1}{5}}= の続きを、

 {\Large\frac{1}{4}}×3 {\Large\frac{1}{5}} {\Large\frac{1}{4}}× まで書かせて、

「棒、下、5」で、

 {\Large\frac{1}{4}}×3 {\Large\frac{1}{5}} {\Large\frac{1}{4}}× {\Large\frac{\:\:\:}{5}} と準備して、

帯分数 3 {\Large\frac{1}{5}} の 3 と 5 を示して、

「3×5=15」、

分子 1 を示して、

「1 足して、16」、

「ここ」で、

 {\Large\frac{1}{4}}×3 {\Large\frac{1}{5}} {\Large\frac{1}{4}}× {\Large\frac{16}{5}} とリードします。

 

この続きは、

子どもに任せることもできそうですが、

ジッとして、

止まっていた子ですから、

計算の勢いがまだありませんので、

最後まで、

計算をリードしてしまいます。

 

 {\Large\frac{1}{4}}× {\Large\frac{16}{5}}

左下の 4 と、右上の 16 を示して、

「4 で約分」、

左下の 4 に線を引いて消させてから、

「1」、

右上の 16 に線を引いて消させてから、

「4」です。

 

これで、

 \require{cancel}\displaystyle {\frac{1}{\begin{matrix}\cancel{4}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}4\\\cancel{16}\end{matrix}\,}{5}}= のようにして、

分子同士と、

分母同士を掛けて、

 \require{cancel}\displaystyle {\frac{1}{\begin{matrix}\cancel{4}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}4\\\cancel{16}\end{matrix}\,}{5}} {\Large\frac{4}{5}} とリードします。

 

帯分数 3 {\Large\frac{1}{5}} を、

仮分数に変えることができなくて、

ジッとして、

止まっている子に、

いきなり、

計算の仕方だけをリードするのですから、

子どもはすぐに、

真剣になって、

こちらが見せる計算の仕方を吸収します。

 

大人に同じようなことをすると、

「えっ、ちょっと待って・・」となりますが、

子どもは、

すぐに計算モードに入れ替わって、

計算の仕方を吸収します。

 

子どもの

自らの急変から、

帯分数を仮分数に変える計算に、

とても強い印象が残ることを期待します。

 

帯分数 3 {\Large\frac{1}{5}} を、

仮分数  {\Large\frac{16}{5}} に変える計算の仕方に、

「そうだった!」のような、

強い感情が付けば、

思い出しやすくなります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -473)、(分数  {\normalsize {α}} -194)

 

子どもがした計算に、「何が、消えた?」と聞くことで、子どもに、自分がした計算を説明させます。このようなリードで、子どもに、教えると学ぶことを体験させます。

3+ {\Large\frac{1}{4}}=3 {\Large\frac{1}{4}} や、

1+ {\Large\frac{1}{4}}=1 {\Large\frac{1}{4}} と計算できる子です。

 

計算らしい計算ではありませんが、

計算問題 3+ {\Large\frac{1}{4}}= に、

その答え 3 {\Large\frac{1}{4}} ですから、

3+ {\Large\frac{1}{4}}=3 {\Large\frac{1}{4}} は、計算です。

 

この子に、

「何が、消えた?」と聞きます。

 

子どもは、

聞かれたことに答えるために、

自分が行った計算を、

言葉にします。

 

そして、

3+ {\Large\frac{1}{4}}= の + を示して、

「これが消えた」のように答えてくれます。

 

こちらから、

「何が、消えた?」と聞かれたから、

子どもは、

「これが(+)消えた」と答えています。

 

「聞かれたから、答えただけだ」と、

子どもは思っているでしょうが、

実は、

自分の計算を言葉にして、

説明することで、

こちらに、

計算の仕方を教えています。

 

そして、

子どもは、

そうとは知らないで、

こちらに教えることで、

深く学ぶことができます。

 

「そうか、たし算を計算している」、

「 + を、取っただけ」、

「でも、3 に  {\Large\frac{1}{4}} を足すとは、

こういうことだ」のような感じです。

 

教えることで、

子どもの学びは深くなります。

 

 

さて、

実際の聞き方は、

以下のようです。

 

子どもの計算 3+ {\Large\frac{1}{4}}=3 {\Large\frac{1}{4}}

答え 3 {\Large\frac{1}{4}} を隠して、

3+ {\Large\frac{1}{4}}= だけが見えるようにしてから、

「これから」、

次に、

3+ {\Large\frac{1}{4}}=3 {\Large\frac{1}{4}} の 3+ {\Large\frac{1}{4}}= を隠して、

 {\Large\frac{1}{4}} だけが見えるようにしてから、

「これ、何が、消えた?」です。

 

普通の感覚では、

計算とはみえない計算 3+ {\Large\frac{1}{4}}=3 {\Large\frac{1}{4}}

計算の仕方を、

「これから、これ、何が、消えた?」と聞かれて、

自分がした計算を

わざとらしいと感じながら、

言葉にして説明することで、

子どもは、

教えることで学ぶことを体験しています。

 

(基本  {\normalsize {α}} -472)、(分数  {\normalsize {α}} -193)

 

途中まで計算した子から、続きの計算を聞かれます。子どもの計算の続きだけを、すぐに教えれば、自分を認められて、しかも、自分の聞きたいことですから、子どもは真剣になってこちらの教えを学びます。

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:321 \\ \:\times  \:\:\:13 \\ \hline963\end{array}  }}\\ のように、

途中まで計算します。

 

そして、

続きの計算を聞きます。

 

子どもから

続きの計算を聞かれたこちらは、

すぐに、

続きの計算を教えます。

 

この子と同じ向きを向くような教え方、

つまり、

答えを出すことだけを教えます。

 

ですから、

この子の計算  {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:321 \\ \:\times  \:\:\:13 \\ \hline963\end{array}  }}\\ を、

そのまま認めて、

この子の続きの計算をリードして、

短時間のうちに、

解き終えます。

 

こうすると、

子どもは、

自分の計算の続きだけを

すぐに教えてもらえますから、

こちらが教えることを

初めから、

真剣になって、

学びます。

 

このように、

子どもの計算をそのまま認めて、

子どもが聞きたい続きの計算だけを、

すぐに教えれば、

子どもは、

必ず真剣になります。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:321 \\ \:\times  \:\:\:13 \\ \hline963\end{array}  }}\\

13 の 1 と、

321 の 1 を順に示して、

「いんいちがいち(1×1=1)」、

6 の真下を示して、

「ここ、いち(1)」です。

 

教えられた子は、

自分でも、

1×1=1 を心の中で計算して、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  321 \\ \:\:\times  \:\:\:\: 13 \\ \hline   963 \\  \:\:\:\:\:\:\: 1\:\:\:\,\\\end{array}  }}\\ と書きます。

 

自分では計算できなかった部分です。

子どもは真剣なままです。

 

次に、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  321 \\ \:\:\times  \:\:\:\: 13 \\ \hline   963 \\  \:\:\:\:\:\:\: 1\:\:\:\,\\\end{array}  }}\\

13 の 1 と、

321 の 2 を順に示して、

「いんにがに(1×2=2)」、

9 の真下を示して、

「ここ、に(2)」です。

 

教えられた子は、

やはり心の中で計算して、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  321 \\ \:\:\times  \:\:\:\: 13 \\ \hline   963 \\  \:\:\:\: 21\:\:\:\,\\\end{array}  }}\\ と書きます。

 

続けて、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  321 \\ \:\:\times  \:\:\:\: 13 \\ \hline   963 \\  \:\:\:\: 21\:\:\:\,\\\end{array}  }}\\

13 の 1 と、

321 の 3 を順に示して、

「いんさんがさん(1×3=3)」、

9 の斜め左下を示して、

「ここ、さん(3)」です。

 

教えられた子は、

自分と同じ計算ですから、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  321 \\ \:\:\times  \:\:\:\: 13 \\ \hline   963 \\  \: 321\:\:\:\,\\\end{array}  }}\\ と書きます。

 

まったく分からなかったのではなくて、

左にずらして書くのだろうと、

当たりを付けていた子は、

答えを書くことで、

「やはり、そうか!」と納得します。

 

それから、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  321 \\ \:\:\times  \:\:\:\: 13 \\ \hline   963 \\  \: 321\:\:\:\,\\\end{array}  }}\\ の 321 の下に、

「線」と言って、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  321 \\ \:\:\:\times  \:\:\:\: 13 \\ \hline   963 \\   321\:\:\:\,\\\hline \end{array}  }}\\ のように線を引かせてから、

たし算をリードします。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  321 \\ \:\:\:\times  \:\:\:\: 13 \\ \hline   963 \\   321\:\:\:\,\\\hline \end{array}  }}\\ の 963 の 3 を示して、

「これ、ここ」で、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  321 \\ \:\:\:\times  \:\:\:\: 13 \\ \hline   963 \\   321\:\:\:\,\\\hline\:\:\:\:\:\:3 \end{array}  }}\\ です。

 

下に移すだけです。

 

そして、

963 の 6 と、

321 の 1 を順に示して、

「ろく足すいち、しち(6+1=7)」、

「ここ」で、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  321 \\ \:\:\:\times  \:\:\:\: 13 \\ \hline   963 \\   321\:\:\:\,\\\hline\:\:\:\:73 \end{array}  }}\\ です。

 

それから、

963 の 9 と、

321 の 2 を順に示して、

「く足すに、じゅういち(9+3=11)」、

「ここ、いち(1)」、

「指、いち(1)」で、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  321 \\ \:\:\:\times  \:\:\:\: 13 \\ \hline   963 \\   321\:\:\:\,\\\hline\:\:173 \end{array}  }}\\ と書かせて、

繰り上がり数 1 を指に取らせます。

 

最後に、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  321 \\ \:\:\:\times  \:\:\:\: 13 \\ \hline   963 \\   321\:\:\:\,\\\hline\:\:173 \end{array}  }}\\

321 の 3 を示してから、

子どもが指に取った 1 を触って、

「いち(1)増えて、し(4)」、

「ここ」で、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  321 \\ \:\:\:\times  \:\:\:\: 13 \\ \hline   963 \\   321\:\:\:\,\\\hline4173 \end{array}  }}\\ です。

 

こちらの計算の実況中継を見て、

自分も同じ計算をして、

こちらが出した答えを書くような

計算の当事者として参加することで、

解き終わり、

子どもは計算の仕方を、

理解します。

 

(基本  {\normalsize {α}} -471)、(×÷  {\normalsize {α}} -102)

 

子どもは、計算問題を出されると、計算して答えを出します。出す向きを向きます。このように出す向きを向いている子に、間違えた計算の直し方を教えるとき、計算して答えを出すことだけを教えます。こうして、子どもと同じ向きの出す向きを向きます。

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 23 \\ \hline \end{array} }} \\ と、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 35 \\ \hline \end{array} }} \\

繰り下がりの有無で混乱しています。

 

繰り下がりが、無いのに、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:31\end{array} }} \\ のように計算します。

 

正しくは、 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:41\end{array} }} \\ です。

上から下を、そのまま引くことができます。

 

あるいは、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 35\\ \hline \:39\end{array} }} \\ のように、

繰り下がりが、有るのに、

無いような計算です。

 

正しい計算は、 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 35\\ \hline \:29\end{array} }} \\ です。

 

でも、

このように見ることができるのは、

こちらです。

 

当の子どもは、

筆算のひき算の計算をして、

その答えを出しているだけです。

 

子どもは、

計算問題 { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 23 \\ \hline \end{array} }} \\ を前にしたら、

計算して答えを出します。

 

これが、

子どものしていることです。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 23 \\ \hline \end{array} }} \\ の 4 と 3 を見て、

4-3=1 と計算して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:\:\:\:1\end{array} }} \\ と書きます。

 

次に、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:\:\:\:1\end{array} }} \\ の 64 の 6 を見て、

1 減らして、

5 にして、

5-2=3 と計算して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:31\end{array} }} \\ と書きます。

 

この子は、

間違えた計算をしたのではなくて、

問題 { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 23 \\ \hline \end{array} }} \\ を前にして、

計算して答えを出して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:31\end{array} }} \\ と書いています。

 

子どもがしていることは、

計算して答えを出すことです。

 

計算して、

その結果、

答えが間違えていますから、

「×」が付きます。

 

この子に、

間違えた計算  {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:31\end{array} }} \\ の直し方を教えます。

 

こちらは、

答えを出すことだけを教えるようにします。

子どもと同じ向きを向くためです。

 

「混乱しているようですね・・」や、

「繰り下がりがないので・・」と、

言葉で説明して、

計算の仕方を理解させようとすると、

こちらは、

答えを出す向きではなくて、

言葉で説明することで、

子どもに入れようとしていますから、

向きが逆向きになります。

 

そうではなくて、

子どもに何も入れようとしないで、

計算して答えを出すことだけに絞れば、

こちらも、

子どもと同じ向きを向くことができます。

 

以下は、

計算して答えを出すだけの教え方の

具体的な一例です。

 

子どもの書いた答え  {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:31\end{array} }} \\

そのまま残して、

これを利用します。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:31\end{array} }} \\ の 4 と 3 を示して、

「し引くさん、いち(4-3=1)」、

子どもが書いている答え 31 の 1 を示して、

「合っている」です。

 

計算して答えを出しているだけです。

出す向きです。

 

続いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:31\end{array} }} \\ の 6 と 2 を示して、

「ろく引くに、し(6-2=4)」、

子どもが書いている答え 31 の 3 を示して、

「これ、し(4)」です。

 

計算して答えを出しているだけです。

子どもと同じ、出す向きです。

 

だから、

子どもは素直に、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:41\end{array} }} \\ と書き直します。

 

そして、

書き直すことで、

「ろく(6)のままなのだ!」と納得します。

 

このような教え方をすれば、

計算して答えを出しているだけですから、

子どもとまったく同じ向きです。

 

 

参考のために、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 35\\ \hline \:39\end{array} }} \\ を直す教え方を、

以下に書きます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 35\\ \hline \:39\end{array} }} \\ の 4 と 5 を示して、

「し引くご(4-5=)、引けない」、

「じゅうし引くご、く(14-5=9)」、

子どもが書いている答え 39 の 9 を示して、

「合っている」です。

 

やはり、

計算して答えを出しているだけです。

出す向きです。

 

続いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 35\\ \hline \:39\end{array} }} \\ の 6 を示して、

「いち減って、ご(5)」、

35 の 3 を示して、

「ご引くさん、に(5-3=2)」、

子どもが書いている答え 39 の 3 を示して、

「これ、に(2)」です。

 

計算して答えを出しているだけです。

子どもと同じ、出す向きです。

 

子どもは素直に、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 35\\ \hline \:29\end{array} }} \\ と書き直します。

 

そして、

書き直すことで、

「いち(1)減って、ご(5)になるのだ!」と納得します。

 

(基本  {\normalsize {α}} -470)、(+-  {\normalsize {α}} -279)

 

約数のリスト : 2 、3 、5 、7 、11 の使い方と、これ以上約分できないことの確かめ方を教えます。そして、自力で、約分できるように育てます。それから繰り返し、約分を計算させます。すると、ウンザリとしながらの計算の試練を乗り越えて、約数を出す感覚を持って、既約分数になったと感覚的に判断できる子に育ちます。

分数の約分は、

上(分子)と下(分母)を、

同じ数で割って、

簡単にするだけのことです。

 

「簡単にする」のような

曖昧な言い方をすることが多いのですが、

「これ以上、約分できない」、

つまり、

既約分数にするのが約分です。

 

ルールは、

とてもシンプルですから、

約分ゲームのようにできます。

 

このような約分で、

子どもが感じる難しさは、

2 つです。

 

割る数(約数)を自分で見つけることと、

これ以上は約分できなくなったと、

自分で判断することです。

 

実は、

約数を見つけることも、

既約分数(これ以上は約分できなくなった)と

判断することも、

感覚です。

 

このような約分の感覚は、

7+6= を見たら、

答え 13 を出すたし算の感覚や、

28÷4= を見たら、

答え 7 を出すわり算の感覚と同じように、

繰り返し計算することにウンザリしていても

計算を続けて、その結果、

持つことができる感覚です。

 

ですから、

計算をしないで、

言葉で説明されて、

持つことはできません。

 

でも、

約数を見つける感覚を持つ前であっても、

約数を見つけて、

約分できるようにしないと。

感覚を持つために、

繰り返し計算すること自体をできません。

 

ですから、

約数を見つける感覚を持つ前の子に、

割る数(約数)を見つける

シンプルな方法を教えます。

 

5 つの割る数(約数)の候補を持たせるだけの

シンプルな方法です。

 

その 5 つの数は、

2 と、3 と、5 と、7 と、11 です。

 

約数のリストです。

 

このリストの使い方も、

シンプルです。

 

まず、2 で割れるか確かめます。

ダメであれば、

3 を確かめます。

これもダメであれば、

5 を確かめて・・です。

 

約数を出す感覚は、

1 回で約分できる数を出す感覚です。

 

2 と、3 と、5 と、7 と、11 の

5 つの数を利用する約分は、

1 回で約分できることもあれば、

2 回、3 回と約分するときもあります。

 

この 5 つの数 :

2 と、3 と、5 と、7 と、11 では、

約分できなくて、

13 や、17 や、19 を

確かめなければならないこともあります。

 

 

以下は、

2 と、3 と、5 と、7 と、11 の

約数のリストの使い方の例です。

 

例えば、

 {\Large\frac{36}{48}}= の約分です。

 

上(分子) 36 は、

リスト : 2 、3 、5 、7 、11 の

最初の数 2 で割れます。

 

同じ数 2 で、

下(分母) 48 も割れますから、

2 は、

 {\Large\frac{36}{48}}= の約数です。

 

2 で割ります。

 {\Large\frac{36}{48}} {\Large\frac{18}{24}} です。

 

1 回、

わり算を計算したために、

これを答えにする子がいます。

 

こういう子に、

 {\Large\frac{36}{48}} {\Large\frac{18}{24}} の 「  {\Large\frac{36}{48}}=」 を隠して、

 {\Large\frac{18}{24}} だけが見えるようにしてから、

「2 で割る」と教えます。

 

「2 で割る」と教えられても、

この子は、計算を終えていますから、

何を言われているのか

分からないことがあります。

 

このような子に、

もう一度、

「2 で割る」と教えると、

だらしのない子を育ててしまいますから、

計算をリードするようにします。

 

「教えたことを聞いていたの?」のような

ネガティブな気持ちを、

持たないように自制して、

淡々と、

「上、18÷2=9」、

「下、24÷2=12」です。

 

このようにリードされると、

子どもは素直に、

 {\Large\frac{36}{48}} {\Large\frac{18}{24}} {\Large\frac{9}{12}} と書きます。

 

1 回で終わったと思っていた約分を、

もう 1 回行って、

2 回、約分の計算をしています。

 

だから、

これが答えと思うようです。

 

こういう子に、

さらに、教えます。

 

 {\Large\frac{36}{48}} {\Large\frac{18}{24}} {\Large\frac{9}{12}} の 「  {\Large\frac{36}{48}} {\Large\frac{18}{24}}=」 を隠して、

 {\Large\frac{9}{12}} だけが見えるようにしてから、

「3 で割る」と教えます。

 

先ほどと違って、

「えっ、そうなの!」、

「まだ約分できるの・・」、

「3 で割るらしい・・」と理解してくれます。

 

そうすると子どもは、

9÷3=3 、

12÷3=4 と計算して、

 {\Large\frac{36}{48}} {\Large\frac{18}{24}} {\Large\frac{9}{12}} {\Large\frac{3}{4}} と書きます。

 

こうなった後、

これ以上約分できないことを

確かめます。

 

 {\Large\frac{3}{4}} の上(分子) 3 を示して、

「3 で割れる」、

下(分母) 4 を示して、

「3 で割れない」、

「これ以上、約分できない」です。

 

このように教えて、

これ以上、約分できないことの

確かめ方を教えます。

 

こうして、

リスト : 2 、3 、5 、7 、11 の使い方と、

これ以上約分できないことの確かめ方を

子どもに教えます。

 

子どもが、

自力で約分できるようになるまで、

3 問や、5 問と教えます。

 

自力で約分できるように育てたら、

繰り返し約分を計算させます。

 

そして、

ウンザリとしても、

約分の計算を続けさせると、

約数を出す感覚と、

既約分数になったと判断する感覚を、

子どもは持ちます。

 

こうなると、

 {\Large\frac{36}{48}}= を見たら、

約数 12 を感覚で出して、

1 回の計算で、

 {\Large\frac{36}{48}} {\Large\frac{3}{4}} と約分して、

 {\Large\frac{3}{4}} が既約分数であることを、

感覚的に判断しています。

 

(基本  {\normalsize {α}} -469)、(分数  {\normalsize {α}} -192)

 

37×20= を、(3×10+7)×(2×10)= と書き換えて、式の展開で計算すれば、37×20= の計算の仕方を理解することができます。

37×20= の

37 を、3×10+7 と、

20 を、2×10 と書きます。

 

37 の 3 は、

十の位の数ですから、

10 が、3 つです。

 

その正体は、3×10 です。

 

7 は、一の位の数ですから、

そのままです。

 

ですから、

37 の正体を式に書くと、

3×10+7 になります。

 

20 は、やや特殊です。

十の位の数 2 だけですから、

2×10 が、正体です。

 

37×20= を、

正体をハッキリとさせて書き換えます。

(3×10+7)×(2×10)= です。

 

この式、

(3×10+7)×(2×10)= の計算は、

中学数学の式の展開です。

 

普通に展開します。

(3×10)×(2×10)+7×(2×10) です。

 

計算できる部分を計算します。

 

式の最初の部分、

(3×10)×(2×10) は、

(3×2)×10×10 です。

 

計算すると、

3×2=6 に、

10×10= {10^{2}} が付きます。

 

(3×10)×(2×10)=

6× {10^{2}} です。

 

6 は、百の位の数です。

 

次の部分、

7×(2×10) は、

(7×2)×10 です。

 

計算すると、

7×2=14 です。

 

そして、

この 14 の正体は、

1×10+4 ですから、

14 の 1 は、繰り上がり数です。

 

この 1×10+4 に、

10 が付きます。

 

(1×10+4)×10=

1×10×10+4×10 です。

 

ここまで、

ダラダラと長い計算ですから、

全体の流れを振り返ります。

 

37×20= の正体は、

(3×10+7)×(2×10)= です。

 

この正体の式を、

中学数学の式の展開で開くと、

6× {10^{2}}+1× {10^{2}}+4×10 です。

 

「× {10^{2}}」が付いている 6 と 1 をまとめて、

つまり、

普通の言い方でしたら、

繰り上がりのたし算で、

6+1=7 から、

7× {10^{2}}+4×10 に変わります。

 

通して書くと、

37×20=

(3×10+7)×(2×10)=

6× {10^{2}}+1× {10^{2}}+4×10=

7× {10^{2}}+4×10 です。

 

7× {10^{2}}+4×10 を、

位取りの書き方に直すと、

740 です。

 

 

これは、

37×20= を、

20 の 0 を書いてから、

2 と 7 を、2×7=14 として、

1 を繰り上がり数にして、

2 と 3 を、2×3=6 として、

繰り上がり数 1 を足して、

7 にする計算、

37×20=740 と同じ結果です。

 

もちろん、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  37 \\ \:\:\:\times  \: 20 \\ \hline \end{array}  }}\\ と筆算に書き換えて、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  37 \\ \:\:\times  \: 20 \\ \hline   740 \\\end{array}  }}\\ と計算しても、

同じ答えです。

 

37×20= を、

(3×10+7)×(2×10)= のように書くことで、

計算の仕方を理解することができます。

 

 

同じように書き換えれば、

50×43= は、

(5×10)×(4×10+3)= です。

 

8×125= は、

8×(1× {10^{2}}+2×10+5)= です。

 

中学数学の式の展開で、

計算することができます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -468)、(×÷  {\normalsize {α}} -101)

 

37×20= や、50×43= や、8×125= を、このまま計算する方法を教えます。2 つの数を順に組み合わせて計算します。

37×20= を、

筆算  {\normalsize {  \begin{array}{rr}  37 \\ \:\:\:\times  \: 20 \\ \hline \end{array}  }}\\ に書き換えずに、

このまま計算します。

 

2 つの数を、

順に組み合わせる計算の仕方を教えます。

 

こちらの計算の実況中継を見せて、

子どもをリードする教え方です。

 

37×20= の 0 を示して、

「これ、ここ」とリードして、

37×20=  0 と書かせます。

 

次に、

37×20=  0 の

2 と 7 をこの順に、

つまり、右から左の向きに示して、

「にしちじゅうし(2×7=14)」、

「ここ、し(4)」、

「指、いち(1)」とリードして、

37×20= 40 と書かせて、

子どもの指に、

繰り上がり数 1 を取らせます。

 

続いて、

37×20= 40 の

2 と 3 をこの順に

つまり、右から左の向きに示して、

「にさんがろく(2×3=6)」、

子どもが、

指に取っている繰り上がり数 1 を触って、

「いち(1)足して、しち(7)」、

「ここ」とリードして、

37×20=740 と書かせます。

 

これが、

かけ算の答えです。

 

 

50×43= も、

筆算  {\normalsize {  \begin{array}{rr}  50 \\ \:\:\:\times  \: 43 \\ \hline \end{array}  }}\\ に書き換えずに、

このまま計算してしまう

計算の仕方を教えます。

 

50×43= の 0 を示して、

「これ、ここ」とリードして、

50×43=   0 と書かせます。

 

次に、

50×43=  0 の

5 と 3 をこの順に、

つまり、左から右の向きに示して、

「ごさんじゅうご(5×3=15)」、

「ここ、ご(5)」、

「指、いち(1)」とリードして、

50×43=  50 と書かせて、

子どもの指に、

繰り上がり数 1 を取らせます。

 

続いて、

50×43=  50 の

5 と 4 をこの順に

つまり、左から右の向きに示して、

「ごしにじゅう(5×4=20)」、

子どもが、

指に取っている繰り上がり数 1 を触って、

「いち(1)足して、にじゅういち(21)」、

「ここ」とリードして、

50×43=2150 と書かせます。

 

これが、

かけ算の答えです。

 

 

8×125= も、

筆算  {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:\:8 \\ \:\:\:\:\times   125 \\ \hline \end{array}  }}\\ に書き換えずに、

このまま計算してしまう

計算の仕方を教えます。

 

8×125= の

8 と 5 をこの順に、

つまり、左から右の向きに示して、

「はちごしじゅう(8×5=40)」、

「ここ、ぜろ(0)」、

「指、し(4)」とリードして、

8×125=   0 と書かせて、

子どもの指に、

繰り上がり数 4 を取らせます。

 

次に、

8×125=   0 の

8 と 2 をこの順に

つまり、左から右の向きに示して、

「はちにじゅうろく(8×2=16)」、

子どもが、

指に取っている繰り上がり数 4 を触って、

「し(4)足して、にじゅう(20)」、

「ここ、ぜろ(0)」、

「指、に(2)」とリードして、

8×125=  00 と書かせて、

子どもの指に、

繰り上がり数 2 を取らせます。

 

続いて、

8×125=  00 の

8 と 1 をこの順に

つまり、左から右の向きに示して、

「はちいちがはち(8×1=8)」、

子どもが、

指に取っている繰り上がり数 2 を触って、

「に(2)足して、じゅう(10)」、

「ここ」とリードして、

8×125=1000 と書かせます。

 

これが、

かけ算の答えです。

 

 

このようにリードして、

37×20= や、

50×43= や、

8×125= を、

このまま計算する方法を教えれば、

子どもは、

何となくでしょうが、

2 つの数の組み合わせ方を理解します。

 

何となく、

どちらからどちらの向きなのかや、

一の位の数から組み合わせているようなことを、

計算したことで、

体感するようです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -467)、(×÷  {\normalsize {α}} -100)