四則混合の計算を修得したら、無意識の習慣的な計算の仕方になります。意識しないままに、計算順を決めて、決めた順に、一つ一つ計算します。

問題   {\Large\frac{5}{7}}÷(1 {\Large\frac{1}{7}} {\Large\frac{4}{7}} )=  を見たら、

「即」のような速さで、

かっこの中の - が先で、

かっこの前の ÷ が後と、

計算順を決めることができます。

 

計算順を決めるルールから、

かっこの中が先で、

かっこの外は、その後を思い出して、

このルールをこの問題に当てはめて、

そして、

かっこの中の - が先で、

かっこの前の ÷ が後と、

決めているような感じではないのです。

 

ルールを思い出すことや、

当てはめることをしていると、

まったく意識していないのに、

かっこの中の - が先で、

かっこの前の ÷ が後の計算順を、

決めているようです。

 

 

四則混合の計算を修得できたら、

問題   {\Large\frac{5}{7}}÷(1 {\Large\frac{1}{7}} {\Large\frac{4}{7}} )=  を見て、

そして、すぐのような速さで、

かっこの中の  1 {\Large\frac{1}{7}} {\Large\frac{4}{7}}  の

計算を始めます。

 

計算順を決めていると、

意識していないのに、計算順を決めて、

そして、

計算順を決めたことを、意識していないままに、

正しい計算順で、

最初の計算  1 {\Large\frac{1}{7}} {\Large\frac{4}{7}}  の答えを出し始めます。

 

そして、

この  1 {\Large\frac{1}{7}} {\Large\frac{4}{7}}  も、

見てすぐのような速さで、

2つの分子 1 と 4 を見て、

引けないと判断して、

引けるように工夫することに決めて、

 {\Large\frac{1}{7}} {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{8}{7}} {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{4}{7}}  と計算します。

 

意識して、

引けないことを判断していませんし、

引けるように工夫しようと決めていません。

 

習慣的に、

2つの分子 1 と 4 を見ています。

引けないと判断しています。

引けるように工夫しようと決めています。

 

習慣的に意識することなく行っていますが、

頭は、必ずこうしています。

意識できないだけです。

 

 

問題   {\Large\frac{5}{7}}÷(1 {\Large\frac{1}{7}} {\Large\frac{4}{7}} )=  の

かっこの中のひき算の答え  {\Large\frac{4}{7}} を出したら、

続いて、

 {\Large\frac{5}{7}}÷ のわり算に移ります。

 

意識することなく行われますが、

頭の中で、

次の計算がわり算であることを決めています。

 

そして、

やはり、意識することなく考えて、

頭の中に、

わり算の計算式   {\Large\frac{5}{7}}÷ {\Large\frac{4}{7}}=  をイメージして、

÷ の右の  {\Large\frac{4}{7}} を、ひっくり返してから、

× に変えて計算すると決めます。

 

意識することなく、

頭が習慣的に行います。

 

ですから、

 {\Large\frac{5}{7}}÷ {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{5}{7}}× {\Large\frac{7}{4}}=  のように書いて、

やはり、意識することなく、

書いてすぐのような感じで、

左下の 7 と、右上の 7 を約分することに決めて、

自分が書いた計算式   {\Large\frac{5}{7}}× {\Large\frac{7}{4}}=  に、

 \require{cancel}\displaystyle {\frac{5}{\begin{matrix}\cancel{7}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{7}\end{matrix}\,}{4}}=  と書き足して約分します。

 

この後も、

意識できないまま習慣的に計算して、

 \require{cancel}\displaystyle {\frac{5}{\begin{matrix}\cancel{7}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{7}\end{matrix}\,}{4}} {\Large\frac{5}{4}}=1 {\Large\frac{1}{4}}  と、

答えを出します。

 

このように計算が進みます。

四則混合の計算を修得したら、

このようになります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -943)、(分数  {\normalsize {α}} -401)

 

分数の引くことができないひき算の、引くことができるような工夫を知ったために、たし算の逆算で答えを出すことができなくなります。普通ではない書き方で、この子を手伝います。

1- {\Large\frac{3}{5}}=  を、

たし算の逆算で計算します。

 

 {\Large\frac{3}{5}} に、何かを足して、1 にします。

 

当てはまる数を探すゲームです。

 

 {\Large\frac{3}{5}} {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{5}{5}}=1  ですから、

 {\Large\frac{3}{5}} に、 {\Large\frac{2}{5}} を足せば、1 になります。

 

これから、

1- {\Large\frac{3}{5}} {\Large\frac{2}{5}}  と計算できます。

 

 

4- {\Large\frac{3}{5}}=  も、同じように計算できます。

 

 {\Large\frac{3}{5}} に、何かを足して、4 にするゲームです。

 

 {\Large\frac{3}{5}}+3 {\Large\frac{2}{5}}=3 {\Large\frac{5}{5}}=4  ですから、

 {\Large\frac{3}{5}} に、3 {\Large\frac{2}{5}} を足せば、4 になります。

 

これから、

4- {\Large\frac{3}{5}}=3 {\Large\frac{2}{5}}  と計算できます。

 

 

このように、

たし算の逆算として、

1- {\Large\frac{3}{5}}=  や、

4- {\Large\frac{3}{5}}=  の答えを出していた子が、

 {\Large\frac{1}{5}} {\Large\frac{2}{5}}=1 {\Large\frac{6}{5}} {\Large\frac{2}{5}}=1 {\Large\frac{4}{5}}  を知ったために、

たし算の逆算で計算できなくなります。

 

こういうことが起こります。

 

 {\Large\frac{1}{5}} {\Large\frac{2}{5}}=  のように、

引くことのできないひき算を、

 {\Large\frac{6}{5}} {\Large\frac{2}{5}}=  と工夫すれば、

引くことができるようになります。

 

これを知ったために、

1- {\Large\frac{3}{5}}=  や、

4- {\Large\frac{3}{5}}=  を、計算できなくなります。

 

 

このような子に、

普通の書き方ではありませんが、

1- {\Large\frac{3}{5}}=  に、

 {\Large\frac{0}{5}} {\Large\frac{3}{5}}=  と書き足します。

 

こうするだけで、

この子は、

1- {\Large\frac{3}{5}}=1 {\Large\frac{0}{5}} {\Large\frac{3}{5}} {\Large\frac{5}{5}} {\Large\frac{3}{5}} {\Large\frac{2}{5}}  と、

たし算の逆算ではない方法で、

答えを出すことができます。

 

 

同じようなことですが、

4- {\Large\frac{3}{5}}=  に、

 {\Large\frac{0}{5}} {\Large\frac{3}{5}}=  と書き足せば、

4- {\Large\frac{3}{5}}=4 {\Large\frac{0}{5}} {\Large\frac{3}{5}}=3 {\Large\frac{5}{5}} {\Large\frac{3}{5}}=3 {\Large\frac{2}{5}}  と、

答えを出すことができます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -942)、(分数  {\normalsize {α}} -400)

 

帯分数のひき算で、そのまま引くことができるのに、遠回りの計算をする子です。問題の式を、少しだけ遠目に見る余裕がないのです。

 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=  や、

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=  の式全体を見ることを、

意外と多くの子が、

できそうでできません。

 

少しだけ遠目に式全体を見ることができれば、

 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=  の 2つの分数部分は、

共に、 {\Large\frac{5}{8}} で、

同じであることに、すぐに気付きます。

 

 

また、

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}==  の 2つの分数部分は、

左が、 {\Large\frac{6}{7}} で、右が、 {\Large\frac{5}{7}} ですから、

分子 6 から、5 を引くことができることに、

すぐに気が付きます。

 

このように、

少しだけ遠目に、

式全体を見るだけのことを、

できそうでできない子が、

意外に多いのです。

 

 

式全体を見ることができない子は、

 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=4  と計算しません。

 

 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=6 {\Large\frac{13}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=3 {\Large\frac{8}{8}}=4  と、

する必要のない計算をしてしまいます。

 

 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=  は、

そのまま引くことができるのですが、

 {\Large\frac{5}{8}} を、

 {\Large\frac{13}{8}} に変えて、

それから、引いています。

 

そして、

 {\Large\frac{8}{8}} を、

1 に戻すように、

遠回り計算をしています。

 

 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=  を、

少しだけ遠目に、

式全体を見ることをしないからです。

 

 

この子の計算、

 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=6 {\Large\frac{13}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=3 {\Large\frac{8}{8}}=4  を、

そのままにして、

問題  7 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=  の 2つの分数  {\Large\frac{5}{8}} を、

左から、右に順に示しながら、

「これ、引く、これ、ゼロ」と教えて、

この子が書いた、

 {\Large\frac{13}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=3 {\Large\frac{8}{8}}=  を示して、

「これ、消して」とリードして、

消させてしまいます。

 

こうような実況中継型リードをすれば、

子どもは自然に、

問題  7 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=  を、

少し遠目に見て、

「そういうことか」のような感じで、納得して、

 {\Large\frac{13}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=3 {\Large\frac{8}{8}}=  を消します。

 

 

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=  も、

そのまま引くことができて、

 {\Large\frac{1}{7}} と計算できます。

 

それなのに、

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=7 {\Large\frac{13}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=2 {\Large\frac{8}{7}}=3 {\Large\frac{1}{7}}  と、

する必要のない計算しています。

 

 

これも同じような教え方で、

この子の計算、

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=7 {\Large\frac{13}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=2 {\Large\frac{8}{7}}=3 {\Large\frac{1}{7}}  を、

そのままにして、

問題  8 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=  の

 {\Large\frac{6}{7}} と、 {\Large\frac{5}{7}} を、順に示しながら、

「ろく引くご、いち」と教えて、

この子が書いた、

 {\Large\frac{13}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=2 {\Large\frac{8}{7}}=  を示して、

「これ、消して」とリードして、

消させてしまいます。

 

これで、

子どもは自然に、

問題  8 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=  を、

少し遠目に見て、

「そういうことか」のような感じで、納得して、

 {\Large\frac{13}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=2 {\Large\frac{8}{7}}=  を消します。

 

 

さて、

 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=6 {\Large\frac{13}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=3 {\Large\frac{8}{8}}=4  や、

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=7 {\Large\frac{13}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=2 {\Large\frac{8}{7}}=3 {\Large\frac{1}{7}}  の

遠回り計算は、

こちらが、

遠回りであることに気付かせるまで続きます。

 

遠回りに気付かせても、

その時だけの学びになって、

後日また、

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=  を計算させると、

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=7 {\Large\frac{13}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=2 {\Large\frac{8}{7}}=3 {\Large\frac{1}{7}}  の

遠回り計算をするのが普通です。

 

答えを出すことがストレスになって、

この子を緊張させていますから、

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=  を、

少しだけ遠目に見て、

「このまま引くことができる」と、

気付く余裕がないのです。

 

 

このような子を、

答えを出すストレスから解放するには、

今よりも速いスピードで計算できる子に

育てるのが効果的です。

 

速いスピードで計算できるようになった子は、

自然に、

計算に余裕が出るからです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -941)、(分数  {\normalsize {α}} -399)

 

筆算のたし算の繰り上がり数の足し忘れのミスがあります。子どもは本来、ミスそのものも学びだと受け入れていますから、ただ、計算し直すリードで、正すことを教えます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: \:\:5 \\ \hline\:\:10\end{array} }} \\  や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:20\end{array} }} \\  と計算して、

「×(バツ)」が付きます。

 

繰り上がり数の足し忘れです。

 

正しくは、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: \:\:5 \\ \hline\:\:20\end{array} }} \\  や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:30\end{array} }} \\  です。

 

この子は、

「×(バツ)」が付いているのに、

まったく気にしていません。

 

 

さて、

このような計算ミスに、

子どもは普通、とても鈍感です。

 

まったく気にしない子が、普通です。

 

子どもにしたら、

体を使うゲームは、

ミスするものだからです。

 

立って歩くことや、

母国語を聞いて話すことを、

ミスの連続で修得しているからです。

 

つまり、

ミスだとは、思っていないのです。

 

学びそのものなのです。

 

 

子どもが、

ミスを気にするようになるのは、

ミスを気にするようなことを学んで、

そして、修得したからです。

 

「また、間違えた!」や、

「間違えないように計算してね!」などと、

言われ続けていることで、

ミスを気にすることを学び、

そして修得した結果、

ミスを気にする子に変わります。

 

ミスを気にすることを、

教えようと意図していなくても、

教えてしまったから、

ミスを気にする子に育ってしまったのです。

 

 

ですから、

繰り上がり数の足し忘れで、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:20\end{array} }} \\  の計算に、「×(バツ)」が付いても、

まったく気にしていないこの子を、

そのまま受け入れてしまいます。

 

「間違えて、×(バツ)が付いたのに、

気にしていない」、

「困った子だ」と、思いません。

言いません。

 

この子に教えたいことは、

繰り上がり数を足すことです。

 

ミスを気にすることを、

教えないようにします。

 

 

ミスを気にしないようにして、

繰り上がり数を足すことを教えるのですから、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:20\end{array} }} \\  の答え 20 を残したまま、

こちらがリードして、

計算し直すようにします。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:20\end{array} }} \\  の 5 と 5 を示しながら、

「5+5=10」と足して、

消さないで残した答え 20 の 0 を示して、

「合っている」、

「指、1」です。

 

ミスしたことをまったく気にしないリードです。

 

そして、

2つの 15 の 1 を示しながら、

「1+1=2」と足して、

子どもが指に取った 1 を触って、

「1 増えて、3」、

消さないで残した答え 20 の 2 を示して、

「ここ、3」です。

 

ミスをとやかく言われないで、

計算し直すことを見せられた子は、

繰り上がり数の足し忘れに気付いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:30\end{array} }} \\  と書き直します。

 

このような実況中継型リードをすれば、

ミスそのものを、

学びにすることができます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -940)、(+-  {\normalsize {α}} -506)

 

7+6=、9+3=、・・・のたし算を、一定の速いスピードで答えを出し続けることができれば、短期間で、たし算の感覚を持つことができます。

7+6=、9+3=、8+4=、・・・の

答えを出す感覚は、

答えを出す練習をすれば、

子どもは誰でも持つことができます。

 

しかも、

短期間で効率よく持つために、

望ましい練習の仕方が、

経験から、ある程度まで分かっています。

 

とてもシンプルなことです。

 

ある一定の速い計算スピードで、

答えを出すことだけです。

 

これさえできれば、

短期間で効率よくたし算の感覚を

持つことができます。

 

意識して持とうとしなくても、

一定の速いスピードで答えを出し続ければ、

自然に、たし算の感覚を持ってしまいます。

 

 

ただ、

こちらの手間は掛かります。

 

子どもが、自力で、

一定の速いスピードで答えを出し続けることは、

とても難しいことです。

 

集中が切れるからです。

 

ですから、

何回も、

一定の速いスピードで答えを出すことに、

戻す指導が必要になります。

 

 

しかも、

こちらは、

一定の速いスピードそのものを、

知らなければなりません。

 

どのくらいの速さのスピードなのかを、

こちらが知っていれば、

その速さのスピードになるまで、

子どもをリードすることができます。

 

そして、このようにして、

こちらにリードされて、

一定の速いスピードを体験することで、

子どもは、

「あぁなるほど」、

「この速いスピードで答えを出すのですね」と、

納得することができます。

 

 

一定の速いスピードを、

数値で、このくらいと示すことができたとしても、

あまり役には立ちません。

 

子どもが、

たし算を計算しているとき、

速度計がありませんから、

自分の計算スピードを知りようがないのです。

 

こちらが子どもをリードしているときも、

速度計がありませんから、

子どもに体験させている計算スピードを、

実際には、知りようがありません。

 

曖昧な言い方ですが、

たし算の感覚をつかんだ子が、

つかむ手前あたりで、

保っていた計算スピードです。

 

経験上のデータですが、

ほとんど個人差がないのです。

 

どの子も、

同じような速いスピードで答えを出し続ければ、

自然と、

たし算の感覚を持ってしまいます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -939)、(+-  {\normalsize {α}} -505)

 

答えを出しているのかどうかだけが見える眼鏡を掛けて、子どもを見ます。答えを出していなければ、答えの出し方を教えます。この眼鏡を掛けたまま教えれば、答えの出し方だけに絞り込んで教えることができます。2けたの筆算のたし算を例にして話します。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 37 \\ +\: 24 \\ \hline \end{array} }}\,\,や、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 29 \\ +\: 56 \\ \hline \end{array} }}\,\,や、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 33 \\ +\: 58 \\ \hline \end{array} }}\,\,の \\

筆算のたし算 100問の途中で、

何回も、集中が切れて、

ボ~ッとする子です。

 

このような子を見るとき、

答えを出しているのかどうかだけを

見るような眼鏡を掛けるようにします。

 

ボ~ッとしていることが見えない眼鏡です。

 

 

このような特殊な眼鏡で、

今のこの子を見れば、

答えを出していないことが見えます。

 

さて、この子は、

自力で答えを出すことで、

答えを出す体験をすることで学べることを、

学ぼうとしています。

 

答えを出していない今、

答えを出す体験で学ぶことを、

学べない状態になっています。

 

ですから、

この特殊な眼鏡を掛けたまま

この子が、

答えを出す体験を、

再び始めるようにリードします。

 

 

こちらの答えの出し方を、

実況中継型リードで見せて、

子どもを計算に参加させてしまいます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 37 \\ +\: 24 \\ \hline \end{array} }} \\  の 7 と 4 を示して、

「7+4=11」と足して、

「ここ、1」と教えて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 37 \\ +\: 24 \\ \hline \:\:\:\:1\end{array} }} \\  と書かせて、

「指、1」で、

指を 1本伸ばさせます。

 

続いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 37 \\ +\: 24 \\ \hline \:\:\:\:1\end{array} }} \\  の 3 と 2 を示して、

「3+2=5」と足して、

子どもの指 1 を触って、

「1 増えて、6」とリードして、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 37 \\ +\: 24 \\ \hline\:\:61\end{array} }} \\ と書かせます。

 

 

次の   {\normalsize { \begin{array}{rr} 29 \\ +\: 56 \\ \hline \end{array} }} \\  も、

同じような実況中継型リードを見せて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 29 \\ +\: 56 \\ \hline\:\:85\end{array} }} \\ と書かせます。

 

答えを出しているのかどうかだけが見える

不思議な眼鏡を掛けて、

答えの出し方を教えると、

このような教え方になります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -938)、(+-  {\normalsize {α}} -504)

 

2けた×1けたの筆算のかけ算は、「下から上に掛ける」と子どもがつかめば、正しい九九の組を作れます。言葉で教えられる学びではなくて、計算自体からつかませる学びをさせます。

{\normalsize{\begin{array}{rr} 23 \\\:\times\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}}}\\  を、

{\normalsize{\begin{array}{rr}23\\\:\times\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:66\end{array}}}\\  と計算します。

 

間違えています。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr} 31 \\\:\times\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}}}\\  も同じミスで、

{\normalsize{\begin{array}{rr}31\\\:\times\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:32\end{array}}}\\  です。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr} 43 \\\:\times\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}}}\\  もやはり、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 43 \\ \times  \:\:\: 2 \\\hline 126 \end{array}}}\\  とミスします。

 

すべて同じミスです。

九九の組み合わせのミスです。

 

 

この子は、まず、

下から上に掛けます。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr} 23 \\\:\times\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}}}\\  の下の 2 から、

真上の 3 に、

2×3=6  です。

 

そして、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 23\\\:\times\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:6\end{array}}}\\  です。

 

ここは、

正しくできています。

 

 

続いて、

上の右から左横に掛けます。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr} 23\\\:\times\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:6\end{array}}}\\  の上の右の 3 から、

上の左横の 2 に、

3×2=6  です。

 

そして、

{\normalsize{\begin{array}{rr}23\\\:\times\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:66\end{array}}}\\  です。

 

ここで、

この子は、ミスしています。

 

 

この子に、

「下から上に掛ける」と、

説明して、教えたら、

「あぁ、なるほど・・・」と、

すぐに理解できるでしょう。

 

ですが、

これは、

「入れる学び」です。

 

言葉で説明されて、

理解する学び方です。

 

説明を聞くときも、

理解するときも、

この子は、まったく計算していません。

 

計算と、

切り離されて理解しています。

 

すると自然に、

こちらへの甘えと依存が育ってしまいます。

 

「自分がつかむ・・・」主体性が

弱くなってしまいます。

 

 

ですから、

言葉で説明することをやめて、

実況中継型リードで計算そのものを見せて、

この子自身が、

「なるほど、そういうことか・・・」と

つかまざるを得ないようにします。

 

以下は、

実況中継型リードの実例です。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr}23\\\:\times\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:66\end{array}}}\\  の下の 2 から、

真上の 3 を示しながら、

「2×3=6」と九九を唱えて、

この子の答え 66 の一の位の 6 を示して、

「合っている」と認めて、

下の 2 から、左上の 2 を示しながら、

「2×2=4」と九九を唱えて、

この子の答え 66 の十の位の 6 を示して、

「ここ、4」と言います。

 

実況中継型リードを見た子は、

{\normalsize{\begin{array}{rr}23\\\:\times\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:46\end{array}}}\\  と、

正しい答えに書き直します。

 

続いて、

{\normalsize{\begin{array}{rr}31\\\:\times\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:32\end{array}}}\\  も、

同じような実況中継型リードで、

{\normalsize{\begin{array}{rr}31\\\:\times\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:62\end{array}}}\\  と、

正しい答えに書き直させます。

 

さらに、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 43 \\ \times  \:\:\: 2 \\\hline 126 \end{array}}}\\  も、

同じような実況中継型リードで、

{\normalsize{\begin{array}{rr}43\\\:\times\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:86\end{array}}}\\  と、

正しい答えに書き直させます。

 

このような実況中継型リードのどこかで、

計算自体から、

計算のルールをつかみ取ったこの子が、

「そうか、分かった」となります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -937)、(×÷  {\normalsize {α}} -171)