帯分数のひき算で、そのまま引くことができるのに、遠回りの計算をする子です。問題の式を、少しだけ遠目に見る余裕がないのです。

 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=  や、

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=  の式全体を見ることを、

意外と多くの子が、

できそうでできません。

 

少しだけ遠目に式全体を見ることができれば、

 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=  の 2つの分数部分は、

共に、 {\Large\frac{5}{8}} で、

同じであることに、すぐに気付きます。

 

 

また、

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}==  の 2つの分数部分は、

左が、 {\Large\frac{6}{7}} で、右が、 {\Large\frac{5}{7}} ですから、

分子 6 から、5 を引くことができることに、

すぐに気が付きます。

 

このように、

少しだけ遠目に、

式全体を見るだけのことを、

できそうでできない子が、

意外に多いのです。

 

 

式全体を見ることができない子は、

 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=4  と計算しません。

 

 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=6 {\Large\frac{13}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=3 {\Large\frac{8}{8}}=4  と、

する必要のない計算をしてしまいます。

 

 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=  は、

そのまま引くことができるのですが、

 {\Large\frac{5}{8}} を、

 {\Large\frac{13}{8}} に変えて、

それから、引いています。

 

そして、

 {\Large\frac{8}{8}} を、

1 に戻すように、

遠回り計算をしています。

 

 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=  を、

少しだけ遠目に、

式全体を見ることをしないからです。

 

 

この子の計算、

 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=6 {\Large\frac{13}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=3 {\Large\frac{8}{8}}=4  を、

そのままにして、

問題  7 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=  の 2つの分数  {\Large\frac{5}{8}} を、

左から、右に順に示しながら、

「これ、引く、これ、ゼロ」と教えて、

この子が書いた、

 {\Large\frac{13}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=3 {\Large\frac{8}{8}}=  を示して、

「これ、消して」とリードして、

消させてしまいます。

 

こうような実況中継型リードをすれば、

子どもは自然に、

問題  7 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=  を、

少し遠目に見て、

「そういうことか」のような感じで、納得して、

 {\Large\frac{13}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=3 {\Large\frac{8}{8}}=  を消します。

 

 

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=  も、

そのまま引くことができて、

 {\Large\frac{1}{7}} と計算できます。

 

それなのに、

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=7 {\Large\frac{13}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=2 {\Large\frac{8}{7}}=3 {\Large\frac{1}{7}}  と、

する必要のない計算しています。

 

 

これも同じような教え方で、

この子の計算、

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=7 {\Large\frac{13}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=2 {\Large\frac{8}{7}}=3 {\Large\frac{1}{7}}  を、

そのままにして、

問題  8 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=  の

 {\Large\frac{6}{7}} と、 {\Large\frac{5}{7}} を、順に示しながら、

「ろく引くご、いち」と教えて、

この子が書いた、

 {\Large\frac{13}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=2 {\Large\frac{8}{7}}=  を示して、

「これ、消して」とリードして、

消させてしまいます。

 

これで、

子どもは自然に、

問題  8 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=  を、

少し遠目に見て、

「そういうことか」のような感じで、納得して、

 {\Large\frac{13}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=2 {\Large\frac{8}{7}}=  を消します。

 

 

さて、

 {\Large\frac{5}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=6 {\Large\frac{13}{8}}-3 {\Large\frac{5}{8}}=3 {\Large\frac{8}{8}}=4  や、

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=7 {\Large\frac{13}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=2 {\Large\frac{8}{7}}=3 {\Large\frac{1}{7}}  の

遠回り計算は、

こちらが、

遠回りであることに気付かせるまで続きます。

 

遠回りに気付かせても、

その時だけの学びになって、

後日また、

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=  を計算させると、

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=7 {\Large\frac{13}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=2 {\Large\frac{8}{7}}=3 {\Large\frac{1}{7}}  の

遠回り計算をするのが普通です。

 

答えを出すことがストレスになって、

この子を緊張させていますから、

 {\Large\frac{6}{7}}-5 {\Large\frac{5}{7}}=  を、

少しだけ遠目に見て、

「このまま引くことができる」と、

気付く余裕がないのです。

 

 

このような子を、

答えを出すストレスから解放するには、

今よりも速いスピードで計算できる子に

育てるのが効果的です。

 

速いスピードで計算できるようになった子は、

自然に、

計算に余裕が出るからです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -941)、(分数  {\normalsize {α}} -399)