3元1次連立方程式で、1つの文字が欠けても、2つ残ります。この欠けた文字の係数を、0 と理解させれば、解を求めやすくなります。でも、2元1次連立方程式では、1つの文字が欠けると、残りは 1つですから、残った文字の解が求まっています。事情が違います。

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}2x-3y-z=12\\3x+2y+z=-1\\-y+z=-4\end{array}\right.\end{eqnarray}}   の 3番目の式を、

-y+z=-4  から、

0x-y+z=-4  に書き換えます。

 

これだけのことで、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}2x-3y-z=12\\3x+2y+z=-1\\0x-y+z=-4\end{array}\right.\end{eqnarray}}   に変わり、

見慣れた 3元1次連立方程式に変わります。

 

 

さて、

文字の欠けた2元1次連立方程式

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x-3y=10\\y=-3\end{array}\right.\end{eqnarray}}   のような問題で、

「欠けている」を、

「係数 0 」と理解させようとします。

 

そして、

文字の欠けた 3元1次連立方程式のように、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x-3y=10\\0x+y=-3\end{array}\right.\end{eqnarray}}   と書き換えさせたとします。

 

すると、

「無駄なことを・・・」と、

少し気の利いた子から嫌がられます。

 

 

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x-3y=10\\y=-3\end{array}\right.\end{eqnarray}}   の 2番目の式、

y=-3  を、

1番目の式  x-3y=10  に代入すれば、

x+9=10  から、

x=1  と、簡単に求まります。

 

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x-3y=10\\0x+y=-3\end{array}\right.\end{eqnarray}}   と書き換えることが、

無駄な遠回りに、

気の利いた子には見えてしまいます。

 

 

やはり、

「欠けている」を、

「係数 0 」と理解させて、

「なるほど・・・」と感じさせることができるのは、

3元1次連立方程式

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}2x-3y-z=12\\3x+2y+z=-1\\-y+z=-4\end{array}\right.\end{eqnarray}}   からです。

 

2元1次連立方程式

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x-3y=10\\y=-3\end{array}\right.\end{eqnarray}}   でしたら、

代入して計算した方が、

簡単です。

 

 

実は、

もっと前の分数のひき算でしたら、

「欠けている」を、

「分子 0 」と理解させれば、

「なるほど・・・」となるのですが、

子どもには、唐突すぎます。

 

例えば、

4- {\Large\frac{3}{5}}= のような

整数から分数を引くひき算で、

 {\Large\frac{0}{5}} {\Large\frac{3}{5}}= と書き換えさせるだけで、

分数から分数を引くひき算に変わります。

 

そうなのですが、

分数  {\Large\frac{0}{5}} を、

このレベルの子どもに教えても、

受け入れることが難しいようです。

 

唐突すぎるようです。

 

やはり、

3元1次連立方程式

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}2x-3y-z=12\\3x+2y+z=-1\\-y+z=-4\end{array}\right.\end{eqnarray}}   で、

「欠けている」を、

「係数 0 」と理解させるまで、

子どもの学力が高まるのを待つべきです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -838)、(分数  {\normalsize {α}} -361)