筆算のたし算の繰り上がり数の足し忘れのミスがあります。子どもは本来、ミスそのものも学びだと受け入れていますから、ただ、計算し直すリードで、正すことを教えます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: \:\:5 \\ \hline\:\:10\end{array} }} \\  や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:20\end{array} }} \\  と計算して、

「×(バツ)」が付きます。

 

繰り上がり数の足し忘れです。

 

正しくは、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: \:\:5 \\ \hline\:\:20\end{array} }} \\  や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:30\end{array} }} \\  です。

 

この子は、

「×(バツ)」が付いているのに、

まったく気にしていません。

 

 

さて、

このような計算ミスに、

子どもは普通、とても鈍感です。

 

まったく気にしない子が、普通です。

 

子どもにしたら、

体を使うゲームは、

ミスするものだからです。

 

立って歩くことや、

母国語を聞いて話すことを、

ミスの連続で修得しているからです。

 

つまり、

ミスだとは、思っていないのです。

 

学びそのものなのです。

 

 

子どもが、

ミスを気にするようになるのは、

ミスを気にするようなことを学んで、

そして、修得したからです。

 

「また、間違えた!」や、

「間違えないように計算してね!」などと、

言われ続けていることで、

ミスを気にすることを学び、

そして修得した結果、

ミスを気にする子に変わります。

 

ミスを気にすることを、

教えようと意図していなくても、

教えてしまったから、

ミスを気にする子に育ってしまったのです。

 

 

ですから、

繰り上がり数の足し忘れで、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:20\end{array} }} \\  の計算に、「×(バツ)」が付いても、

まったく気にしていないこの子を、

そのまま受け入れてしまいます。

 

「間違えて、×(バツ)が付いたのに、

気にしていない」、

「困った子だ」と、思いません。

言いません。

 

この子に教えたいことは、

繰り上がり数を足すことです。

 

ミスを気にすることを、

教えないようにします。

 

 

ミスを気にしないようにして、

繰り上がり数を足すことを教えるのですから、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:20\end{array} }} \\  の答え 20 を残したまま、

こちらがリードして、

計算し直すようにします。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:20\end{array} }} \\  の 5 と 5 を示しながら、

「5+5=10」と足して、

消さないで残した答え 20 の 0 を示して、

「合っている」、

「指、1」です。

 

ミスしたことをまったく気にしないリードです。

 

そして、

2つの 15 の 1 を示しながら、

「1+1=2」と足して、

子どもが指に取った 1 を触って、

「1 増えて、3」、

消さないで残した答え 20 の 2 を示して、

「ここ、3」です。

 

ミスをとやかく言われないで、

計算し直すことを見せられた子は、

繰り上がり数の足し忘れに気付いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:30\end{array} }} \\  と書き直します。

 

このような実況中継型リードをすれば、

ミスそのものを、

学びにすることができます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -940)、(+-  {\normalsize {α}} -506)