筆算のかけ算のミスの直しで、こちらに教えてもらおうとする甘えの強い子に、「1回で、つかむ!」と、突き放して、この子の主体性を刺激します。それから教えます。

{\normalsize{\begin{array}{rr}14\\\:\times\:\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:32\end{array}}}\\ は、

間違えていて、

繰り上がり数 1 を足し忘れています。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr}15\\\:\times\:\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:55\end{array}}}\\ は、

やはり間違えていて、

繰り上がり数 1 なのに、

2 を足しています。

 

ミスの仕方が、

さまざまです。

不安定です。

 

 

ミスを直すリードで、

この子に、繰り上がり計算を、

つかませます。

 

「理解させる」のではなくて、

「つかませる」です。

 

次から、

正しく計算できるように育てます。

 

教える前に、

一言、

「1回で、つかむ!」と、

この子にぶつけます。

 

 

何を学ぶのかを、

習う前にハッキリと決めていない子です。

 

こちら次第の

周りに甘える学び方です。

 

この子に強く感じる甘えの依存を、

学ぶことに責任を持つ主体性に、

「1回で、つかむ!」で、

瞬時に切り替えさせます。

 

 

もちろんこの子も、

ハッキリと意識していないままに、

「直し方を学ぶ・・」と、

ボンヤリと決めています。

 

自分の責任で、

直し方を、自分に確実に学ばせる・・のように、

主体的に決めていません。

 

こちらの教え方が、

自分にピッタリと合っていれば、

「直し方を学ぶこと」ができるでしょうけれど、

自分に合わなければ、

「直し方を学べないだろう」のように、

自分が責任を持つのではなくて、

こちらに責任を持たせようとしている態度です。

 

「1回で、つかむ!」とぶつけることで、

あなた次第です・・と

やや冷たく突き放しています。

 

つかみたいのは、

あなたなのだから、

つかむ責任を持ちなさい・・と、

教える前に、

学びを待ち構える態度に導きます。

 

 

この子が、

「1回で、つかむ」気持ちで、

こちらの教えを待ち構えるようになれば、

こちらの計算の実況中継が最適です。

 

こちらは、

ミスの直し方を見せるだけです。

 

「1回で、つかむ」と、

待ち構える気持ちで、

自分の学びに責任を持てば、

確実に学ぶことができる教え方になります。

 

 

以下は、

実況中継の実例です。

 

誤答 {\normalsize{\begin{array}{rr}14\\\:\times\:\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:32\end{array}}}\\ を、

消さないで残します。

 

3 と 4 を示して、

「3×4=12」、

子どもの書いた答え 32 の 2 を示して、

「2、合っている」、

「指、1」です。

 

「1回で、つかむ」強い気持ちで見ている子は、

2 が正しいことを納得して、

指を 1 本伸ばします。

 

 

こちらは続けます。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr}14\\\:\times\:\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:32\end{array}}}\\ の 3 と 1 を示して、

「3×1=3」、

子どもが指に取った 1 を触って、

「1 増えて、4」、

子どもの書いた答え 32 の 3 を示して、

「これ、4」です。

 

「1回で、つかむ」と待ち構えている子は、

「そうだ、1 があった・・」のような感じに理解して、

{\normalsize{\begin{array}{rr}14\\\:\times\:\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:42\end{array}}}\\ と書き直します。

 

 

{\normalsize{\begin{array}{rr}15\\\:\times\:\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:55\end{array}}}\\ も、

誤答を消さないで残して、

同じような実況中継を見せます。

 

3 と 5 を示して、

「3×5=15」、

子どもの書いた答え 55 の

一の位の 5 を示して、

「5、合っている」、

「指、1」です。

 

この子は、

「1 か・・」のような感じに学び、

指を 1 本伸ばします。

 

 

こちらは続けます。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr}15\\\:\times\:\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:55\end{array}}}\\ の 3 と 1 を示して、

「3×1=3」、

子どもが指に取った 1 を触って、

「1 増えて、4」、

子どもの書いた答え 55 の

十の位の 5 を示して、

「これ、4」です。

 

「分かった・・」のような感じに理解して、

{\normalsize{\begin{array}{rr}15\\\:\times\:\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:45\end{array}}}\\ と書き直します。

 

(基本  {\normalsize {α}} -637)、(×÷  {\normalsize {α}} -134)