の計算で戸惑います。
この子は、
を、
と、7~8秒で計算できます。
の 9 と 5 を見て、
9+5=14 と足して、
と、4 を書いて、
繰り上がり数 1 を、指に取ります。
続いて、
の 4 と 1 を見て、
4+1=5 と足して、
指に取った 1 を足して、
5+1=6 として、
と書きます。
この一連のプロセスを、
7~8秒で終わらせるスピードのある子です。
それなのに、
同じように計算するだけの で、
ひどく戸惑います。
の 5 と 5 を見て、
5+5=10 と足して、
と、0 を書いて、
繰り上がり数 1 を、指に取ります。
ここまでは、
楽に計算できます。
と同じような計算だからでしょう。
続いて、
の 8 と 1 を見て、
8+1=9 と足して、
指に取った 1 を足して、
9+1=10 とするあたりから、
戸惑い始めるようです。
「えっ、また繰り上がるの?」のような
ボンヤリとした戸惑いのようです。
そして、
と書くことに抵抗します。
「えっ、1 を覚えるのではないの?」、
「書いてしまうの?」のような
繰り上がり数なのに、
1 を指に取らないで、
書いてしまうことへの戸惑いです。
このようなたし算に慣れてしまえば、
このようなことを思わないのですが、
初めて出会うと、
「繰り上がり数 1 を、書いてしまうの?」と、
戸惑うのが普通です。
繰り上がり数 1 を足して、
9+1=10 と、
またここで、
繰り上がり計算のように、
答えが 2けたになることや、
と、
繰り上がり数 1 のはずの 1 を、
書いてしまうことが、
この子を戸惑わせています。
の答えの出し方を、
初めて習った時の戸惑いと、
かなり違う戸惑いです。
の 9+5=14 の 1 や、
の 5+5=10 の 1 は、
それぞれに、
4+1=5 の 5 や、
8+1=9 の 9 のように、
繰り上がり数 1 を足す相手があるのです。
ですが、
の 9+1=10 の 1 は、
繰り上がり数 1 と思ったとしても、
この 1 を足す相手がないのです。
次のたし算がないからです。
このように、
の 十の位のたし算、
8+1=9 に、
一の位からの繰り上がり数 1 を足して、
9+1=10 となった 10 の 1 を、
繰り上がり数として覚えておいても、
2けたの数のたし算ですから、
次のたし算がありませんから、
十の位の繰り上がり数 1 を
足す相手がないのです。
だからといって、
繰り上がり数と思ってしまった 1 を、
百の位に書くと指示されても、
「えっ、どうして?」と戸惑うのです。
こういうことでの戸惑いを少なくするように、
こちらの教え方は、
始めから、
繰り上がり数と言いません。
の 5 と 5 を示して、
「5+5=10」、
5 の真下を示して、
「ここ、0」、
「指、1」です。
「繰り上がり数」ではなくて、
「指」です。
子どもが と書くのを待ってから、
8 と 1 を示して、
「8+1=9」、
子どもが指に取っている 1 を触って、
「1 増えて、10」、
15 の 1 の真下を示して、
「ここ、10」です。
このようにサラリとリードされると、
「えっ、指に 1 を取るのではないの・・」と、
ボンヤリと戸惑うのでしょうが、
それでも、
と、
子どもは書きます。
書くことで、
このように書くことが、
この子の既成事実になります。
「繰り上がり数 1 を書くこともある」のような
既成事実です。
それでも、
ここでの戸惑いは、
とても強いようで、
5~6問や、
7~8問と、
既成事実を積み上げる必要があります。
(基本 -674)、(+- -370)