筆算のひき算の繰り下がりを教えます。子どもは、プログラムされて動く機械ではありません。こちらの説明を取り込んで、自分なりに組み立て直してから、繰り下がりを計算します。取り込みやすい教え方を工夫すると、効果的です。

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 52 \\ - 13 \\ \hline \end{array} }} \\ このような筆算のひき算の

繰り下がりの計算の仕方を、

子どもに教えます。

 

やや長くなりますが、

できるだけ詳しく書きます。

 

 

一の位の 2 から 3 を、

上から下に見て、

上から下を引きます。

 

2-3= は、

引けません。

 

引けるようにします。

 

2 の左隣の 5 から、

1 借ります。

 

この 1 は、

十の位の 1 ですから、

10 です。

 

この10 と、

2 を合わせて、

10+2=12 です。

 

この 12 から、

3 を引きます。

 

12-3=9 と計算できます。

 

答え 9 を、

3 の真下に書きます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:52 \\ -\: 13\\ \hline \:\:\:\:9\end{array} }} \\ となります。

 

 

次に、

十の位の 5 は、

1 を貸したので、

1 減って、

5-1=4 です。

 

この 4 から、

その真下の

十の位の 1 を引きます。

 

4-1=3 です。

 

答え 3 を、

1 の真下に書きます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:52 \\ -\: 13\\ \hline \:39\end{array} }} \\ となります。

 

このような内容を、

子どもに教えます。

 

 

さて、

少し込み入った話をしますが、

子どもはプログラムされるのを待っている

機械ではありません。

 

こちらが教えたことを、

そっくりそのままプログラムとして使って、

このプログラムに動かされて、

筆算のひき算の繰り下がりを

計算するようなことをできないのです。

 

こちらとは、

別の人格の人間です。

 

人間には内面があって、

外から受けた刺激を取り込み、

何らかの基準で選んだものを残して、

それを組み立てることで、

「なるほど」と理解します。

 

こちらが教えたことを、

内面に取り込み、

その子なりに取捨選択して、

繰り下がりの計算の仕方を組み立てて、

このように組み立てたことで、

繰り下がりの計算を行います。

 

 

こうなっていることを理解して、

子どもに取り込まれやすいことと、

子どもが組み立てやすいことを

教え方の条件として、

子どもへの教え方を工夫します。

 

経験上、分かっていることは、

こちらの計算を、

実況中継で見せる教え方が、

子どもに取り込まれやすくて、

子どもが組み立てやすいことです。

 

以下は、

例えばの実況中継の実例です。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 52 \\ - 13 \\ \hline \end{array} }} \\ の 5 と 1 をペン先で隠します。

 

ただ、無言で隠すだけです。

 

理由を言葉で説明しません。

取り込まれにくくなるからです。

 

「2-3=、引けません」、

「12-3=9」と計算をリードします。

 

上の 2 から、

下の 3 を引くことは、

子どもが分かっていて、

そのように計算できることです。

 

子どもの分かり切っていることを省いて、

「上から下を引きます」のような説明を抜いて、

いきなり計算 2-3= を伝えて、

引けないことを伝えます。

 

引けるようにします・・のような説明も、

隣から借りる・・のような説明も抜いて、

いきなり計算 12-3=9 とリードします。

 

12-3= の計算自体、

できる子ですから、

引いた答えが、9 になることを、

「合っている」と、

子どもも計算して納得できます。

 

でも、

「えっ、12?」のような戸惑いが生じます。

 

 

この順番が、

とても重要です。

 

先に、

12-3=9 の計算をぶつけます。

 

だから、

その後で、

「えっ、12?」と戸惑います。

 

つまり、

戸惑ったときは、

もう、計算が終わっています。

 

 

普通の順番は、

違います。

 

隣から借りる・・のような説明が、

先です。

 

実際の計算、

12-3= が出るまで長いのです。

 

説明を先にするこの順番が、

子どもに取り込みにくくしています。

 

理由を説明しないで、

いきなりの計算を子どもにぶつけて、

12-3=9 としてしまえば、

「えっ、12?」の疑問が生じますが、

実は、

取り込みやすいのです。

 

 

続きの実況中継を省略します。

 

いきなり計算をぶつけると、

子どもは取り込みやすくなります。

 

計算の前に、

長い説明があると、

子どもは取り込みにくくなります。

 

チョットした違いですが、

子どもには、大きく違います。

 

(基本  {\normalsize {α}} -636)、(+-  {\normalsize {α}} -352)