繰り下がりのある筆算のひき算の計算の仕方を理解するとき、理解を助ける言葉が必要です。「引けない」、「1借りる」、「1 貸す」のような言葉です。実際に計算して答えを出すとき、言葉は不要です。子どもが、混同しないように注意して教えます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:435 \\ - \: 267 \\ \hline \end{array} }} \\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:504 \\ - \: 186 \\ \hline \end{array} }} \\ のような繰り下がりのある

筆算のひき算は、

引くことができないひき算を

引けるようにするためのパターンを

繰り返すことで答えを出します。

 

引くことができないひき算を、

引けるようにするために、

引かれる数を、

引く数よりも大きくします。

 

引かれる数を大きくするやり方が

同じようなパターンになっていますから、

パターンを使えるようになれば、

繰り下がりのある筆算のひき算を

計算できます。

 

しかも、

引かれる数を大きくする方法は、

実にシンプルです。

 

引かれる数の前に、

1 を付けるだけです。

 

繰り下がりのある筆算のひき算を

計算するときに

実際にしていることは、

引かれる数の前に、1 を付けるだけです。

 

例えば、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:435 \\ - \: 267 \\ \hline \end{array} }} \\ の一の位のひき算は、

5-7= です。

 

引かれる数 5 は、

引く数 7 よりも小さくて、

ひき算できません。

 

ひき算できるように、

5 の前に、

1 を付けて、

15 にします。

 

やっていることはこれだけのことです。

実にシンプルです。

 

これで、

15-7=8 と、

ひき算をできて、

答え 8 を出すことができます。

 

 

でも、

引かれる数に、

1 を付けて大きくしていますが、

どこの 1 なのか気になります。

 

これもシンプルな話で、

左隣の

あるいは、更に左隣の

あるいは、もっと先の左隣の

一部分です。

 

例えば、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:435 \\ - \: 267 \\ \hline \end{array} }} \\ でしたら、

引かれる数 5 の前に付けた 1 は、

左隣の 3 の一部分です。

 

3 を、

2 と、1 に分けて、

この 1 を、

5 の前に付けています。

 

そして、

3 は、

その一部分 1 を、

一の位の 5 に付けたので、

2 に変わります。

 

 

あるいは、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:504 \\ - \: 186 \\ \hline \end{array} }} \\ でしたら、

引かれる数 4 の前に付けた 1 は、

左隣の 0 の一部分です。

 

もちろん、

0 の一部分に、

1 はありませんから、

その左隣の 5 の一部分の 1 を、

この 0 の前に付けて、

10 にして、

10 を、9 と 1 に分けた 1 です。

 

 

さて、

このような計算を教えるとき、

比較的多い説明は、

「引けないので・・」から始めて、

「1 を借りて・・」や、

「1 を貸したから・・」のような言い方です。

 

どのような言い方で説明していても、

やっていることは同じです。

 

引かれる数の前に 1 を付けることと、

この 1 は、

左隣や、

あるいはもっと左隣の数の

一部分だということです。

 

 

言葉で説明することは、

繰り下がりのある筆算のひき算の

計算の仕方を理解するためです。

 

計算して答えを出すためではありません。

 

子どもが、

理解することと、

計算して答えを出すことを、

混同しないように、

子どもに教えるときに、

こちらが注意します。

 

こちらが、

子どもに教えようとしていることを、

ハッキリと意識していれば、

子どもが混同しないようにできます。

 

例えば、

「計算の仕方を理解できるように、

教えている」や、

「繰り下がりのある筆算のひき算を、

計算できるように導く」のように、

子どもに教える目的を意識します。

 

そして、

計算して答えを出すことに絞れば、

繰り返すパターンを選び、

そのパターンを使えるように導きます。

 

 

以下に、

とてもシンプルな

繰り返すパターンを紹介します。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:504 \\ - \: 186 \\ \hline \end{array} }} \\ の計算で説明します。

 

筆算のひき算です。

右端の一の位から計算します。

 

4 から、6 を見て、

引けないことを知ります。

 

4 の前に、1 を付けて、

14-6=8 と引きます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:504 \\ -\: 186\\ \hline \:\:\:\:8\end{array} }} \\ と書きます。

 

次に、

十の位の計算です。

 

0 を、

1 小さくして、

9 にします。

 

そして計算を続けますが、

実は、

一の位のひき算から、

十の位の数を、

1 小さくするまでが、

繰り返すパターンです。

 

 

誤解されていることが多いので、

ややくどい話しをします。

 

計算して答えを出すことが目的です。

 

「引けないから、

引けるようにする」、

「繰り下がり」、

「1 を借りる」、

「1 を貸した」は、

言葉自体不要です。

 

これらの言葉で

計算するのではないのです。

 

これらの言葉の目的は、

計算の仕方を説明するためです。

計算の仕方を理解するための手掛かりです。

 

計算して答えを出すときに、

これらの言葉を、

どの一つも使いません。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:504 \\ - \: 186 \\ \hline \end{array} }} \\ を計算して答えを出しだけですから、

計算だけです。

 

4 から、6 を見るとき、

ただ見るだけです。

 

「上から下を見る」のような

言葉を使いません。

 

4-6= をできません。

 

「計算できない」と、

言葉で考えていません。

 

答えが出ないだけですから、

4 を、14 にします。

 

「1 を借りて」の言葉は不要です。

 

「1 を前に付けて」の言葉も

要りません。

 

ただ、

4 を、

14 にするだけです。

 

そして、

14-6=8 です。

 

「計算できるようになった」の言葉ではなく、

答えが出ただけです。

 

そうしたら、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:504 \\ -\: 186\\ \hline \:\:\:\:8\end{array} }} \\ と書くだけです。

 

これが、

計算して答えを出すことです。

 

計算の仕方を説明することや、

理解することと、

大きく違う行動なのです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -530)、(+-  {\normalsize {α}} -302)