分母の違う分数を足すときの計算の流れを、流れに従って、個々の計算そのものを言うだけの教え方をします。子どもが自力で計算するときに、とても近い形だからです。

計算問題の答えは、

子どもが自力で出します。

 

子どもも、

そういうものだと

理解できています。

 

ですから、

こちらは、子どもに、

「答えの出し方」だけを教えるようにします。

 

 

例えば、

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{3}}=  の答えの出し方だけを教えるときです。

 

「分母が違う分数のたし算です」、

「同じではない 2つの分母の

最小公倍数を出します」、

「分母を、最小公倍数にそろえます」、

「分母がそろったら、

分子同士を足します」のように

答えの出し方を言葉で説明しません。

 

 

まず、

分母が

同じなのか、

それとも、違うのかは、

見ればすぐ分かることですから

教える必要のないことです。

 

次に、

最小公倍数を出すとの説明は

答えの出し方ではありませんから、

しません。

 

そして、

最小公倍数にそろえることも、

そろえ方を教えていませんから、

言う必要のないことです。

 

さらに、

分子同士を足すなどと

説明するまでもなく

足してしまうだけですから、

これも、言う必要のないことです。

 

 

さて、

教え方の実例は、

次のような実況中継型リードです。

 

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{3}}=  の 2 と 3 を示して、

「3÷2=、割り切れない」、

「3 の 2倍は 6」,

「6÷2=3、割り切れる」、

「下 6」と言います。

 

最小公倍数と言いませんが、

分母を 6にそろえることまでの計算だけを

計算そのものを、

計算の流れに従い言うことで、

教えています。

 

これが、

「答えの出し方」だけの教え方の実例です。

 

続きの計算も、

同じように教えますので、

ここでは省略します。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1518)、(分数  {\normalsize {α}} -599)

 

関連:2023年12月23日の私のブログ記事

「異なる分母の分数のたし算の計算は、

かけ算や、わり算や、たし算の組み合わせです。

子どもが新しく習うことは、組み合わせ方です。

こう理解して、実際に子どもを指導します。

すると、さまざまな体験知を得ることができます」。

 

2+1= の答え 3 や、14-8= の答え 6 の出し方を、できるだけ正確に再現して見せます。子どもは見せられても、計算の仕方を理解できません。でも、「自力でつかめそうな気がする」と、心のどこかで感じています。潜在能力のつぶやきです。

2+1=  の実況中継型リードの実例は、

2 を示して、「に」と言って、

1 を示して、

「さん」と言って、

= の右を示して、

「ここ、さん(3)」と言います。

 

リードされた子は、

何が何だかまったく分からないまま、

それでも、

2+1=3  と書きます。

 

 

このような実況中継型リードを見せて、

こちらは、

答えの出し方そのものを

教えているつもりです。

 

リードされている子は、

「教えてもらえた」とは

思ってもいません。

 

「訳が分からないが、

さん(3)と言われたから・・・」で、

2+1=3  と書いているだけです。

 

 

14-8=  の実況中継型リードの実例は、

= の右を示して、

「ろく(6)」と言って、

子どもが  14-8=6  と書いたら、

8 と 6 を示して、

そして、14 も示して、

「はち足すろく、じゅうし(8+6=14)」と言います。

 

リードされた子は、

何が何だかまったく分からないままです。

 

 

このような実況中継型リードを見せて、

こちらは、

答えの出し方そのものを

教えているつもりです。

 

リードされている子は、

「教えてもらえた」とは

思ってもいません。

 

「いきなり、

ろく(6)と言われたから・・・」で、

14-8=6  と書いているだけです。

 

 

実況中継型リードを見せて教えても、

子どもは、

「教えてもらえた」と思いません。

 

繰り返し、

同じような実況中継型リードを見せられると、

答えの出し方を、

「なぁんだ、分かった」とつかみます。

 

「教えられたのではなくて、

自力でつかんだ」が、

子どもの感じに近いはずです。

 

 

つまり、

子どもの内から、

何かが現われたのです。

 

潜在能力を、

子どもが自力で顕在化させたのです。

 

実況中継型リードを見せる教え方は、

このようなことができます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1517)、(+-  {\normalsize {α}} -840)

 

関連:2023年12月22日の私のブログ記事

「できない計算を、自力でできるようになることや、

嫌でやろうとしなかった計算問題に、

取り組むようになることは、

潜在能力が顕在化されたからです。

子どもの潜在能力を顕在化できるチャンスに

出会えたら、指導する体験で、

体験知を得てしまいます」。

 

4 を足すたし算を教える目的は、さまざまです。目的はさまざまですが、教えるときに見せる答えの出し方は、判で押したようにそろえます。

4 を足すたし算の

例えば、5+4=  の答え 9 の出し方を、

どのような状況の子どもに教えるときも

教える目的と無関係に

一定にそろえてしまいます。

 

5+4=  の 5 を示して、

「ご」と言って、

4 を示して、

「ろく、しち、はち、く」と言って、

= の右の余白を示して、

「ここ、く(9)」と言います。

 

このようなリードを目の前で見た子は

すぐに参加して

5+4=9  と書きます。

 

これが、

教える目的と無関係に

一定にそろえる実況中継型リードです。

 

 

4 を足すたし算の答え 9 の出し方を、

子どもに教える目的はさまざまです。

 

① 数唱を利用して答えを出すことを教えること。

② 数え間違えの答えを正すこと。

③ 切れている集中を戻すこと。

④ 数えるスピードを速めること。

⑤ 次の問題に移るスピードを速めること。

 

と、

このようにさまざまな教える目的があります。

 

このようなさまざまな教える目的の

どれを子どもに教えるときも

答えの出し方自体は、

判で押したように

同じ実況中継型リードに固定します。

 

こうするから、

子どもは、

答えの出し方そのものではなくて、

こちらが意図している教える目的に気付いて、

学ぶことができます。

 

 

このような学習知を知ったならば、

実際に子どもを指導します。

 

① 数唱を利用して答えを出すことを教えること。

② 数え間違えの答えを正すこと。

③ 切れている集中を戻すこと。

④ 数えるスピードを速めること。

⑤ 次の問題に移るスピードを速めること。

 

さまざまな教える目的に、

判で押したように

同じ実況中継型リードを見せて教えます。

 

そして、

多くの子を指導して、

「なるほど」の体験知を積み重ねます。

 

すると、

子どもの大きな個人差とは無関係に

「一定した何か」に気付きます。

 

言葉にすることが難しい

「一定した何か」が、

実際に子どもを指導して得る体験知です。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1516)、(+-  {\normalsize {α}} -839)

 

関連:2023年12月21日の私のブログ記事

「4 を足すたし算から、繰り返しても、

何らかの感覚が育たないことに、

子どもはイライラし始めるのが普通です。

今よりも速いスピードで答えを出すことや、

今よりも速いスピードで、

次の問題に取りかかることに挑戦させます。

実際に指導することで、

さまざまな多くの体験知を得ます」。

 

「今」を、「今」から見ると、「できていない部分」を見てしまいます。「今」を、「未来」から見ると、計算できる「未来」から見ますから、「できている部分」を見ています。

3- {\Large\frac{2}{5}}=  の答えを、次の 3つができると、

自力で出すことができます。

① 引くことができません。

② 3 を、2 {\Large\frac{5}{5}} に書き換えます。

③ 2 {\Large\frac{5}{5}} {\Large\frac{2}{5}}=2 {\Large\frac{3}{5}}  と計算します。

 

 {\Large\frac{6}{11}}-4=  の答えを、次の 3つができると、

自力で出すことができます。

④ このまま引けます。

⑤ 8-4=4  と引きます。

 {\Large\frac{6}{11}} を付けて、4 {\Large\frac{6}{11}}  と計算します。

 

 

こちらが、

「今」を、「今」から見ているとします。

 

そうすると、

①~⑥ のどれか 1つでもできないことがあると、

その番号のところを

「できない」と見ます。

 

できている他の番号を

見てはいません。

 

 

この見方と違って、

こちらが、

「未来」から、「今」を見ているとします。

 

すると、

①~⑥ のどれか 1つでもできるようになると、

その番号のところを

「できるようになった」と見ます。

 

できていない他の番号を

見てはいません。

 

 

実際に、

子どもを指導すれば、

「できない」を見ているのか、

「できる」を見ているのか、

自分のことですから

判定できます。

 

「今」を、「今」から見ていると、

「できない」を見ています。

 

「未来」から、「今」を見ていると、

「できる」を見ています。

 

自分の内面を見れば、

「今」を

どこから見ているのかが分かります。

 

実際に指導して、

分かることです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1515)、(分数  {\normalsize {α}} -598)

 

関連:2023年12月20日の私のブログ記事

「整数から分数を引くひき算や、

帯分数から整数を引くひき算で混乱している子を、

「今」を、「今」から見て、指導します。

同じ子に、「未来」から、「今」を見て、指導します。

得られる体験知が違うことを知るはずです」。

 

1 を足すたし算を実際に指導して、答えを出せる子に育てます。すると、一人の子を育てて得る体験知が、次の子を育てるときの役に立ちます。五人の子を育てていれば、それだけ多種多様な体験知を、次の子の指導に役立てることができます。

1 を足すたし算を、

例えば、

2+1=  の 2 を示して、

「に」と言って、

1 を示して、

「さん」と言って、

= の右を示して、

「ここ、さん(3)」の実況中継型リードで、

実際に教えます。

 

 

すると、

子どもは、じきに、自力で、

1 を足すたし算の答えを出せるようになることが、

分かります。

 

10問や、

20問の実況中継型リードは必要ですから、

子どものアレコレの変化や、

こちら自身の内面のアレコレの変化や、

「じきに」の実際の時間が

体験知の内容です。

 

 

1 を足すたし算の答えを

自力で出せるようになっても、

観ていてギクシャクとしていますから、

さらに、1 を足すたし算を練習させます。

 

子ども自身、

1 を足すたし算の答えの出し方に

未熟であることを感じていますから、

前向きに、1 を足すたし算を練習します。

 

実際に指導していれば、

「ギクシャクさ」や、

「未熟さの自覚」などを

体験知として知ることになります。

 

言葉にすることが難しい内容を、

「このようなのがギクシャクさ」や、

「未熟さをこのように感じている」が、

体験知の言葉にできない正体です。

 

 

じつは、

こちらが、このような体験知を持てば持つほど、

子どもが頼ることのできる威厳になります。

 

「この人の指導は間違いがない」のような

安心感のような威厳です。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1514)、(+-  {\normalsize {α}} -838)

 

関連:2023年12月19日の私のブログ記事

「1 を足すたし算の数唱の一部分や、

2 を足すたし算の 1つ飛びの数唱の一部分や、

3 を足すたし算の 2つ飛びの数唱の一部分が、

育つことと、育つまでの期間を、指導体験から、

体験知として知ります。そして、

4 を足すたし算の 3つ飛びの数唱の一部分は、

育たないことを、やはり体験知として知ります」。

 

たし算の答えを浮かべる力を育てていると思うと、集中をプツプツ切らす子に、イライラすることがあります。自分を制する力を育てていると思えば、イライラすることなく、集中を戻す手伝いをできます。

1 を足すたし算の練習や、

2 を足すたし算の練習や、

3 を足すたし算の練習をさせると、

子どもはじきに、

自力でスラスラと答えを出せるようになります。

 

数唱を利用して数える計算を教えてから、

4 を足すたし算の練習や、

5 を足すたし算の練習や、

6 を足すたし算の練習や、

7 を足すたし算の練習や、

8 を足すたし算の練習や、

9 を足すたし算の練習をさせると、

子どもはじきに、自力で、

指を使って数えるようになります。

 

自力で答えを出せるのですから、

1 を足すたし算から、

9 を足すたし算の答えを出す力を

持ったことになります。

 

 

さて、

自力で答えを出せるのですから、

これで、

たし算の練習を終わりにできるのですが、

それでも、

しつこく、たし算の練習を続けさせます。

 

ある一定の量だけ練習を続ければ、

乗り越えるべき閾値を満たして、

数唱を利用して数えることをしなくても、

たし算の問題を見たら、即、

答えが浮かぶようになります。

 

このような大きな変化が

どの子にも起こると分かっているから

自力で答えを出せるようになってからも、

しつこく繰り返し、たし算を練習させます。

 

 

と、

こちらは、このような変化が起こることを

知っています。

 

ですが、この知識は

実際の指導で、

あまり役に立たないのです。

 

実際に、

しつこく繰り返し、たし算を練習させられる子が、

「もう、分かっているのに・・・」のような感じで、

何回も集中を切らせる子を目の前にすれば、

集中が切れている子を指導するこちらは、

イライラしてしまうのです。

 

 

このようなときに役に立つのは、

子どもの自制の力を育てていると思うことです。

 

しつこく繰り返す理由が分からなくても、

自分には分からないだけで、

キチンとした理由があって

しつこく繰り返しているのだと自分を制して、

目の前のたし算の答えを、

数唱を利用して数えて出し続けます。

 

これが、

自制の力です。

 

そして、

こちらは、

子どもの自制の力を育てていると思うことで、

たし算の答えの出し方の大変化が

起こったのかどうかなどではなく

子どもの自制の力のレベルを

リアルタイムで評価するようになります。

 

こうなると、

目の前で何回も集中を切らせる子を見ても、

心穏やかに

切れている集中を戻す指導をできます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1513)、(+-  {\normalsize {α}} -837)

 

関連:2023年12月18日の私のブログ記事

「たし算の答えを自力で出せるようになった後、

子どもがウンザリとするくらい繰り返させます。

こうして、何かをつかむために、

自分を制する力を育てます。と、

このようなことを知ったら、学習知です。

子どもがウンザリするまで指導する体験をすれば、

「なるほど」の体験知に変わります」。

 

四則混合を計算する前に、計算順を決める習慣を育てることで、子どもの内面の主体性や、先に目的を決めることなどが、同時に育ちます。

3×(5-3)=  や、

3-4÷5=  のような

四則混合の初歩から、

計算する前に、

「計算順?」と聞いて、

計算順を決めさせて、

「これ、ここで」とリードして、

それぞれの計算を、

余白で計算させるようにします

 

四則混合を計算するとき、

何をどのように出すのかを、

このようなリードで教えています。

 

 

子どもに出させるのは、

計算の答えですが、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 345 \\ +\: 987 \\ \hline \end{array} }} \\  のような筆算の計算から

手順が出てきます。

 

手順とは、

「何をどのように出すのか」なのです。

 

 

子どもの主体性の率先力や、

行う前に、頭の中で事前に

やり方を決めることや、

自分に重要なことを行うことが

確実に育つようなことを

出させるのです。

 

四則混合の場合は、

① 先に計算順を決めることと、

② それぞれの計算を別々の余白で行うことを

出させることで、

子どもの計算力だけではなくて、

内面も育つのです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1512)、(+-  {\normalsize {α}} -836)

(分数  {\normalsize {α}} -597)

 

関連:2023年12月17日の私のブログ記事

「四則混合を計算する子に、「計算順?」や、

「これ、ここで」のようなリードを続けると、

子どもの変化や、こちら自身の変化を

知識として得ます。

指導体験から得る体験知です」。