計算しようとしません。6+2 や 9+2 のようなたし算です。

計算の仕方を知っています。

6+2 でしたら、

6を「ろく」と読んで、

続く数唱を2回、「なな、はち」です。

 

答え8を、

=を書いてから、書きます。

6+2=8 です。

 

数唱を楽に言えます。

数字8を楽に書きます。

このたし算に慣れています。

 

そうですが、計算しようとしません。

そういう日があります。

 

鉛筆を持った子どもの手を、

こちらが包み持って、

書く手伝いをします。

 

こちらが、

「ろく」、「なな、はち」と数唱を言って、

答え8を出します。

 

子どもに教えようとしていません。

こちらが計算しています。

そして、答え8を、

子どもを代行して書きます。

こちらが、子どもになって書きます。

 

1問や2問は、

素直に応じてくれます。

 

3問目や、4問目で、

子どもは自分の手に力を入れて、

こちらの手伝いを振り払います。

 

そして、

「自分でできる」と主張します。

 

子どもの言うことを受け入れます。

計算の手伝いをやめます。

 

すると、子どもは計算しないで、

鉛筆を投げ出します。

 

「できるって言ったでしょ!」と、

子どもを責めません。

 

こちらに手伝われた子どもは、

「できる」と感じたから、

「自分でできる」と言ったのです。

 

でも、

自分で計算しようとすると

「できる」と感じた気持ちが薄れて

鉛筆を投げ出します。

それだけのことです。

 

だから、

鉛筆を投げ出したことを

少しも気にしないで、

「出し方」を教えます。

 

鉛筆を持たせます。

子供の手を包み持って、

こちらが計算します。

 

9+2 に、

9を「きゅう」と読んで、

「じゅう、じゅういち」と、2回数唱を言って、

答え11を書きます。

 

子どもを𠮟る気持ちゼロのこちらが、

教えるのではなくて、

ただ計算しているだけです。

 

そうすると、子どもは、

こちらの計算を見ます。

答えの出し方を見ます。

 

1問や2問は、

こちらの手伝いに逆らいません。

 

でもまた、

「自分でできる」と主張して、

こちらの手伝いを止めて、

鉛筆を投げ出します。

 

「さっきも、そうでしょ」、

「できると言っても、しないでしょ」と

子どもを責めません。

 

子どもをとがめる気持ちゼロで、

計算を終わらせると決めて、

手伝います。

 

鉛筆を持たせます。

子どもの手を、

緩く包み持ちます。

こちらが計算します。

 

15+2 に、

15を「じゅうご」と読んで、

「じゅうろく、じゅうしち」と、2回数唱を言って、

答え17を書きます。

 

1問や2問で、

子どもが「自分でできる」と主張したら、

「解いていない」と事実を静かに伝えて、

計算を手伝い続けます。

 

鉛筆を持った子どもの手を、

緩く包み持っています。

子どもが、自力で計算して、

答えを書き始めたら、

子どもの手の動きで分かります。

 

こちらの手伝いを

振り払うときの動きと、

自分で計算した答えを

書くときの動きは違います。

区別できます。

 

自分で計算して、

答えを書き始めたら、

手伝うことをやめます。

子どもが、自分で計算しています。