目の前の子が、
集中を切らせて
ボ~ッとしています。
ボ~ッとしながらも、
「伸びたい、伸びたい、……」と
つぶやき続けています。
子どもの無意識の
静かなるつぶやきです。
自分の内面の無意識のつぶやきを
聞いている子がいます。
こういう子は、
切れていた集中を
自分で戻すことができます。
内面の声を
聞き取れない子もいます。
集中が切れたら、
切れたままです。
ボ~ッとしたままで、
計算に戻りません。
子どもが内面の声を
聞き取れないだけです。
こちらは耳をすませば、
子どもの内面の声を聞くことができます。
子どもの内面の声、
「伸びたい……」が聞こえます。
弱いものの
聞くことのできた「伸びたい……」に、
こちらは集中します。
目の前に見えるボ~ッとしていることを
無視します。
そして集中が続いている子に指導するように、
リードします。
止まっている問題 7+4 の7を示して、
「しち」と読み、
4を示して、
「はち、く、じゅう、じゅういち」と、
子どもと同じように指で4回数えて、
答え11を出します。
子どもの内面の声、
「伸びたい……」を聞きながら、
次の問題 9+4 の9を示して、
「く」と読み、
4を示して、
「じゅう、じゅういち、じゅうに、じゅうさん」と、
指で4回数えて、
答え13を出します。
内面の声「伸びたい……」を聞きながら
子どもをリードしますから、
数字を速いスピードで示して、
速いスピードで「しち」と読み、
速いスピードで「はち、く、じゅう、じゅういち」と、
指を4回折って数えます。
「伸びたい……」とつぶやいている子への
リードですから、
速いスピードがピッタリです。
子どもは
速いスピードのリードを受け入れて、
計算に戻ります。
「伸びたい……」を聞こうとしないで
子どもを見ると、
集中が切れてボ~ッとしていることだけが
見えます。
だから、
問題行動として対処してしまいます。
ボ~ッとしていることを、
困ったことだから
やめさせようとします。
こうなると、
どのようなリードをしても
子どもに拒否されます。
子どもの内面の声を
耳を澄ませて聞きます。
すると、
「伸びたい……」が
聞こえます。
参照:
蔵一二三、「計算の教えない教え方 基本」(2017)。
アマゾン。