対立という贈り物(スティーブン・R・コヴィー)。

2+4、5+4、9+4、1+4、3+4、……。

 

このような100問のたし算の問題を

目の前に置いています。

 

子どもは、「やりたくない」です。

気が向かないようです。

 

こちらは、「やってしまいなさい」です。

勉強はしなければ……です。

 

対立しています。

 

普通は、

対立そのものを悪いと考えます。

 

そして、

対立を解消しようとします。

 

どちらか一方が正しくて、

他方が間違えているとして

解消できたことにします。

 

しかも、

子どもが間違えているとされて、

子どもは嫌々、

100問のたし算を計算するのが

普通です。

 

対立は悪いことでしょうか?

 

普通ではありませんが、

正しいのは、

一方だけでしょうか?

こう考えてみます。

 

つまり、

対立をいいことだと考えて、

両方が正しいと、

先に決めてしまいます。

 

その後で、

どうしたら両方を正しくできるのだろうか?

このように考えます。

 

ここに、

両方を正しいとできる

1つのやり方を紹介します。

 

2+4、5+4、9+4、1+4、3+4、……を、

子どもの計算の仕方で、

こちらがリードして、

1問ずつ計算します。

 

子どもの「やりたくない」を、

正しいと受け入れます。

 

そして、

速いスピードで

計算してしまいます。

 

こちらは、心の中で思います。

やりたくないこともあるよね。

でも、この速さで計算できるよね。

やりたくない気持ちのままでいいからさ。

 

2+4 の2を示して、「に」と読み、

「さん、し、ご、ろく」と

指で4回数えて、

答え6を出します。

 

2~3秒で答え6が出てしまったので、

「やりたくないのになぁ」なんて

思う間もありません。

 

答えが出るスピードに押されて、

子どもは、2+4=6 と書きます。

1問終わります。

 

続いて、5+4 の5を示して、「ご」と読み、

「ろく、しち、はち、く」と

指で4回数えて、

答え9を出します。

 

こどもが、5+4=9 と書いて、

また1問終わります。

 

続いて、9+4 の9を示して、「く」と読み、

「じゅう、じゅういち、じゅうに、じゅうさん」と

指で4回数えて、

答え13を出します。

 

こどもが、9+4=13 と書いて、

また1問終わります。

 

子どもの「やりたくない」を、

正しいと認めて、

そして、

尊重しています。

 

「やりたくない」けれども、

計算できるのです。

 

こういうことを、

子どもは知らなかっただけです。

 

こちらにリードされて、

「やりたくない」けれども、

計算できることを体験します。

 

5問10問とリードすると、

子ども自身、

「やりたくない」けれども、

計算できることをし始めます。

 

こうなったら、

リードをやめて、

計算を子どもに任せます。

 

こちらの「やってしまいなさい」も

満たします。

 

どちらかが正しいのではありません。

両方が正しくなる方法を探します。