かなり悪い状態の日でも、使うことのできる力が残っています。その力だけを使うリードで計算していきます。

子どもの状態は、

揺れ動いて不安定です。

 

小学低学年や幼児は

不安定さが大きくて、

かなり悪い状態になることもあります。

 

成熟した大人のように、

一定の状態に安定しません。

 

状態が揺れ動いて不安定です。

 

揺れ動く幅も、

さまざまです。

 

小さな幅のときもあれば、

大きな幅のときもあります。

 

状態がとても悪い日は、

やる気のない日です。

 

全体が悪くて、

低い位置で大きく揺れ動きます。

 

このような日でも

やらなければならない宿題があります。

 

こちらがリードして

やり終わらせてしまいます。

 

子どもも

やらなければならないと

覚悟しています。

 

だから、

子どもの悪い状態を受け入れて、

その悪い状態のままの子どもを

リードします。

 

実は子ども自身、

今の自分の悪い状態を

しかたないと思って受け入れています。

 

子どもに比べて

状態がはるかに安定しているこちらが、

目の前の子どもの

大きく揺れ動く不安定さに

引きずられないようにします。

 

子どもの悪い状態を気にしません。

 

自分の安定を保ちます。

 

そして、

安定しているこちらが、

とても悪い状態の子どもを

悪いままに受け入れて、

悪いままの子どもをリードして、

短時間で宿題を終わらせてしまいます。

 

宿題が算数のたし算であれば、

悪い状態の目の前の子どもの

今できていることと、

今も使える力を見つけます。

 

かなり悪い状態だとしても、

子どもには、

たくさんの使える力が

残っています。

 

その力だけを利用して、

算数のたし算を計算していきます。

 

すでに、

3+2=5 と書いているとしたら、

正しい答えを出せます。

 

しかも、

宿題を目の前に広げたままです。

 

投げ出していません。

 

「さん」、「し、ご」と

数字を順に数えて

答えを出しています。

 

今日の悪い状態でも

残っている力です。

 

宿題を終わらせることができます。

 

次の問題 5+2 を

「ご」、「ろく、しち」、「わ(=)」、「ここ、しち」と、

こちらがリードして計算します。

 

悪い状態の自分が、

今も使える力だけで出された答えです。

 

子どもは

答え「7」に納得して、

書いてくれます。

 

かなり悪い状態の今でも、

子どもが使える力だけで計算しています。

 

自分の悪い状態のままを

受け入れられた子どもも、

今の悪い状態のまま

宿題を終わらせることに参加してきます。

 

その次の 9+2 を

「く」、「じゅう、じゅういち」、「わ(=)」、

「ここ、じゅういち」とリードします。

 

子どもが

答え「11」を書きます。

 

低い位置ですが、

大きな幅で揺れ動いていますから、

子どもが計算し始めることもあります。

 

こうなったら、

計算を子どもに任せます。

こちらはリードすることをやめます。

 

2~3問や、

5~6問計算した後、

子どもの計算が止まったら、

悪い方へ揺れ動いただけですから、

また、こちらが計算をリードします。

 

このように必要なだけリードして、

次々に計算していきます。

 

そして、

算数のたし算の宿題を、

短時間で終わらせます。

 

悪い状態のまま

終わらせます。

 

参照:

蔵一二三、「計算の教えない教え方 たし算ひき算」(2018)。

アマゾン。

計算の教えない教え方 たし算ひき算―たかが計算 されど算数の根っこ そして人育て