「素晴らしいと思う。
なぜかというと~~」、
あるいは、
「〇〇をしたのがよかった。
なぜかというと~~」の
「~~」をハッキリとさせます。
目の前の子どもに、
何かを教える前に、
「~~」を心の中で言葉にします。
4+8 のたし算を、
「し」の続きを、指で8回数えて、
「ご、ろく、しち、はち、く、じゅう、じゅういち、じゅうに」と
計算しています。
少しダラダラとしています。
速いスピードで計算できるように
リードします。
「素晴らしいと思う。
なぜかというと、
8回も指で数える面倒なことを
嫌がらずに、
計算しているから」のように、
心の中で言葉にします。
この子が好きになります。
こうなってから、
この子の計算をリードします。
2+8 の2を示して、
「に」と読んでから、
「さん、し、ご、ろく、しち、はち、く、じゅう」と、
指で8回、速いスピードで数えます。
集中が切れて、
計算が止まっています。
「こちらが計算をリードしたらすぐに、
一緒に計算していたのがよかった。
なぜかというと、
終わらせてしまう強い気持ちを感じたから」のように、
未来のことを
過去のこととして言葉にします。
集中が切れたままの
目の前の子が好きになります。
こうなってから、
目の前の子をリードします。
止まっている 7+8 の7を示して、
「しち」とささやいてから、
子どもと同じように指で数えます。
「はち、く、じゅう、じゅういち、じゅうに、じゅうさん、じゅうし、じゅうご」で、
答え15を出します。
聞いていた子どもは、
答え15を書いて、
7+8=15 として、
切れていた集中を戻します。
「なぜかというと~~」は、
目の前の子が何をしていても、
好きになってしまう不思議な言い方です。
目の前の子が、
モタモタ計算していても、
集中を切らせていても、
眠りかかっていても、
いたずら書きをしていても、
「なぜかというと~~」を
心の中で言葉にします。
目の前の、
モタモタ計算していている子を、
集中を切らせている子を、
眠りかかっている子を、
いたずら書きをしている子を、
今のまま好きになってしまいます。
好きになってから、
教え始めます。
参照:
蔵一二三、「計算の教えない教え方 基本」(2017)。
アマゾン。
計算の教えない教え方 基本―たかが計算 されど算数の根っこ そして人育て