鉛筆の動きが重くなってしまう計算があります。計算を手伝って、重さを支えます。

算数や数学に、

鉛筆の動きを重くする計算があります。

 

鉛筆の動きのスピードの

速い遅いではありません。

鉛筆の動きの重さです。

 

変わった言い方ですが、

鉛筆の動きに重さがあります。

 

2+1= や、3+1= の

計算の仕方を初めて知った後は、

鉛筆の動きが重くなります。

 

2+1= の2を「に」と黙読して、

+1の1を見て、

「さん」と数えます。

 

そして、

2+1=3 と書きます。

 

3+1= の3を「さん」と黙読して、

+1の1を見て、

「し」と数えます。

 

そして、

3+1=4 と書きます。

 

数字を読むことも

数えることも、

数字を書くことも楽にできます。

 

でも、

このように組み合わせて使うことが初めてです。

 

こちらが、

数字を読むことと、

数えることを使ってみせます。

 

子どもは、たし算の答えを書きます。

 

答えを書くことで子どもは本気になり、

「読んで数えて書く」と理解します。

 

でも、

自力でしようとすると、

算数の計算の初めの一歩ですから、

慎重になります。

 

とても重い鉛筆の動きになります。

 

鉛筆の動きの重さが、

とても重いままですと、

動きが止まってしまいます。

 

子どもが鉛筆の動きの重さに

苦しんでいるようでしたら、

5+1= の5を示して、

「ご」と音読して、

+1の1を示して、

「ろく」と数えて、

=の右を示して、

「ここ、ろく」と子どもの重さを支えます。

 

3~4問、子どもを支えると、

鉛筆の動きの重さが、少し軽くなって、

動きが止まることはなくなります。

 

2+1= の計算に慣れて、

鉛筆の動きが軽くなってから、

3+2= や、6+2= を知ります。

 

3+2= は、3を見て、

「さん」と黙読します。

3+1= の計算と同じです。

 

次に、3+2= の

+2の2を見て、

「し、ご」と数えます。

 

数える回数が、

1回増えるだけです。

 

そうですが、

計算に慎重になります。

鉛筆の動きが重くなります。

 

3+1= の+1の1を、

1回数えると理解していません。

 

3+2= の+2の2を見て、

2回数えますから、

数える回数であることに気付きます。

 

6+2= も同じ計算です。

6を見て、「ろく」と黙読して、

+2の2を見て、「しち、はち」と2回数えて、

6+2=8 と書きます。

 

計算の仕方を理解します。

自分で計算できます。

 

ですが、

鉛筆の動きは重いのです。

そういうところです。

 

5+6= や、3+6= も、

鉛筆の動きが重くなりやすいところです。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 85 \\ +\: 15 \\ \hline \end{array} }} \\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 63 \\ +\: 59 \\ \hline \end{array} }} \\ のように、

答えが100以上になるたし算も、

鉛筆の動きが重くなりやすいところです。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 49 \\ \:\times \:\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }}\\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 77 \\ \:\times \:\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }}\\ のように、

かけ算の繰り上がりを知った後も、

鉛筆の動きが重くなりやすいところです。

 

36÷4= や、24÷3= のような、

九九を利用して計算するわり算を知った後も、

鉛筆の動きが重くなりやすいところです。

 

22÷3= や、22÷5= のような、

わり算のあまりを知った後も、

鉛筆の動きが重くなりやすいところです。

 

計算の仕方を分かっています。

自力で計算することもできます。

 

ただ、鉛筆の動きが重いだけです。

そういうところです。

 

重すぎて、

鉛筆の動きが止まりそうでしたら、

重さを支える気持ちで計算を手伝います。

 

22÷3= でしたら、

=の右を示して、

「しち」です。

 

子どもが、

22÷3=7 と書いたら、

「点点点」です。

 

これで、

22÷3=7・・・ になります。

 

3と7と22を順に示して、

「3×7=21」、

「22-21、1」です。

 

鉛筆の動きの重さを支えています。

 

鉛筆の動きが重くなるところは、

高校の数学に進んでもあります。

 

その代表が、

少し複雑な因数分解です。

 

 {\normalsize {x^{2}y(x-3y)^{2}+xy^{2}(3y-x)^{3}}} や、

 {\normalsize {x^{3}+(2a+1)x^{2}+(a^{2}+2a-1)x+(a^{2}-1)}} や、

 {\normalsize {9x^{4}-13x^{2}+4}} です。

 

 {\normalsize {9x^{4}-13x^{2}+4}} は、

 {\normalsize {9x^{4}-12x^{2}+4-x^{2}}} とすれば、

 {\normalsize {(3x^{2}-2)^{2}-x^{2}}} のように変形できます。

 

こうなれば、

 {\normalsize {(3x^{2}-2)^{2}-x^{2}}}

 {\normalsize {=(3x^{2}-2+x)(3x^{2}-2-x)}}

因数分解できます。

 

そして、

 {\normalsize {(3x^{2}-2+x)}} や、

 {\normalsize {(3x^{2}-2-x)}} は、

さらに因数分解できます。

 

とても重くなった鉛筆の動きを、

計算を手伝うことで支えます。

 

鉛筆の動きが重くなると、

体全体の動きも重くなります。

 

子どもが、「教えてもらおう」と思っても、

体全体が重くて、動けなくなります。

聞くことができなくなります。

 

だから、

計算を手伝って、

答えをこちらが出すことで、

鉛筆の動きの重さを支えます。

 

(基本060)