8+4= を見るだけで、
答え 12 を心に浮かべる感覚があります。
この感覚を持てば、
たし算の計算が、
速くて正確になります。
しかも、
老齢になっても、
たし算の感覚を使うことができます。
生涯、有効に働く感覚です。
ですから、
たし算の感覚を
できるだけ早い時期に、
なるべく短期間で
子どもに持たせてあげたくなります。
これが、
子どもを教えて育てるこちらの
切なる願い(目的)です。
この願い(目的)を実現するための
経験から得られたコツがあります。
紹介します。
まず、
たし算の感覚そのものを
言葉で伝えられないと納得します。
そして自分を自制して、
たし算の感覚そのものを
言葉で教えようとしません。
「8+4= を見たら、
答え 12 が心に浮かぶ
不思議な計算の仕方があります」、
「その不思議な計算の仕方は、・・・」と、
説明しようとしても、
言葉に詰まります。
言葉で教えられないからです。
また、
「教えられないから、
あなたが自分でつかむのだよ」とも言いません。
不思議なことですが、
子どもは、自力でつかむ感覚だと
無意識の知恵で知っているようです。
たし算を見たら、
答えが心に浮かぶこちらも、
昔、自力でつかんでいるのです。
つまり、
たし算の感覚は、
子どもが自力でつかむ感覚です。
子どもは、
無意識の知恵で承知しています。
こちらは、
このように理詰めで考えて、
承知します。
そうして、
このように納得してから、
数えて計算する子どもの
計算のスピードを速くするようなリードをします。
こちらの計算を見せれば、
計算のスピードをリードできます。
8+4= の 8 を示して、
「はち」と声に出して読み、
4 を示して、
「く、じゅう、じゅういち、じゅうに」と声に出して数えます。
このようなリードで、
2~3問や、
5~6問、
こちらの計算を見せれば、
子どもは、同じようなスピードで計算します。
計算のスピードを速くする効果は、
計算に夢中になれることです。
6+8=、4+6=、9+5=、7+5=、8+8=、
4+8=、6+5=、7+9=、8+5=、4+4=、
5+7=、8+7=、9+6=、4+7=、5+6=、
8+4=、7+7=、5+4=、8+6=、7+8=、
5+5=、7+6=、9+8=、7+4=、6+7=。
このようなたし算を、
一定期間(数か月のような長さ)、
たくさん練習し続けることで、
8+4= を見たら、
答え 12 が心に浮かぶ感覚を、
子どもは自力でつかみます。
数える計算を延々と続けることに、
「うんざりする」のではなく、
計算のスピードを速くすることに
気持ちを集中させて、
「計算に夢中になる」ようになれば、
仕方なしの嫌々ではなくて、
楽しみながらたし算の感覚をつかみます。
さて、
ひき算の計算でも、
子どもが自力でつかみ取ることがあります。
12-8= のひき算を、
「 8 に何かを足して、12 にする何か?」で計算します。
「たし算を使います」、
「 8 に何かを足して、12 にします」、
「何を足すのかを探します」のように説明しても、
探し方そのものを説明していません。
「何かを足して、12 にする何か?」の探し方を、
「試行錯誤」や、
「何でもいいから、思い付いた数を、8 に足す」、
「答えが、12 になれば、
あなたが思い付いた数が、ひき算の答え」と、
さらに説明しても、
「思い付く数」の「思い付き方」を説明していません。
たし算を利用するひき算の計算の
たし算の利用の仕方を
すべて説明できないのですから、
やはり、
何も説明しないようにします。
そして、
計算そのものを見せて教えます。
例えば、
12-8= の = の右を示して、
「ここ、し(4)」とリードします。
子どもが、
12-8=4 と書いたら、
8 と、4 と、12 をこの順に示しながら、
「はち、足す、し、じゅうに(8+4=12)」です。
このような実況中継を、
3~4問や、
7~8問、
子どもがまねできるようになるまで、
繰り返し見せます。
こうして、
子どもが自力で、
ひき算の答えを出せるようにします。
少しして、
答えの探し方に慣れてきたとき、
子どもは、
「あぁ、たし算を利用している」と
いまさらのようにひらめくようです。
(基本 -218)、(+- -137)