仮分数を、整数や、帯分数に変換する計算は、一つの物語になっています。こちらが語って聞かせることもできれば、子どもに語らせることもできます。

 {\Large\frac{12}{4}}= を、

整数に変換する計算の仕方は、

上の 12 を、下の 4 で割り、

12÷4=3 です。

 

 {\Large\frac{10}{3}}= を、

帯分数に変換する計算の仕方は、

上の 10 を、下の 3 で割り、

10÷3=3・・・1 と計算して、

 {\Large\frac{1}{3}} と書きます。

 

この計算の仕方を、

正しいと受け入れれば、

仮分数を、整数や、

帯分数に変換することができます。

 

この計算は、

約分や、

分数のたし算・ひき算・かけ算・わり算と比べて、

とても易しくて、

すぐに計算できるようになりますから、

分数計算の物語の始まりになります。

 

「分数って、何?」を、

理解する物語ではありません。

 

「こういう理由で、このように計算できます」のような

計算の理由を理解する物語でもありません。

 

分数計算の物語です。

 

さて、

分数計算の歴史は古くて、

千年単位や、

百年単位の昔です。

 

ですから、

分数計算の物語は、

「昔昔、・・・」の昔話です。

 

普通、

分数計算の昔話は、

計算の仕方の説明から始まります。

 

 {\Large\frac{12}{4}}= を整数に変換する計算は、・・・のように

昔話が始まります。

 

子どもは、

物語を聞くことが好きですが、

話しの先が分かってしまうと、

「なんだ、わり算だ」と、

聞いてもらえません。

 

 {\Large\frac{12}{4}}= を整数に変換する計算」や、

 {\Large\frac{10}{3}}= を帯分数に変換する計算」は、

話しの先が分かりやすいので、

聞いてもらえない可能性があります。

 

そこで、

大胆に工夫して、

話し自体を、

子どもに語らせるようにします。

 

例 :  {\Large\frac{12}{3}}=4 を、

何も説明しないままに子どもに見せて、

問題  {\Large\frac{12}{4}}= を計算させます。

 

仮分数を整数に変換する計算を、

例 :  {\Large\frac{12}{3}}=4 を見た子どもが、

「こういう計算だろう」と決めます。

 

子どもに、

仮分数を整数に変換する計算物語を、

生み出させて、

語らせる流儀です。

 

12÷3=4 を語る子がいます。

 

3×4=12 を語る子もいます。

 

計算物語を、

自分で考えて、

そして語りますから、

子どもは楽しいようです。

 

実際の指導は、

とてもシンプルです。

 

例 :  {\Large\frac{12}{3}}=4 を示して、

「これ、見て」と言いながら、

問題  {\Large\frac{12}{4}}= を示して、

「計算して」です。

 

そして、

 {\Large\frac{12}{4}}=3 と計算した子に、

「どうやったの?」と聞きます。

 

計算物語を語るように促します。

 

(基本  {\normalsize {α}} -252)、(分数  {\normalsize {α}} -079)