(-1)×(-1)=+1 の理由を説明してからでも、(-1)×(-1)=+1 自体を正しいと受け入れてからでも、正負の数のかけ算の計算を修得できます。

(-1)×(-1)=+1 と計算します。

 

「-」と、

「-」を掛けて、

符号を、「+」にします。

 

そして、

1×1=1 のかけ算から、

+1 と計算しています。

 

このように計算できる理由を、

教えようとすれば、

工夫された物語が必要です。

 

困ったことに、

とても複雑な物語で、

マイナスに、マイナスを掛けると、

プラスになる理由を説明します。

 

その 1 つの物語を紹介します。

 

右向きに進むのをプラス(+)、

左向きに進むのをマイナス(-)とします。

 

1 秒後の未来を、+1 秒と、

1 秒前の過去を、-1 秒とします。

 

さて、

1 秒間に、1 ㎝の速さで、

左に進むとすれば、

速さは、-1 ㎝/秒と書けます。

 

1 秒前の過去:-1 秒に、

どこにいたのかを計算する式は、

(速さ)×(時間)=距離ですから、

(-1)×(-1) です。

 

左に、-1 ㎝/秒の速さで進むものが、

1 秒前の過去:-1 秒にいたところは、

右に、1 ㎝のところです。

 

右に、1 ㎝は、+1 ㎝です。

 

だから、

(-1)×(-1)=+1 と計算できます。

 

このような複雑な物語で、

(-1)×(-1)=+1 の理由を説明します。

 

さて、

このような物語を聞いて、

話しの流れを理解できる子であっても、

「なるほど」となるよりも、

「こじつけている」と感じるようです。

 

どうしても

わざとらしさを感じさせてしまいます。

 

だから、

少し根源的なことを考えます。

 

(-1)×(-1)=+1 と計算できる理由を、

説明して子どもを納得させても、

理由を説明しないで、

正しいことと受け入れさせても、

(-1)×(-1)=+1 を利用して、

(-2)×(-3)= を計算することは、

同じようにできます。

 

理由を聞いて納得していても、

正しいと受け入れていても、

どちらであっても、

(-1)×(-1)=+1 を利用できます。

 

つまり、

(-1)×(-1)=+1 を利用して計算することは、

(-1)×(-1)=+1 の理由を知っていることと無関係です。

 

もう一つの根源的なことは、

(-1)×(-1)=+1 の理由を説明する物語は、

左向きを、マイナスや、

過去の時間を、マイナスと決めています。

 

つまり、

このように決めたことを、

正しいことと受け入れさせています。

 

正しいことと受け入れさせている内容が、

左向きを、マイナスや、

過去の時間を、マイナスと決めたことであれば、

(-1)×(-1)=+1 の理由を説明する物語を、

生み出すことができます。

 

(-1)×(-1)=+1 自体を、

正しいことと受け入れれば、

(-1)×(-1)=+1 を利用して、

(-2)×(-3)= のような計算をできます。

 

このような違いです。

 

何かを正しいことと受け入れていることは、

同じです。

 

さて、

とても面白いことですが、

(-1)×(-1)=+1 自体を、

正しいことと受け入れさせると、

子どもは素直に受け入れてくれます。

 

そして、

(-2)×(-3)= のような計算の符号を、

+ に決めて、

2×3=6 のかけ算から、

(-2)×(-3)=+6 と計算してしまいます。

 

(-1)×(-1)=+1 自体を、

正しいことと受け入れさせることから始めても、

正負の数のかけ算を修得できます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -266)、(分数  {\normalsize {α}} -082)