算数の計算の基礎は、
さまざまな選び方があります。
その一つが、
たし算と九九です。
具体的には、
たし算は、
6+8=、4+6=、9+5=、7+5=、8+8=、
4+8=、6+5=、7+9=、8+5=、4+4=、
5+7=、8+7=、9+6=、4+7=、5+6=、
8+4=、7+7=、5+4=、8+6=、7+8=、
5+5=、7+6=、9+8=、7+4=、6+7=、
このような 25 問を、
20 秒以下で計算する力です。
九九は、
2 の段~ 9 の段までのすべての段を、
1 つの段を、6 秒で言えることです。
たし算 25 問を、20 秒以下で計算することも、
九九のすべての段を、6 秒以下で言うことも、
持つことが、難しい基礎です。
でも、
子どもが、
この 2 つの基礎を持つことができれば、
算数のさまざまな計算に自信を持てますから、
算数の計算の基礎でしょう。
少し改まった言い方をすれば、
算数で扱う数は、
たし算とかけ算の 2 つの計算を持った集まりです。
たし算とかけ算を基礎として、
さまざまに工夫されているのが、
算数の計算です。
たし算とかけ算が、
基礎になっているのです。
なお、
ひき算は、たし算の逆です。
たし算を利用して計算できます。
わり算は、かけ算の逆です。
かけ算を利用して計算できます。
このように見れば、
たし算と九九が、
算数の基礎になります。
さて、
算数の基礎の別の一つは、
新しい計算を、できる力を、
その計算の基礎と見る見方です。
例えば、
のたし算を計算する基礎は、
3+9= と、
6+3= と、
繰り上がりの 9+1= のたし算です。
「一けた」+「一けた」のたし算が、
筆算のたし算 の基礎になっています。
あるいは、
のかけ算を計算する基礎は、
8×4= と、
8×3= と、
繰り上がりの 24+3= の九九とたし算です。
九九と繰り上がりのたし算が
筆算のかけ算 の基礎になっています。
もう一つの例は、
÷-×0.88 の四則混合の計算です。
小数 0.88 を、
分数 に変換する計算や、
分数のわり算 ÷ の計算や、
分数のかけ算 × の計算や、
分数のひき算 1- の計算が、
÷-×0.88 の基礎になっています。
計算の種類だけではなくて、
計算の程度も、
算数の計算の基礎には重要です。
基礎の一つ、たし算と九九は、
正しく計算できるだけではなくて、
計算のスピードも重要です。
つまり、
計算の種類は、
たし算と九九で、
計算の程度は、
正しくて速いスピードの計算です。
実は、
他の基礎も、
正しさと、速いスピードの両方が必要です。
正しさだけでは基礎にならないのです。
例えば、
÷-×0.88 の基礎である
小数 0.88 を、
分数 に変換する計算に時間がかかれば、
正しくできても、
最後まで計算する前に集中が切れてしまいます。
しかも、
分数のわり算 ÷ の計算や、
分数のかけ算 × の計算や、
分数のひき算 1- の計算もしますから、
それぞれの計算の速いスピードが重要です。
この速いスピードの計算を、
子どもに持たせるために、
初めから、
速いスピードの計算を見せて教えます。
でも普通は、
まず、正しさにこだわって、
速いスピードをややおろそかにします。
子どもは素直ですから、
教えられたように、
正しい計算をユックリとします。
そして、
正しく計算できるようになってから、
計算スピードを速くするように教えても、
初めに習ったときのユックリの印象が強く、
計算のスピードを速めることが難しくなります。
こうなることを避けるには、
初めから、速いスピードの計算を教えて、
速いスピードの計算のままで、
正しくできるようにすればいいのです。
だから、
算数のたし算の初歩、
3+1= を、
3 を見て、「さん」と読み、
1 をみて、「し」と、1 回数える計算から、
一定の速いスピードで計算させます。
このように、
たし算の初歩からスピードを意識させれば、
正しさと、スピードを満たした基礎ができます。
(基本 -300)、(+- -195)、
(×÷ -074)、(分数 -094)