8+3= や、
4+3= や、
6+3= のような
3 を足すたし算の途中で、
眠くなった子です。
座ったまま
頭がユラユラと動いています。
このままでは、
寝入ってしまいます。
この子の計算を手伝います。
この子の眠気を取ろうとするのが、
普通ですが、
そうしません。
すぐにも寝入りそうな子の
眠気をそのままにして、
いきなり
速いスピードの計算をリードします。
「難しそう・・」や、
「そんなことができるの?」と思われそうですが、
何を目的にするのかの違いです。
「眠気を取ること」を
目的にすることもあれば、
「速いスピードの計算に戻すこと」を
目的にすることもあります。
ここでは、
「速いスピードの計算に戻すこと」を
目的に選んで、
こうなるための手伝い方を書きます。
机上の架空の話ではなくて、
実例です。
さて、
この子の計算の仕方は、
8+3= の 8 を見て、
「はち」と心の中で読み、
3 を見てから、
鉛筆の先で、
8+3= の 8 と、3 と、= の上を、
トントントンと、3 回つつきながら、
「く、じゅう、じゅういち」と
心の中で数えて、
答え 11 を出します。
そして、
8+3=11 と書きます。
こちらは、
この子と同じ計算の仕方で手伝い、
速いスピードの計算に戻します。
鉛筆を持っているこの子の手を、
こちらが包み持って動かします。
すぐにも寝入りそうな子ですから、
こちらは、
包み持った手を、
子どもに抵抗されずに、
楽に動かすことができます。
動かすといっても、
4+3= や、
6+3= の問題の
狭い範囲です。
ですから、こちらが
この子の手を包み持って動かしても、
無理な負担を掛けません。
鉛筆を持った子どもの手を、
以下の実例のように動かして、
計算を実況中継します。
4+3= の 4 を、
鉛筆の先でつついて、
「し」と声に出して読み、
+3 の 3 をつつき、
そこで一瞬、止めてから、
4+3= の 4 と、3 と、= を
順につつきながら、
「ご、ろく、しち」と声に出して数えて、
= の右に子どもの手を動かして、
「しち(7)」と声に出して言ってから、
4+3=7 と書きます。
もちろんですが、
子どもの手を包み持ったこちらが、
4+3=7 と書いています。
こちらが、
「し」や、
「ご、ろく、しち」や、
「しち(7)」という口調は、
スポーツの号令のように、
鋭く、短く言い切りますが、
しかし、小声です。
経験からの知恵ですが、
小声でささやくと、
今にも寝入りそうな子でも、
キチンと聞いています。
鉛筆を持った子どもの手を、
4+3= や、
6+3= の問題の狭い範囲動かすだけですから、
優しくそっと包み持ちます。
そして、
狭い範囲の動きですが、
速いスピードで動かします。
次の問題 6+3= も、
同じようなリードで手伝います。
6+3= の 6 をつついて、
「ろく」と声に出して読み、
+3 の 3 をつつき、
そこで一瞬、止めてから、
6+3= の 6 と、3 と、= を
順につつきながら、
「しち、はち、く」と声に出して数えて、
= の右に子どもの手を動かして、
「く(9)」と声に出して言ってから、
6+3=9 と書きます。
このようにして、
5 問、10 問手伝います。
子どもが自力で、
自分の手を動かして、
計算しようとし始めたら、
手伝うことをやめます。
子どもの眠気を取るためではなくて、
速いスピードの計算に戻すための手伝いです。
(基本 -391)、(+- -244)