= の展開を、
できると思える子が、聞きます。
「えっ、あなたが、ここを聞きますか?」と、
こちらは心の中で、
やや驚きます。
混乱しているようです。
はるか以前の
小学校レベルの算数の計算、
や、
のひき算の区別、
つまり、
繰り下がりのあるときと、
ないときの計算の違いに、
混乱して抜け出ています。
あるいは、
のようなかけ算の繰り上がりに、
混乱して抜け出ています。
このように、
混乱して、
それから、抜け出る体験を、
もう、嫌というほど回数多く体験しています。
ですから、
混乱したら、
抜け出るのは自分であることを
多くの体験を通して理解できている子です。
聞けば、
手助けをしてもらえるけれども、
混乱から抜け出るのは
自分であることを分かっています。
つまり、
= の展開で、
混乱していますが、
抜け出ればいいことを、
抜け出る前に分かっている子です。
自分の近未来に、
今の混乱から抜け出ていることを、
この子は心に見ています。
だから、
混乱から抜け出る手助けをします。
こちらの計算の実況中継を見せるだけの
とてもシンプルな手伝いです。
= の 3a を示して、
「かっこ」、
「これ」、
「かっこ」、
「3 乗」とリードすれば、
この子は、
=
と書きます。
次に、
「プラス(+)」、
「3」の後、
3a を示して、
「2 乗」と言い、
2b を示して、
「これ」です。
この実況中継で、
この子は、
=
と書きます。
それから、
「プラス(+)」、
「3」の後、
3a を示して、
「これ」と言い、
2b を示して、
「2 乗」です。
この実況中継で、
この子は、
=
と書きます。
そして、
「プラス(+)」と言い、
2b を示して、
「3 乗」です。
この実況中継で、
この子は、
=
=と書きます。
ここまで実況中継を見せたとき、
「もうできる」と、
この子が言いますから、
続きの計算を、
この子に任せます。
さて、
このような実況中継を見せるときに、
こちらは、
= の形を、
「この子は見る力を持っている」と、
心に強く意識しています。
この子は、
混乱から抜け出ている
近未来の自分を見ています。
こちらは、
3 乗の公式の形を見ている
近未来のこの子を見ています。
この子は、
自分が混乱していることと、
混乱から抜け出た近未来の自分を見ていますが、
何に混乱しているのかに気付いていません。
こちらは、
= の形を、
見抜くことに混乱していると、
当たりを付けています。
(基本 -394)、(分数 -053)