高校レベルの計算で混乱していても、混乱から抜け出ている近未来の自分を、心の中に見ることができる子です。だから、式の形を見抜くことで混乱していると、当たりを付けているこちらは、計算の実況中継を見せて、この子が混乱から抜け出る手助けをします。

 {(3a+2b)^{3}}= の展開を、

できると思える子が、聞きます。

 

「えっ、あなたが、ここを聞きますか?」と、

こちらは心の中で、

やや驚きます。

 

混乱しているようです。

 

はるか以前の

小学校レベルの算数の計算、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 32 \\ - 15 \\ \hline \end{array} }} \\ や、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 36 \\ - 12 \\ \hline \end{array} }} \\ のひき算の区別、

つまり、

繰り下がりのあるときと、

ないときの計算の違いに、

混乱して抜け出ています。

 

あるいは、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  24 \\ \:\times  \:\:\: 9 \\ \hline \end{array}  }}\\ のようなかけ算の繰り上がりに、

混乱して抜け出ています。

 

このように、

混乱して、

それから、抜け出る体験を、

もう、嫌というほど回数多く体験しています。

 

ですから、

混乱したら、

抜け出るのは自分であることを

多くの体験を通して理解できている子です。

 

聞けば、

手助けをしてもらえるけれども、

混乱から抜け出るのは

自分であることを分かっています。

 

つまり、

 {(3a+2b)^{3}}= の展開で、

混乱していますが、

抜け出ればいいことを、

抜け出る前に分かっている子です。

 

自分の近未来に、

今の混乱から抜け出ていることを、

この子は心に見ています。

 

だから、

混乱から抜け出る手助けをします。

 

こちらの計算の実況中継を見せるだけの

とてもシンプルな手伝いです。

 

 {(3a+2b)^{3}}= の 3a を示して、

「かっこ」、

「これ」、

「かっこ」、

「3 乗」とリードすれば、

この子は、

 {(3a+2b)^{3}}

 {(3a)^{3}} と書きます。

 

次に、

「プラス(+)」、

「3」の後、

3a を示して、

「2 乗」と言い、

2b を示して、

「これ」です。

 

この実況中継で、

この子は、

 {(3a+2b)^{3}}

 {(3a)^{3}}+3(3a)^{2}2b と書きます。

 

それから、

「プラス(+)」、

「3」の後、

3a を示して、

「これ」と言い、

2b を示して、

「2 乗」です。

 

この実況中継で、

この子は、

 {(3a+2b)^{3}}

 {(3a)^{3}}+3(3a)^{2}2b+3・3a(2b)^{2} と書きます。

 

そして、

「プラス(+)」と言い、

2b を示して、

「3 乗」です。

 

この実況中継で、

この子は、

 {(3a+2b)^{3}}

 {(3a)^{3}}+3(3a)^{2}2b+3・3a(2b)^{2}+(2b)^{3}=と書きます。

 

ここまで実況中継を見せたとき、

「もうできる」と、

この子が言いますから、

続きの計算を、

この子に任せます。

 

さて、

このような実況中継を見せるときに、

こちらは、

 {(〇+□)^{3}} {(〇)^{3}}+3(〇)^{2}□+3〇(□)^{2}+(□)^{3} の形を、

「この子は見る力を持っている」と、

心に強く意識しています。

 

この子は、

混乱から抜け出ている

近未来の自分を見ています。

 

こちらは、

3 乗の公式の形を見ている

近未来のこの子を見ています。

 

この子は、

自分が混乱していることと、

混乱から抜け出た近未来の自分を見ていますが、

何に混乱しているのかに気付いていません。

 

こちらは、

 {(〇+□)^{3}} {(〇)^{3}}+3(〇)^{2}□+3〇(□)^{2}+(□)^{3} の形を、

見抜くことに混乱していると、

当たりを付けています。

 

(基本  {\normalsize {α}} -394)、(分数  {\normalsize {α}} -053)