自分が混乱していると、分かっていて、形を見ることができていないらしいと当たりを付けている子が、途中まで計算して、続きを聞きます。こちらの計算を見せて手伝います。

混乱したら、

抜け出せばいいと、

混乱から抜け出た多くの体験から、

分かっている子です。

 

高校数学レベルの式の展開で、

混乱しています。

 

でも面白いことに、

混乱している最中に、

混乱から抜け出ている自分自身を、

心に見ています。

 

しかも、

式の形を見抜くことで混乱しているらしいと、

自分の混乱に、

当たりを付けている子です。

 

この子が、

 {\normalsize {\{2(a-b)+3c\}\{3(a-b)-c\}}}= の展開を、

 {\normalsize {6(a-b)^{2}-15c^{2}}}= と書いて、

聞きます。

 

つまり、

この子は、

こちらに聞くことで、

こちらの手伝いを希望しています。

 

だから、

この子が書いている式 :

 {\normalsize {\{2(a-b)+3c\}\{3(a-b)-c\}}}

 {\normalsize {6(a-b)^{2}-15c^{2}}}= の続きの計算だけを、

こちらが計算する実況中継で手伝います。

 

余計な説明を抜いて、

ただ計算だけを、

しかも、いきなり見せる手伝い方が、

この子の希望にピッタリです。

 

しかもこちらは心の中で、

この子は、

 {\normalsize {\{2(a-b)+3c\}\{3(a-b)-c\}}}= を、

 {\normalsize {\{2〇+3□\}\{3〇-□\}}}= のようにみて、

 {\normalsize {6〇^{2}+7〇□-3□^{2}}} と展開できる力を持っていると、

決めて手伝います。

 

 {\normalsize {\{2(a-b)+3c\}\{3(a-b)-c\}}}

 {\normalsize {6(a-b)^{2}-15c^{2}}}= の

問題の 2(a-b) と、3(a-b) の

2 と、3 を示しながら、

「にさんがろく(2×3=6)」、

(a-b) を示して、

「これ、2 乗」と計算してから、

この子の書いた式の  {\normalsize {6(a-b)^{2}}} を示して、

「合っている」です。

 

次に、

 {\normalsize {\{2(a-b)+3c\}\{3(a-b)-c\}}}

2(a-b) の 2 と、-c の - を示して、

「これとこれ、掛けて、-2」、

3c の 3 と、3(a-b) の 3 を示して、

「これとこれ、掛けて、+9」、

「-2+9=+7」、

2(a-b) の (a-b) と、3c の cを示して、

「(a-b)c」と計算してから、

この子の書いた式  {\normalsize {6(a-b)^{2}-15c^{2}}}= の

- の左を示して、

「+7(a-b)c」です。

 

こちらの手伝いを見て、

聞いているこの子は、

 {\normalsize {6(a-b)^{2}+7(a-b)c-15c^{2}}}= と書き直します。

 

この子が混乱から抜け出る手助けを続けて、

 {\normalsize {\{2(a-b)+3c\}\{3(a-b)-c\}}}

3c の 3 と、-c の - を示して、

「これとこれ、掛けて、-3」、

3c の c を示して、

「これ、2 乗」と計算してから、

この子の書いた式の  {\normalsize {-15c^{2}}} の 15 を示して、

「これ、3」です。

 

こちらの手伝いを見て、

聞いているこの子は、

 {\normalsize {6(a-b)^{2}+7(a-b)c-3c^{2}}}= と書き直します。

 

そして、

「もう分った」と言います。

 

「分かったの?」や、

「後はできるの?」と念を押したりしないで、

「そう」とだけ受けて、

続きの計算を、

この子に任せます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -396)、(分数  {\normalsize {α}} -150)