計算する前に、「どうやる?」と心の中で自分に聞いて、計算の仕方を決めてから計算する子に育てます。

{\Large\frac{x+2}{3}}{\Large\frac{2x-5}{4}}= を計算します。

 

通分して、

{\Large\frac{4(x+2)}{12}}{\Large\frac{3(2x-5)}{12}}=、

足して、

{\Large\frac{4(x+2)+3(2x-5)}{12}}=、

分子を計算して、

{\Large\frac{10x-7}{12}} です。

 

このような計算をできる子は、

心の中で、

計算する前に、

自分が自分に、

「どうする?」と聞いています。

 

半ば習慣のようになっています。

 

ほとんど意識することなく、

「どうする?」と聞いています。

 

そして、

「どうする?」に答えて、

計算の仕方を決めています。

 

順を追って、

子どもの心の中のやり取りを、

以下に書きます。

 

{\Large\frac{x+2}{3}}{\Large\frac{2x-5}{4}}= を見て、

「どうする?」と、

自分が自分に聞きます。

 

「下を合わせる」のように決めます。

 

自分が自分に、

「どうする?」と聞いて、

「下を合わせる」ように決めてから、

こうなるように計算します。

 

だから、

2 つの分母 3 と 4 を見て、

共通分母 12 を、

共通分母を出す感覚で出します。

 

2 つの分母 3 と 4 を見たら、

共通分母を出す感覚で、

共通分母 12 を出しています。

 

見るだけです。

感覚ですから、

計算しなくても、

共通分母が出ます。

 

ここでまた、

「どうする?」と、

自分が自分に聞きます。

 

「順に、通分」、

「左 : {\Large\frac{x+2}{3}} は、上と下に、4」、

「右 : {\Large\frac{2x-5}{4}} は、上と下に、3」のように決めます。

 

自分が自分に、

「どうする?」と聞いて、

計算の仕方を決めてから、

決めたように計算します。

 

{\Large\frac{4(x+2)}{12}}{\Large\frac{3(2x-5)}{12}}= です。

 

ここでまた、

「どうする?」と、

自分が自分に聞きます。

 

「下 12、上を 1 つに並べる」のように決めます。

 

自分が自分に、

「どうする?」と聞いて、

計算の仕方を決めてから、

決めたように計算します。

 

{\Large\frac{4(x+2)+3(2x-5)}{12}}= です。

 

ここでまた、

「どうする?」と、

自分が自分に聞きます。

 

「上のかっこを外す」のように決めます。

 

自分が自分に、

「どうする?」と聞いて、

計算の仕方を決めてから、

決めたように計算します。

 

{\Large\frac{4x+8+6x-15}{12}}= です。

 

ここでまた、

「どうする?」と、

自分が自分に聞きます。

 

「上をまとめる」のように決めます。

 

自分が自分に、

「どうする?」と聞いて、

計算の仕方を決めてから、

決めたように計算します。

 

{\Large\frac{10x-7}{12}} です。

 

子どもが、

心の中で、

このようなやり取りをしているから、

自力で計算できます。

 

半ば習慣化して、

ほとんど無意識ですが、

自分が自分をリードしています。

 

さて、

どのような教え方をすれば、

子どもは、

心の中で、

このようなことをできるようになるのでしょうか?

 

計算しているこちら自身を、

実況中継して、

計算そのものを、

ブツブツつぶやきながら見せるだけで、

子どもは、

このようなやり取りをする子に育ちます。

 

この計算の初めの部分の

実況中継の例です。

 

{\Large\frac{x+2}{3}}{\Large\frac{2x-5}{4}}= の

3 と 4 を順に示しながら、

「これと、これ、12」です。

 

3 と 4 を見て、

12 を出していることを、

実況中継しています。

 

このような実況中継を見ている子は、

「共通分母を出している」と、

心の中で理解しています。

 

こちらが言葉で、

「共通分母を出す」と説明していないので、

子どもが、

「何をしているのか?」と考えて、

「あぁ、共通分母だ・・」となります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -427)、(分数  {\normalsize {α}} -166)