(2-1 )×= の四則混合を、
計算して、そして、
答えを出すことができます。
(2-1 )×( + )= の四則混合は、
計算順を決めることと、
計算する余白を決めることをできますが、
1 番目の計算の
分数のひき算をできません。
問題 (2-1 )×= の
この子の計算の仕方を、
以下に詳しくみます。
答えを出すために、
最初に、
計算順を決めます。
式を眺めるだけで、
計算順を決めます。
① かっこの中の - 、
② かっこの外の × の順です。
次に、
ひき算と、かけ算を計算する余白を決めます。
「ここで、計算しよう・・」との余白です。
この計算順を決めることと、
計算する余白を決めることを、
この子は、
半ば習慣のように行います。
半ば習慣のようになっているということは、
「計算順は?」や、
「どこの余白?」のような言葉で、
この子は動いていません。
頭の中に四則混合の
このような計算をリードする
イメージの塊のようなものがあって、
そのリードで、
この子は、
計算順を決めて、
計算する余白を決めています。
とても不思議な力です。
もちろん、
半ば習慣化した行動を、
言葉で教えることなどできません。
(2-1 )×= や、
(2-1 )×( + )= のような
四則混合を計算する前に、
こちらがこの子をリードして、
「計算順は?」と聞いて、
この子に、
計算順を決めさせて、
計算する余白を、
「これ、ここ」と指定することを、
繰り返したからです。
このようなリードを繰り返すだけで、
子どもが自然に、
半ば習慣のように
計算する前に計算順を決めるような
計算行動をできるようになります。
このように計算の仕方を、
自力でデザインしたら、
余白で計算します。
1 番目は、
2-1 のひき算です。
2-1=1-1= と、
余白で計算します。
2 番目のかけ算は、
1 番目の答え に、
を掛けます。
×== と、
別の余白で計算します。
そして、
(2-1 )×= です。
これだけのことを行う
いくつかの半ば習慣のような計算行動を、
この子はできます。
問題 (2-1 )×= を見て、
計算する前に、
計算順と、
それぞれの計算を行う余白を決めて、
つまり、
頭の中で、計算の仕方をデザインして、
この後、
2 つの計算を、
2 箇所の余白で行います。
このようなことを、
半ば習慣化して、
この子はしています。
でも、
問題 (2-1 )×( + )= は、
少し様子が違います。
計算順を、
① 左のかっこの中の - 、
② 右のかっこの中の + 、
③ かっこの外の × と、
半ば習慣化して決めることができます。
それぞれを計算する余白を、
半ば習慣化して、決めます。
ここまでは、
(2-1 )×= の計算と同じです。
ここまで、
計算の仕方をデザインできたのですから、
1 番目の計算、
2-1 を計算すると、
この子は分かっていますが、
まったく手が出ません。
できません。
この子の今の計算力では、
(2-1 )×= の中の
1 番目の計算、
2-1 は、できます。
でも、
(2-1 )×( + )= の中の
1 番目の計算、
2-1 は、
見たことのない計算なのです。
「どうして?」ではなくて、
「見たことのない計算に見えている」なのです。
事実として、
受け入れてしまい、
2-1 の答えの出し方を、
こちらの計算を実況中継して見せます。
このように受け入れて、
2-1 の答えの出し方を教えれば、
この子が、
今できる他の力が保護されます。
「どうしたの?」や、
「できるでしょ・・」としません。
このようなネガティブな指導をすると、
この子の今できる力が
どこか失われる危険があるからです。
以下は、
こちらが見せる実況中継の例です。
2-1 の分母を、
12 と、3 の順に示して、
「12÷3 、割り切れる」、
「下、12」とリードして、
共通分母 12 を出します。
2-1= としてから、
左の分数 の分母を 12 に変えます。
3 を示して、
「3×4=12、下」、
1 を示して、
「1×4=4、上」とリードすれば、
2-1=2 と子どもが書きます。
-1 を、
「これ、ここ」で、
そのまま転記させれば、
2-1=2-1= です。
2-1= の分子、
4 と、11 を順に示して、
「引けない」、
2 の 2 を、1+1 に分けて、
右の 1 を、 にしてから、
の分子 12 と、
の分子 4 を足して、16 にすれば、
2-1=1 です。
-1 を、
「これ、ここ」で、転記させれば、
2-1=1-1= です。
ここまでリードすれば、
子どもは、「分かった」となり、
1-1= と計算できます。
このように、
(2-1 )×( + )= の1 番目の計算、
2-1 が、
見たことのない計算に、
見えているこの子を受け入れて、
答えの出し方をリードして計算することで、
この子に残っている
他の計算力がそのまま残されます。
だから、この子は、
2 番目の計算 + を、
+=+==1 と、
自力で計算できます。
さらに、
3 番目の計算 × を、
×=×= と、
自力で計算できます。
実は、
できるはずの計算が、
見たことのない計算に見えてしまうことは、
よく起こります。
2-1= を、
単独で計算させれば、
自力で計算できます。
でも、
(2-1 )×( + )= の中の
一部分の計算になっていると、
見たことのない計算に見えてしまいます。
子どもには、
本当にそう見えています。
とても不思議なことですが、
よく起こります。
(基本 -537)、(分数 -228)