戸惑っている計算問題の実況中継を見せて、答えを出すリードをします。こうすると、計算することで学べることを、子どもは学びます。

計算して、

答えを出します。

 

こうすると、

計算して答えを出したことで、

初めて学べることを、

学ぶことができます。

 

計算して答えを出した子どもだけが

学ぶことのできる学びです。

 

例えば、

-3 {\Large\frac{1}{2}}-(- {\Large\frac{3}{10}} )×(-5)= のような

正負の数の四則混合です。

 

このような四則混合は、

計算順を決めて、

決めた計算順に計算します。

 

答えを出そうとして、

計算することで、

自分をコントロールして、

先に計算順を決めて、

自分が決めた計算順に、

やはり自分をコントロールして計算します。

 

自分のコントロールの仕方や、

個々の問題の計算順の決め方は、

言葉で教えることができないようです。

 

 

さて、

子どもが、

計算に戸惑っているようであれば、

答えを出すことに絞り込んで手伝います。

 

答えを出すプロセスで、

子どもは、

学ぶべきことを学べるからです。

 

計算だけを教える最もシンプルな手伝い方は、

こちらの計算の実況中継を見せることです。

 

こちらの計算は、

こちらの頭の中で、

音なしで、

速いスピードで行われますから、

計算しているこちらをそのまま見せても、

見ている子どもには、

こちらが頭の中でしている計算を、

まったく見ることができません。

 

ですから、

こちらが頭の中でしていることを、

子どもに伝わるように、

同時進行で言葉にして、

実況中継します。

 

また、

こちらの計算の実況中継を見せることで、

計算に関して、

子どもとまったく同じ向きになります。

 

物理的な向きではなくて、

問題に対する向きです。

 

こちらの計算の実況中継ですから、

ただ計算しているこちらを見せるだけです。

 

こちらは、

教えようとしていません。

 

自分がしている計算を、

できるだけ忠実に言葉にして、

実況中継します。

 

子どもも同じ向きです。

問題 -3 {\Large\frac{1}{2}}-(- {\Large\frac{3}{10}} )×(-5)= を見たら、

計算して答えを出そうとします。

 

このように、

こちらが子どもと、

同じ向きを向きますから、

子どもは強い親近感を感じるようです。

 

こちらの計算の実況中継を、

真剣になって見てくれます。

 

以下は、

問題 -3 {\Large\frac{1}{2}}-(- {\Large\frac{3}{10}} )×(-5)= の

実況中継の一例です。

 

右の × と、

-3 {\Large\frac{1}{2}}-( の  {\Large\frac{1}{2}} の右の - を順に示して、

「これ」、

「次に、これ」です。

 

この実況中継で、

こちらが、× と、- だけを見て、

計算順を決めていることが、伝わります。

 

まだ計算に慣れていない子には、

問題 -3 {\Large\frac{1}{2}}-(- {\Large\frac{3}{10}} )×(-5)= の

すべてが見えています。

 

こちらは、

最初の - や、

帯分数 3 {\Large\frac{1}{2}} は、

見えていても見ていません。

 

目には映っていますが、

意識して見ているのは、

計算順の × と、- だけです。

 

このような問題(式)の見方を、

計算するから、

学ぶことができます。

 

次は、

-3 {\Large\frac{1}{2}} だけを隠します。

 

すると、

-(- {\Large\frac{3}{10}} )×(-5)= が見えます。

 

これも、

こちらは、

-3 {\Large\frac{1}{2}} を隠さなくても、

問題 -3 {\Large\frac{1}{2}}-(- {\Large\frac{3}{10}} )×(-5)= の

-(- {\Large\frac{3}{10}} )×(-5) だけを見ることができます。

 

計算対象だけを見る見方です。

 

言葉では、

教えることのできないことです。

 

計算することで、

学べる内容です。

 

実況中継のリードでは、

-3 {\Large\frac{1}{2}} を隠して、

-(- {\Large\frac{3}{10}} )×(-5) だけが見えるようにしてから、

かけ算を計算します。

 

3 箇所の - を順に示しながら、

「これ、これ、これ、3 つなので、マイナス(-)」です。

 

こうして、

-(- {\Large\frac{3}{10}} )×(-5) の答えの符号を、

先に、

マイナス(-)と決めます。

 

それから、

 {\Large\frac{3}{10}}× {\Large\frac{5}{1}}=- \require{cancel}\displaystyle {\frac{3}{\begin{matrix}\cancel{10}\\2\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{5}\end{matrix}\,}{1}}=- {\Large\frac{3}{2}}=-1 {\Large\frac{1}{2}} と、

計算を実況中継します。

 

この計算で、

問題 -3 {\Large\frac{1}{2}}-(- {\Large\frac{3}{10}} )×(-5)= は、

-3 {\Large\frac{1}{2}}-1 {\Large\frac{1}{2}}= に変わります。

 

そして、

この計算 -3 {\Large\frac{1}{2}}-1 {\Large\frac{1}{2}} を、

実況中継します。

 

2 箇所の - を示して、

「マイナス、マイナス」、

数 3 {\Large\frac{1}{2}} と、1 {\Large\frac{1}{2}} を示して、

「足して、マイナスを付ける」とリードします。

 

このように、

計算の仕方を決めてから、

計算します。

 

-3 {\Large\frac{1}{2}}-1 {\Large\frac{1}{2}}=-4 {\Large\frac{2}{2}}=-5 です。

 

(基本  {\normalsize {α}} -431)、(分数  {\normalsize {α}} -169)