筆算のたし算やかけ算は、いくつかの計算を組み合わせています。でも、こう見ることのできる子は少数です。分数の計算まで進むと、いくつかの計算を組み合わせていると、見る子が増えます。

「いくつかの計算を組み合わせている」と、

計算自体を見るようになるのは、

子どもが難しさを感じる計算のときです。

 

「難しさ」は気持ちですから、

大きな個人差があります。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 48 \\ +\: 46 \\ \hline \end{array} }} \\ のような筆算のたし算の

繰り上がりのたし算に

「難しさ」を感じる子もいますが、

多くの子ではありません。

 

少ない子ではありませんが、

多くの子でもありません。

 

筆算のたし算の

繰り上がりのたし算は、

「少し難しい」くらいのようです。

 

だから、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 48 \\ +\: 46 \\ \hline \end{array} }} \\ の計算を、

8+6=14 と、

4+4=8 と、

8+1=9 の

3 つのたし算の組み合わせだと、

感じる子は、ほとんどいないようです。

 

全体を、

1 つの計算だと見ています。

 

もちろん、

計算をリードしているこちらは、

3 つのたし算の組み合わせを

意識していますが、

子どもはそうではなくて、

1 つの計算です。

 

 

これに比べると、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  29 \\ \:\times  \:\:\: 4 \\ \hline \end{array}  }}\\ や、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  34\\ \:\times  \:\:\: 8 \\ \hline \end{array}  }}\\ のような筆算のかけ算の

繰り上がりのたし算は、

多くの子が、

「難しさ」を感じる計算です。

 

そして、

このような「強い難しさ」を感じさせる計算は、

「いくつかの計算を組み合わせている」と、

子どもに、

何となくなのでしょうが、

感じさせる計算になっています。

 

確かに、

筆算のかけ算は、

「いくつかの計算を組み合わせている」計算です。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  29 \\ \:\times  \:\:\: 4 \\ \hline \end{array}  }}\\ は、

4×9=36 と、

4×2=8 と、

8+3=11 の計算の組み合わせです。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  34\\ \:\times  \:\:\: 8 \\ \hline \end{array}  }}\\ は、

8×4=32 と、

8×3=24 と、

24+3=27 の計算の組み合わせです。

 

このような 3 つの計算の組み合わせを、

子どもが感じるのは、

かけ算 2 回、つまり、

4×9=36 と、4×2=8 の後の

たし算 8+3=11 に

自分の計算を切り替えるのが難しいからです。

 

切り替えるのが難しいために、

別の種類の計算であることを、

子どもは、

何となくなのでしょうが意識しています。

 

そして、

「いくつかの計算を組み合わせている」と、

何となくなのでしょうが、

意識しているようです。

 

つまり子どもは、

ハッキリと、

2 回のかけ算と、

1 回のたし算(繰り上がりのたし算)の

組み合わせが、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  29 \\ \:\times  \:\:\: 4 \\ \hline \end{array}  }}\\ や、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  34\\ \:\times  \:\:\: 8 \\ \hline \end{array}  }}\\ のような筆算のかけ算の計算だと、

意識してはいないようです。

 

だから、

筆算のかけ算の

繰り上がりのたし算の計算で、

モタモタとしている子どもに、

たし算だけを練習させて、

たし算だけでしたらスラスラと計算できても、

筆算のかけ算の計算は、

モタモタとしたままなのです。

 

こちらは、

ハッキリと、

2 回のかけ算と、

1 回のたし算(繰り上がりのたし算)の

組み合わせと見ることができますが、

子どもはそうではなくて、

何とはなくのボンヤリとしたレベルだからです。

 

 

さて、

多くの計算を修得して、

小数の混ざった分数のかけ算、

0.2× {\Large\frac{5}{6}}= や、

0.25×3 {\Large\frac{1}{5}}= のような計算にまで進むと、

「いくつかの計算を組み合わせている」ことを、

かなりハッキリと意識できている子が、

多くなります。

 

0.2× {\Large\frac{5}{6}}= は、

小数 0.2 を、分数  {\Large\frac{1}{5}} に変える計算と、

 \require{cancel}\displaystyle {\frac{1}{\begin{matrix}\cancel{5}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{5}\end{matrix}\,}{6}}= と約分する計算を

組み合わせていると、

見ることができる子が、

多くなります。

 

こうなると、

0.25×3 {\Large\frac{1}{5}}= の計算で、

その一部分の

小数 0.25 を、

分数  {\Large\frac{1}{4}} に変える計算ができて、

帯分数 3 {\Large\frac{1}{5}} を、

仮分数に変えることができないとき、

「この部分の計算だけ」を、

聞く子に育っています。

 

0.25×3 {\Large\frac{1}{5}}= の計算を、

「いくつかの計算を組み合わせている」と、

ハッキリと見ることができますから、

思い出すことができない計算の一部分を、

つまり、

帯分数 3 {\Large\frac{1}{5}} を、

仮分数に変えることだけを、

「どうやって、仮分数にするの?」のように、

ズバリと聞くことができます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -474)、(+-  {\normalsize {α}} -280)、

(×÷  {\normalsize {α}} -103)、(分数  {\normalsize {α}} -195)