計算の仕方は、それ以前の積み重ねで、スピードがありません。実際の計算は、それ以前の積み重ねのように見えるだけで、必ずしもそうではありません。そして、スピードがあります。なお、計算スピードが遅いと、落ちこぼれるリスクが高くなります。

計算の仕方は、

それ以前の計算を利用して、

積み重ねていきます。

 

どのような計算の仕方であっても、

それ以前を利用して、

積み重ねます。

 

具体的に

いくつかの計算を取り上げて

こうなっていることを確かめます。

 

 

8+5= の計算の仕方です。

 

例えば、

次のような計算の仕方があります。

 

8 を見て、

その次の 9 から、

5 を見て、

9、10、11、12、13 と、

5 回数えて、

答え 13 を出します。

 

このような計算の仕方です。

 

この計算の仕方では、

8、9、10、11、12、13、・・のような

それ以前の数の並びを利用して、

たし算の計算に積み重ねています。

 

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 93 \\ \hline \end{array} }} \\ の計算の仕方です。

 

例えば、

次のような計算の仕方があります。

 

一の位の 8 と 3 を、

上から下に縦に見て、

8+3=11 と足して、

一の位の 1 を、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 93 \\ \hline \:\:\:\:1\end{array} }} \\ のように書いて、

十の位の 1 を

繰り上がり数として覚えて、

問題の十の位の 6 と 9 を、

上から下に縦に見て、

6+9=15 と足して、

繰り上がり数 1 を足して、

15+1=16 を、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 93 \\ \hline161\end{array} }} \\ のように書きます。

 

このような計算の仕方です。

 

この計算の仕方では、

それ以前の計算の

8+3=11 と、

6+9=15 と、

15+1=16 を、

積み重ねています。

 

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  29 \\ \:\times  \:\:\: 3 \\ \hline \end{array}  }}\\ の計算の仕方です。

 

例えば、

次のような計算の仕方があります。

 

3 から 9 を、

下から上に見て、

3×9=27 と掛けて、

一の位の 7 を、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  29 \\ \:\times  \:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:7\end{array}  }}\\ のように書いて、

十の位の 2 を

繰り上がり数として覚えて、

3 から 2 を、

下から斜め上に見て、

3×2=6 と掛けて、

繰り上がり数 2 を足して、

6+2=8 を、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  29 \\ \:\times  \:\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:87\end{array}  }}\\ のように書きます。

 

このような計算の仕方です。

 

この計算の仕方では、

それ以前の計算の

3×9=27 と、

3×2=6 と、

6+2=8 を、

積み重ねています。

 

 

このように、

8+5= と、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 93 \\ \hline \end{array} }} \\ と、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  29 \\ \:\times  \:\:\: 3 \\ \hline \end{array}  }}\\ の計算の仕方を確かめても、

計算の仕方は、

それ以前の積み重ねであることが分かります。

 

それ以前の計算を前提に、

新しい計算の

計算の仕方を理解します。

 

計算の仕方は、

このように積み重ねています。

 

 

ですが、

計算の仕方と、

その計算の仕方を使って、

実際に計算することは、

少し違います。

 

計算の仕方は、

それ以前の積み重ねです。

 

実際の計算も、

それ以前の積み重ねのように見えますが、

実は、

計算のスピードがあるために、

それ以前を前提にしなくても

計算できてしまいます。

 

実際の計算にスピードがあることを知って、

計算の仕方はどうなっているのかを考えると、

計算の仕方には、

スピードがないのです。

 

スピードは、

実際に計算するときに、

現れます。

 

計算の仕方を、

それ以前の積み重ねとして理解するとき、

スピードがないのです。

 

 

そして、

面白いことに、

計算のスピードは、

知識ではなくて、

習慣です。

 

しかも、

簡単に入れ替えることができる習慣です。

 

 

このことを、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 93 \\ \hline \end{array} }} \\ の実際の計算を例として、

説明します。

 

8 を見て、

8 の次の 9 から、

8 の真下の 3 回、

9、10、11 と数えて、

この 11 の一の位の 1 を、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 93 \\ \hline \:\:\:\:1\end{array} }} \\ のように書きます。

 

このような計算をする子です。

 

スピードのない

計算の仕方の理解では、

たし算 8+3= を積み重ねています。

前提にしています。

 

スピードのある

実際の計算で、

この子は、

たし算 8+3= を積み重ねていません。

 

8+3= の計算を、

前提にしていません。

 

実際の計算ですから、

全ての動作にスピードがあります。

 

8 を見るスピード、

次の 9 を出すスピード、

8 の真下の 3 を見るスピード、

数える回数を、3 回と決めるスピード、

9、10、11 と数えるスピード、

11 の一の位の 1 を書くと決めるスピード、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 93 \\ \hline \:\:\:\:1\end{array} }} \\ と書くスピードです。

 

しかも、

これら全てのスピードは、

習慣としての一定の速さを持っています。

 

 

さて、

この子の計算が遅いようでしたら、

遅いスピードで計算する習慣なのです。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 68 \\ +\: 93 \\ \hline \end{array} }} \\ の実際の計算で、

8+3= の指が取れていない子で、

計算のスピードが遅いのであれば、

落ちこぼれるリスクが高くなります。

 

だから、

落ちこぼれるリスクを下げるために、

遅いスピードの計算を、

速いスピードの計算に

入れ替えてしまいます。

 

次のようにすれば、

簡単にできます。

 

こちらが、

この子のスピードよりも

速いスペードの計算を、

実況中継で見せるリードをすれば、

この子は、

こちらの速いスピードを受け入れてくれます。

 

繰り返し、

こちらの速いスピードの計算を

実況中継で見せれば、

この子は、

速いスピードの計算を繰り返しますから、

速いスピードの計算に入れ替わります。

 

そして、

落ちこぼれるリスクが、

とても低くなります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -525)、(+-  {\normalsize {α}} -300)、(×÷  {\normalsize {α}} -115)