少し難しい筆算のひき算の計算の仕方を説明されて、理解できたら、「なるほど!」となります。自力で正しい答えを計算できたときも、「なるほど!」となります。2 つの「なるほど!」が違うことに、子どもは気が付いています。こちらが、教えるとき、2 つの「なるほど!」が、混ざらないように注意します。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:203 \\ - \:\:\:\: 26 \\ \hline \end{array} }} \\ のような筆算のひき算の

計算の仕方を習います。

 

一の位のひき算 3-6 は、

引けませんから、

隣の十の位から、

1 を借りて、

13-6=7 と計算したいのですが、

十の位は、0 です。

 

0 から、

1 を借りられません。

 

だから、

百の位の 2 から、

1 を借りて、

十の位の 0 を、

10 にします。

 

この 10 から、

一の位の 3 は、

1 を借りて、

13-6=7 と計算します。

 

と、

このようなことを習います。

 

「なるほど!」と、

習った計算の仕方を理解して、

納得します。

 

 

そして、

計算の仕方を納得できた後、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:405 \\ - \:\:\:\: 38 \\ \hline \end{array} }} \\ のような

似ているひき算を、

自力で計算します。

 

少し戸惑いながらも、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:405 \\ -\:\:\:\: 38\\ \hline 367\end{array} }} \\ と、計算して、

答えを出します。

 

正しい答えです。

 

計算の仕方を、

正しく理解できたから、

そしてそれを自力で使って、

計算することができています。

 

このように、

正しい答えを計算できた後も、

子どもは、

「なるほど!」となります。

 

 

「なるほど!」が、

2 回です。

 

教えられた後、

計算の仕方を理解できて、

「なるほど!」となっています。

 

1 回目の「なるほど!」です。

 

自力で計算して、

正しい答えを出すことができた後、

やはり、

「なるほど!」となります。

 

2 回目の「なるほど!」です。

 

 

さて、

子どもの感覚の鋭さなのでしょうか、

2 つの「なるほど!」は、

同じではなくて、

違っていることを知っているようです。

 

子どもが、

心の中でつぶやく、

言い方は、

「なるほど!」のようでしょうから、

似ています。

 

言い方だけではなくて、

「分かった」喜びのような感じ方も、

似ているようです。

 

ですが、

2 つの「なるほど!」に、

微妙な違いがあります。

 

 

教えられた後の「なるほど!」は、

子どもの中に入ってきた知識、

つまり、

教えられる計算の仕方を、

理解した結果です。

 

子どもは、

自分から、

何かを生み出すようなことをしていません。

 

正しい答えを、

自力で出せた後の「なるほど!」は、

子どもが自分を動かして、

答えを生み出した結果です。

 

計算の答えを生み出しています。

 

していることではなくて、

その向きだけを見れば、

真逆なのです。

 

計算の仕方を教えられて、

それを理解した「なるほど!」は、

「入れる学び」の納得です。

 

計算の仕方を自分に応用して、

答えを生み出した「なるほど!」は、

「出す学び」の納得です。

 

 

筆算のひき算の

少し難しい計算まで進んでいる子どもは、

2 つの「なるほど!」の

向きが真逆であることに、

どうも

気が付いているようです。

 

ですから、

筆算のひき算  {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:405 \\ - \:\:\:\: 38 \\ \hline \end{array} }} \\

自力で計算して答えを出そうとしている子の

答えを出すことを手伝うときには、

計算の仕方を説明しないで、

計算そのものを手伝うようにします。

 

計算を手伝おうとしていて、

計算の仕方を説明してしまうと、

子どもには、

「入れる学び」になりますから、

異質さを感じさせてしまいます。

 

計算を手伝おうとしているのですから、

答えを出す計算だけを手伝えば、

「出す学び」になって、

子どもと同じ向きを向くことになり、

違和感なく

受け入れてもらえます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -524)、(+-  {\normalsize {α}} -299)