832-356 の筆算の形は、とても計算しやすい書き方になっています。暗算形式 832-356= のまま計算させれば、工夫された書き方になっていることに、何となく気付くようです。

筆算のひき算   {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:832 \\ - \: 356 \\ \hline \end{array} }} \\  は、

一の位の 2 と 6 が、

上下に並べて書いてあるため、

2-6=  は、引けないと、

見るだけで気付いて、

12-6=  と工夫できて、

12-6=6  と答えを出すことができて、

筆算のひき算の答えの一の位として、

真下に   {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:832 \\ -\: 356\\ \hline \:\:\:\:6\end{array} }} \\  と書くことができます。

見事に工夫された形です。

 

ここまで計算しやすい形で書かれていますから、

暗算のひき算をスラスラ計算できるようになれば、

筆算のひき算に進むのが自然です。

 

 

でも、

見事に工夫されているために、

習っている子どもには、

計算しやすい形になっていることが

ピンとこないのです。

 

ですから、あえて、

筆算に書き直させないで、

暗算形式  832-356=  のまま計算させて、

難しさを感じさせて、

筆算のひき算   {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:832 \\ - \: 356 \\ \hline \end{array} }} \\  が、

楽に計算できるような書き方になっていることに、

気付かせることができます。

 

 

実際に、

暗算形式  832-356=  のまま計算すると、

一の位の 2 と 6 が、

間に、-35  が書かれているために、

かなり離れて書いてあり、

一の位だけ見ることに難しさを感じます。

 

そして、

左から右を引くと、

ハッキリと意識していれば、

2-6=  は、引けないことに気付きますから、

パターンとして、

2 に、1 を付けて、12 にして、

12-6=6  と引くこと自体、

筆算形式   {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:832 \\ - \: 356 \\ \hline \end{array} }} \\  のように、

すぐに納得できることではないのです。

 

筆算形式   {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:832 \\ - \: 356 \\ \hline \end{array} }} \\  であれば、

一の位の計算は、

上から下に、2 から 6 を見て、

2-6=  が引けないと分かり、

2 に、1 を付けて、12 にすることも、

自然ですから、

12-6=6  と計算できます。

 

暗算形式  832-356=  は、

一の位の 2 と 6 が、

離れて書いてあるだけでなく、

左から右を引くので、

2-6=  のひき算の式を、

頭の中でイメージしなければならないのです。

 

しかも、

2-6=  は、引けませんから、

2 に、1 を付けて、12 にして、

12-6=6  と引くのですが、

わざとらしい計算になってしまいます。

 

その上、

引いた答え 6 を、

832-356=  の答えの一の位は、

= の少し右に、

832-356=   6  ですから、

書くところまで難しさを感じます。

 

と、

このような計算ですから、

暗算形式  832-356=  で計算させれば、

筆算形式   {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:832 \\ - \: 356 \\ \hline \end{array} }} \\  が、

見事に工夫された形に書いてあることに、

気が付くはずです。

 

 

まとめますと、

12-6=  や、

12-5=  や、

7-3=  の答えをスラスラと出せるようになれば、

筆算のひき算   {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:832 \\ - \: 356 \\ \hline \end{array} }} \\  の計算に進み、

それから、

暗算形式  832-356=  のまま計算させることで、

筆算のひき算の見事に工夫された書き表し方に

気付かせるようにします。

 

教える順を、このようにすることで、

子どもは、

考えるとはなく考えて、

筆算   {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:832 \\ - \: 356 \\ \hline \end{array} }} \\  の形が、

計算しやすく工夫されていることに、

何となく気付くようです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1356)、(+-  {\normalsize {α}} -744)

 

関連:2023年07月12日の私のブログ記事

「たし算・ひき算・かけ算は、

筆算の計算を先に習います。

その後で、暗算の形の計算の仕方を習います。

ですが、わり算だけは、

暗算の形の計算を先に習います。

筆算よりも、修得しやすいからです」。