÷×= を計算する前に、
「順番?」と、
子どもに聞きます。
この子は、
式を見てすぐに、
「÷」と、「×」を、
順に指さします。
正しい計算順です。
四則混合の計算順を決めるルールは、
かけ算とわり算だけのとき、
左から順にですから、
ルール通りです。
ですが、
1 度で計算することを、
ルール通りではありませんが、
指定します。
「こう」と言いながら、
こちらの指で、
式 ÷×= 全体を囲むよう動かします。
「あぁ、そうだった」、
「分数のかけ算とわり算は、1 度でだった」と、
心でつぶやいて、
子どもは思い出します。
1 度で・・と、
計算順を決めましたから、
子どもに計算させます。
すると、
÷×=÷= と書いて、
この続きの計算を、
この子は聞きます。
1 度で・・と決めています。
それなのにこの子は、
÷×= の右のかけ算 × を、
と計算して、
左のわり算を残して、
÷= と書いて聞きます。
こちらは、
「あぁ、なるほど」です。
1 度で・・を無視したのではありません。
分数のわり算の計算を、
思い出せないのです。
分数のかけ算の計算は、
思い出せますから、
×= と計算して、
思い出せないわり算を、
÷= と残してから、
聞きます。
1 度で・・としなければ、
左から順に・・が、
計算順のルールです。
1 番目の計算のわり算を抜かして、
2 番目の計算のかけ算を
先に計算しています。
間違えた計算順です。
でも、
分数のかけ算の計算は、
正しくできています。
順番を間違えていますが、
かけ算の計算自体は、正しくできています。
また、
分数のわり算の計算を思い出せません。
これが、
この子の現状です。
さてこちらは、
この子の分数のかけ算を計算できる力を、
利用するようなリードをします。
÷×= の ÷ を示して、
「かけ算(×)」、
÷ の右の を示して、
「ひっくり返す」とリードして、
÷×=××= と、
書き換えさせます。
「分数のわり算の計算は、
分母と分子を入れ替えて、
かけ算に直して・・」のような
言葉の説明をしません。
計算だけを教えれば、
子どもは真剣に学びます。
言葉で説明し始めると、
なぜか、気を緩めます。
だから、
言葉の説明を抜いて、
計算だけをリードして、
子どもに書き換えさせます。
次に、
×× を示して、
「どれとどれを約分?」と聞きます。
この子は、
左下の 4 と、
真ん中の上の 8 を示します。
「何で?」と聞くと、
「4」と答えてくれます。
「後は?」と聞くと、
無言です。
「もうない・・」との感じですから、
真ん中の上の 8 を示して、
「4 で割ると?」と聞くと、
「2」と答えてくれます。
続けて、
「その 2 と、どれを約分?」と聞くと、
右下の 6 を、
「これ」と、
この子は示します。
ここまで、
計算する前にリードしてから、
計算させます。
するとこの子は、
××= と、
計算します。
わり算の計算を思い出せないだけです。
今できる計算、
分数のかけ算を利用してリードすれば、
思い出せなかったわり算の計算が、
印象深く残り始めます。
(基本 -613)、(分数 -260)