3 つの分数の乗除で、分数のかけ算はできて、わり算を思い出せない子です。今できる分数のかけ算の力を利用してリードします。

 {\Large\frac{1}{4}}÷ {\Large\frac{1}{8}}× {\Large\frac{1}{6}}= を計算する前に、

「順番?」と、

子どもに聞きます。

 

この子は、

式を見てすぐに、

「÷」と、「×」を、

順に指さします。

 

正しい計算順です。

 

四則混合の計算順を決めるルールは、

かけ算とわり算だけのとき、

左から順にですから、

ルール通りです。

 

 

ですが、

1 度で計算することを、

ルール通りではありませんが、

指定します。

 

「こう」と言いながら、

こちらの指で、

 {\Large\frac{1}{4}}÷ {\Large\frac{1}{8}}× {\Large\frac{1}{6}}= 全体を囲むよう動かします。

 

「あぁ、そうだった」、

「分数のかけ算とわり算は、1 度でだった」と、

心でつぶやいて、

子どもは思い出します。

 

 

1 度で・・と、

計算順を決めましたから、

子どもに計算させます。

 

すると、

 {\Large\frac{1}{4}}÷ {\Large\frac{1}{8}}× {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{1}{4}}÷ {\Large\frac{1}{48}}= と書いて、

この続きの計算を、

この子は聞きます。

 

 

1 度で・・と決めています。

 

それなのにこの子は、

 {\Large\frac{1}{4}}÷ {\Large\frac{1}{8}}× {\Large\frac{1}{6}}= の右のかけ算  {\Large\frac{1}{8}}× {\Large\frac{1}{6}} を、

 {\Large\frac{1}{48}} と計算して、

左のわり算を残して、

 {\Large\frac{1}{4}}÷ {\Large\frac{1}{48}}= と書いて聞きます。

 

こちらは、

「あぁ、なるほど」です。

 

1 度で・・を無視したのではありません。

 

分数のわり算の計算を、

思い出せないのです。

 

分数のかけ算の計算は、

思い出せますから、

 {\Large\frac{1}{8}}× {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{1}{48}} と計算して、

思い出せないわり算を、

 {\Large\frac{1}{4}}÷ {\Large\frac{1}{48}}= と残してから、

聞きます。

 

 

1 度で・・としなければ、

左から順に・・が、

計算順のルールです。

 

1 番目の計算のわり算を抜かして、

2 番目の計算のかけ算を

先に計算しています。

 

間違えた計算順です。

 

でも、

分数のかけ算の計算は、

正しくできています。

 

順番を間違えていますが、

かけ算の計算自体は、正しくできています。

 

また、

分数のわり算の計算を思い出せません。

 

これが、

この子の現状です。

 

 

さてこちらは、

この子の分数のかけ算を計算できる力を、

利用するようなリードをします。

 

 {\Large\frac{1}{4}}÷ {\Large\frac{1}{8}}× {\Large\frac{1}{6}}= の ÷ を示して、

「かけ算(×)」、

÷ の右の   {\Large\frac{1}{8}} を示して、

「ひっくり返す」とリードして、

 {\Large\frac{1}{4}}÷ {\Large\frac{1}{8}}× {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{1}{4}}× {\Large\frac{8}{1}}× {\Large\frac{1}{6}}= と、

書き換えさせます。

 

「分数のわり算の計算は、

分母と分子を入れ替えて、

かけ算に直して・・」のような

言葉の説明をしません。

 

計算だけを教えれば、

子どもは真剣に学びます。

 

言葉で説明し始めると、

なぜか、気を緩めます。

 

だから、

言葉の説明を抜いて、

計算だけをリードして、

子どもに書き換えさせます。

 

 

次に、

 {\Large\frac{1}{4}}× {\Large\frac{8}{1}}× {\Large\frac{1}{6}} を示して、

「どれとどれを約分?」と聞きます。

 

この子は、

左下の 4 と、

真ん中の上の 8 を示します。

 

「何で?」と聞くと、

「4」と答えてくれます。

 

「後は?」と聞くと、

無言です。

 

「もうない・・」との感じですから、

真ん中の上の 8 を示して、

「4 で割ると?」と聞くと、

「2」と答えてくれます。

 

続けて、

「その 2 と、どれを約分?」と聞くと、

右下の 6 を、

「これ」と、

この子は示します。

 

 

ここまで、

計算する前にリードしてから、

計算させます。

 

するとこの子は、

 \require{cancel}\displaystyle {\frac{1}{\begin{matrix}\cancel{4}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{2}\\\cancel{8}\end{matrix}\,}{1}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{1}{\begin{matrix}\cancel{6}\\3\end{matrix}\,}} {\Large\frac{1}{3}} と、

計算します。

 

わり算の計算を思い出せないだけです。

 

今できる計算、

分数のかけ算を利用してリードすれば、

思い出せなかったわり算の計算が、

印象深く残り始めます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -613)、(分数  {\normalsize {α}} -260)