35+4= を見たら瞬時に、答え 39 が出る高い計算力がある子は、35+4= を筆算に書いた計算の仕方を学ぶこと自体に抵抗することがあります。筆算に書かなくても、答えを出せるからです。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 35 \\ +\:\:\: 4 \\ \hline \end{array} }} \\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\:\:\: 5 \\ \hline \end{array} }} \\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline \end{array} }} \\ のような筆算のたし算です。

 

初めての筆算のたし算です。

 

この子は、

筆算の答えの出し方を知りません。

 

でも、

とても高いレベルの計算力のある子です。

 

楽に、

筆算の答えの出し方をつかむはずなのですが、

かなり難しいようです。

 

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 35 \\ +\:\:\: 4 \\ \hline \end{array} }} \\ ではなくて、

35+4= の形でしたら、

この子は、すぐに、

35+4=39 と計算できます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\:\:\: 5 \\ \hline \end{array} }} \\ も、

15+5= と書いてあれば、

あっという間に、

15+5=20 と書き終わります。

 

もちろん、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 15 \\ +\: 15 \\ \hline \end{array} }} \\ も、

15+15= でしたら、

1秒もかからないで、

15+15=30 と終わります。

 

高い計算力を持っている子ですから、

35+4= を見たら、答え 39 が、

15+5= を見たら、答え 20 が、

15+15= を見たら、答え 30 が、

瞬時に出る力があります。

 

 

この子の場合、

この高いレベルの計算力が、

筆算のたし算の修得を邪魔しているようです。

 

つまり、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 35 \\ +\:\:\: 4 \\ \hline \end{array} }} \\ は、

たし算らしいと気付きます。

 

だから、

35+4= と同じだろうと推測します。

 

そして、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 35 \\ +\:\:\: 4 \\ \hline \end{array} }} \\ の答えは、

39 らしいと当たりを付けている子です。

 

こうなると、

答えが出ているのだから、

違うゲームの答えの出し方を、

わざわざ学ぶ必要がないのでは・・。

 

このような何となくの抵抗を、

この子の心はしているようです。

 

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 35 \\ +\:\:\: 4 \\ \hline \end{array} }} \\ の 5 と 4 を、

上から下に見るとき、

35 の 3 が見えていますが、

見えていても見ない見方をします。

 

このあたりから、

この子の心は、

もう抵抗し始めます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 35 \\ +\:\:\: 4 \\ \hline \end{array} }} \\ の 3 をペン先で隠して、

「ご足すし、く(5+4=9)」とリードしても、

気が乗らないようです。

 

でも、

リードを続けて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 35 \\ +\:\:\: 4 \\ \hline \end{array} }} \\ の 4 の真下を示して、

「く(9)」です。

 

一部分だけを計算して、

一部分だけの答えを書くことも、

嫌なようです。

 

でも、

学ぼうとする姿勢が残っていますから、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 35 \\ +\:\:\: 4 \\ \hline \:\:\:\:9\end{array} }} \\ と書いてくれます。

 

 

こちらは、

リードを続けます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 35 \\ +\:\:\: 4 \\ \hline \:\:\:\:9\end{array} }} \\ の 3 を示して、

「これ」、

それから、

3 の真下を示して、

「ここ」です。

 

「えっ、何?」と、

声に出して言いませんが、

この子の様子から、

このように感じているらしいと思えます。

 

ですが、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 35 \\ +\: \:\:4 \\ \hline\:\:39\end{array} }} \\ と書いてくれます。

 

 

この子には、

問題  {\normalsize { \begin{array}{rr} 35 \\ +\:\:\: 4 \\ \hline \end{array} }} \\ を見たときに、

何となく分かっていた答えです。

 

それを、

一度に、左から、39 と書かないで、

2回に分けて、

9 を書いてから、

3 を書き足して、

39 です。

 

回りくどいことをしている・・と、

感じているようです。

 

でも、

新しいゲームですから、

今までとは違うゲームのルールで、

答えを出します。

 

子どもの心が抵抗していることを、

リードしているこちらは、

強く感じますが、

ただ淡々とゲームのルールを見せます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -653)、(+-  {\normalsize {α}} -362)