「できるはず」と思える「3けた×2けた」の筆算のかけ算の答えの出し方を聞いた子に、目の前で、答えを出して見せます。「百聞は一見にしかず」です。強い影響力のある教え方です。

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 27 \\ \hline \end{array}  }}\\  を自力で、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  406 \\ \:\:\:\times  \:\:\:\: 27 \\ \hline   2842 \\   812\:\:\:\:\\\hline 10962\end{array}  }}\\  と、計算できる子です。

 

この子から、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 38 \\ \hline \end{array}  }}\\  の答えの出し方を聞かれます。

 

 

「えっ、どうしたの?」、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 27 \\ \hline \end{array}  }}\\  と同じ計算だよ」、

「できるはずなのに・・・」としません。

 

「自力で答えを出そうとしている」、

「誰かに聞いてまでして、

答えを出そうとしている」と、

この子がしていることを解釈します。

 

この子を育てようとしています。

この子の「できること」を増やそうとしています。

 

このように、

この子から聞かれたことを、

ポジティブに解釈して、

この子が答えを出す手伝いをします。

 

今のこの子は、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 38 \\ \hline \end{array}  }}\\  を自力で計算できません。

 

でも、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 27 \\ \hline \end{array}  }}\\  は、自力で計算できます。

 

同じ形「3けた×2けた」の筆算のかけ算です。

 

だから、

この子は、

「3けた×2けた」の筆算のかけ算の

計算の手順を使うことができます。

 

 

この子の今の力、

計算手順を使うことができることを利用して、

こちらの計算で、

この子から聞かれた   {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 38 \\ \hline \end{array}  }}\\  の答えを

出して見せます。

 

「百聞は一見にしかず」なのです。

 

自分ではできない難しい問題が、

自分が知っていることだけで、

計算できてしまうことを見るのですから、

「えっ、そうなの」、

「確かに、計算できる」、

「これならば、自分もできる」の見本です。

 

 

実際の見せ方は、

次のような実例です。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 38 \\ \hline \end{array}  }}\\  の 8 と 6 を示しながら、

「はちろくしじゅうはち(8×6=48)」、

8 の真下を示して、

「はち(8)」、

「指、し(4)」と計算して見せます。

 

「これならば、できる」と感じて、

子どもは、 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:38 \\ \hline \:\:\:\:\:\:\:8\end{array}  }}\\  と書いて、

指に、4 を取ります。

 

答えの出し方の続きを見せて、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:38 \\ \hline \:\:\:\:\:\:\:8\end{array}  }}\\  の 8 と 0 を示して、

「はちゼロがゼロ」、

子どもが指に取っている 4 を示して、

「ゼロ足すし、し(0+4=4)」、

0 の真下を示して、

「し(4)」です。

 

「自力でできる」と感じている子は、

すぐに、 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:38 \\ \hline \:\:\:\:\:48\end{array}  }}\\  と書きます。

 

続きを省略しますが、

同じようにリードして、

答えの出し方を見せれば、

「百聞は一見にしかず」ですから、

「分かった」、

「自分でできる」となります。

 

このように、

子どもの目の前で、

答えを出してしまいます。

 

とても強い影響力を持つ教え方です。

 

(基本 {\normalsize {α}} -879)、(×÷  {\normalsize {α}} -164)