未知数 z の欠けた方程式 3x-y=19 を含む3元1次連立方程式の指導で、3x-y+0z=19 を、ヒントとして書くことや、「何、消す?」を 2度も聞くことのような下手なことをしたら、後から反省して、より望ましい指導を練ります。

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+y+z=13\\x+2y-z=7\\3x-y=19\end{array}\right.\end{eqnarray}}  を、

解く前の子に、

「何、消す?」と聞きます。

 

ボソッとした口調で、

しかし、

子どもを尊重した気持ちで聞きます。

 

 

3番目の方程式  3x-y=19  が、

未知数 z のない形です。

 

こちらは、

未知数が欠けているから、

その分だけ、

楽に解くことができると思います。

 

でも、

連立方程式を学習中の子どもは、

「困った・・・」と思うものです。

 

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+2y-z=12\\2x+y-4z=8\\4x-y+3z=26\end{array}\right.\end{eqnarray}}  のように、

すべての方程式に、

すべての未知数がある形に、

見慣れているためです。

 

未知数 z が、

欠けただけなのですが、

「何かおかしい・・・」と、

身構えてしまいます。

 

だから、

「何、消す?」と聞かれても、

「分からない」と答えてしまいます。

 

 

「分からない」と答えられたこちらは、

やはり、

困ってしまいます。

 

「分からないではなくて」、

「 x や、y や、z を、選んで・・・」と、

戸惑ってしまいます。

 

そして、

してはいけないと思っているヒントを、

戸惑ったために、慌てて、

出してしまいます。

 

3番目の方程式  3x-y=19  を示して、

「これ」と言ってから、

無言で、

3x-y+0z=19  と、書いてしまいます。

 

そしてまた、

「何、消す?」と聞いてしまいます。

 

同じセリフ、

「何、消す?」を、2度使ってしまいます。

 

だらしのない

くどい教え方をしてしまいます。

 

 

このような下手な教え方をした晩、

一人静かに思い返します。

 

「あの教え方は、まずかった」、

「ヒントを出してしまった」、

「まったく同じセリフを、

オウム返しに、2度も言ってしまった」、

と、このように振り返ります。

 

そして、

「どのような教え方に変えれば、

子どもの頭を刺激できるのだろうか?」と、

アレコレと思案します。

 

原則は、分かっています。

こちらの出方を、最小にすることです。

 

3x-y+0z=19  を書くヒントは、

遠回りであり、

無言ではあったものの

出方が最小ではありません。

 

しかも、

「何、消す?」を、

2度聞いています。

冗長です。

 

と、反省していると、

「ハッ」と、思い付きます。

 

こちらが解くとき、

まず、解き方を決めますが、

ここを省略して、

解くことを見せることにしたら・・・

 

しかも、

「何、消す?」で決めた解くことを見せれば・・・

 

 

それが、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+y+z=13\\x+2y-z=7\\3x-y=19\end{array}\right.\end{eqnarray}}  の

1番目と、

2番目の方程式を順に示しながら、

「これと、これ」と言って、

「足す」です。

 

これだけの実況中継を、

子どもに見せる教え方です。

 

1番目  x+y+z=13  と、

2番目  x+2y-z=7  を、

「足す」と見せて、教えられた子は、

一瞬、「えっ」となるでしょうが、

すぐに、

(1番目)+(2番目)を頭の中で足して、

2x+3y=20  と、

z が消えることに気付いて、

「なるほど」となるはずです。

 

と、

下手な教え方をしたと感じた日の夜、

ここまで、

教え方を練ってしまいます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -951)、(分数  {\normalsize {α}} -405)