約分の問題なのに、直前に習っている「仮分数を整数に変える」計算を、強引に使う子です。自力で工夫したい気持ちを大切にするための教え方です。

仮分数とわり算の関係の計算を

約分に使ってしまう子です。

 

自分が知っている方法を工夫する態度は、

いいことですから認めます。

 

でも、

計算自体は間違っています。

 

例えば、

仮分数を整数に変える   {\Large\frac{14}{7}}=2  の

仮分数とわり算の関係を、

約分   {\Large\frac{7}{14}}=  に、

間違えている使い方をして、

 {\Large\frac{7}{14}}=2  とします。

 

 

① 自分が知っている計算を工夫する態度は、

とてもいいことです。

② 知っている計算の選び方が間違えています。

 

「工夫する態度」に偏らないで、

「選び方のミス」にも偏らないで、

言葉で説明して、

この 2つを、バランス良く、

理解させることは

とても難しいことです。

 

子どもの受け取り方は、

どちらかに偏ってしまうのが普通なのです。

 

工夫することを、

奨励されたと受け取ることもあります。

 

選び方を間違えていると

受け取ることもあります。

 

ですが、

工夫することを奨励されて、

でも、選び方が間違えていると、

バランス良く受け取ることが、

言葉で説明されると、

難しくなります。

 

 

先に、

工夫することを奨励されたことを理解した後、

選び方が間違えていることを

理解する順番であれば、

後から理解した「選び方の間違い」が、

残るようです。

 

順番が、

逆であれば、

工夫することの奨励が残るようです。

 

 

ですから、

言葉で説明することをやめて、

次のような実況中継型リードを見せます。

 

そして、

子どもが自力で、

計算の選び方のミスを正すことを

待ちます。

 

ここは

慌てません。

 

子どもが自力で正すまで

繰り返し実況中継型リードを見せるだけです。

 

待つことがとても大事な指導です。

 

 

 {\Large\frac{7}{14}}=2  の問題   {\Large\frac{7}{14}}  .を示して、

「7で」、

分子 7 を示して、

「7÷7=1」、

「上、1」と言えば、

子どもは、

自分が書いた答え 2 が、

違っていることに気付いて、

自分で 2 を消して。

そして、

 {\Large\frac{7}{14}} {\Large\frac{1}{\:\:\:}}  と書き直します。

 

 

続いて、

分母 14 を示して、

「14÷7=2」、

「下、2」と言えば、

子どもは、

 {\Large\frac{7}{14}} {\Large\frac{1}{2}}  と書きます。

 

答えの出し方を、

このような実況中継型リードで教えて、

間違えている   {\Large\frac{7}{14}}=2  を、

正しく   {\Large\frac{7}{14}} {\Large\frac{1}{2}}  と、

書き直させて、

終わります。

 

言葉で説明して、

補足してあげたくなりますが、

子ども自身の考える力を、

奪うことになります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1094)、(分数  {\normalsize {α}} -452)