初めて、筆算のかけ算の繰り上がり計算を習ったとき、計算手順をつかむことに精一杯になり、「たし算の感覚」が、まったく働かなくなることがあります。

7+6=  を見れば、答え 13 が、

5+9=  を見れば、答え 14 が、

瞬時に出てしまう

「たし算の感覚」があります。

 

子どもが、

この「たし算の感覚」を持てば、

生涯、

使うことが可能です。

 

 

ですが、

「たし算の感覚」を持った後に習う

筆算のたし算や、かけ算の

繰り上がり計算で、

「たし算の感覚」を

失ってしまったように見えることがあります。

 

特に、

筆算のかけ算の繰り上がり計算で、

ひどく戸惑ってしまい、

「たし算の感覚」が

まったく働かなくなってしまいます。

 

 

例えば、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \end{array}}}\\  の筆算のかけ算です。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \end{array}}}\\  の 1番目のかけ算は、

3×9=27  です。

 

そして、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:7\end{array}}}\\  と書いて、

3×9=27  の 2 を

繰り上がり数として覚えます。

 

 

続いて、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 29 \\\:\times\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:7\end{array}}}\\  の 2番目のかけ算は、

3×2=6  です。

 

そして、

覚えている繰り上がり数 2 を、

6+2=8  と足して、

{\normalsize{\begin{array}{rr}29\\\:\times\:\:\:\: 3 \\ \hline \:\:\:87\end{array}}}\\  と書いて、

計算が終わります。

 

 

ところが、

繰り上がりのたし算  6+2=  の答え 8 を、

「たし算の感覚」で、

出すことができなくなり、

計算が止まってしまいます。

 

筆算のかけ算の繰り上がり計算を、

初めて習ったとき、

こうなる子が、

意外と多いのです。

 

 

「たし算の感覚」が正しく働くために、

一定の緊張状態が必要なのですが、

筆算のかけ算の繰り上がり計算の

手順をつかむことに精一杯で、

「たし算の感覚」のための一定の緊張状態が

まったくないのです。

 

こうなると、

「たし算の感覚」は、

まったく働かなくなります。

 

こちらから見ると、

「あら、どうしたの?」、

「たし算  6+2=  は、得意でしょう?」の

状態なのです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1129)、(×÷  {\normalsize {α}} -204)