楽にスラスラとできた計算に、モタモタされると、「忘れたの?」となります。できたはずの計算を、できなくなっているときも、「忘れたの?」となります。でも、こういうことが多くの子に起こる計算だと、知っていると、子どもに優しくなれます。

分数の四則混合までの算数の計算で、

できたはずの計算が、

できなくなっていることを知り、

「忘れたの?」と思ってしまうことが、

数カ所あります。

 

以下は、

その代表的な 2カ所です。

 

 

筆算のかけ算の繰り上がりのたし算で、

瞬時にできたはずのたし算に、

モタモタしている子を見て、

「忘れたの?」と

思わず感じてしまうことがあります。

 

例えば、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 28 \\\:\times\:\:\: 4 \\ \hline \end{array}}}\\ の計算です。

 

4×8=32 と計算して、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 28 \\\:\times\:\:\: 4 \\ \hline \:\:\:2\end{array}}}\\ と書いて、

指に、繰り上がり数 3 を取り、

4×2=8 と計算してから、

指に取った 3 を見て、

8+3=11 と計算して、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 28 \\ \times  \:\:\: 4 \\\hline 112 \end{array}}}\\ と書きます。

 

繰り上がりのたし算 8+3= の答え 11 を、

楽にスッと出せるはずです。

 

でも実際は、

繰り上がりのたし算 8+3= に、

とてもモタモタするのが普通です。

 

 

たし算の指が取れている子ですから、

問題 8+3= だけであれば、

8+3= を見たらすぐ、

答え 11 が出ています。

 

このたし算の力は、

少しも衰えていません。

 

試しに、

8+3=、6+7=、5+9=、のようなたし算

25問を計算させると、

20~30秒で計算できます。

 

つまり、

子どもには、

問題 8+3= と、

筆算のかけ算 {\normalsize{\begin{array}{rr} 28 \\\:\times\:\:\: 4 \\ \hline \end{array}}}\\ の中の

繰り上がりのたし算 8+3= は、

まったく関連のない違う計算です。

 

筆算のかけ算 {\normalsize{\begin{array}{rr} 28 \\\:\times\:\:\: 4 \\ \hline \end{array}}}\\ の中の

8+3= のたし算は、

ここで、初めて習う計算です。

 

でも、

こちらには、

問題 8+3= と、

筆算のかけ算 {\normalsize{\begin{array}{rr} 28 \\\:\times\:\:\: 4 \\ \hline \end{array}}}\\ の中の

8+3= のたし算は、

まったく同じたし算ですから、

モタモタとしている子どもを見ると、

「忘れたの?」と、

自然に感じてしまいます。

 

このように、

「忘れたの?」と、感じることを知っていると、

筆算のかけ算 {\normalsize{\begin{array}{rr} 28 \\\:\times\:\:\: 4 \\ \hline \end{array}}}\\ の中の

8+3= のたし算を

モタモタと計算している子を、

優しく受け止めることができます。

 

 

さて、

別の計算です。

 

47÷3-17÷3= の一部分の

47÷3= や、

17÷3= を計算できない子を見て、

やはり、

「忘れたの?」と、

思わず感じるものです。

 

このような四則混合の中の計算は、

モタモタではなくて、

手が出ないのです。

 

計算できなくなっています。

 

47÷3= だけの計算でしたら、

子どもは、

47÷3= {\Large\frac{47}{3}}=15 {\Large\frac{2}{3}} とできます。

 

四則混合 47÷3-17÷3= の一部分の

47÷3= は、

まったくできなくなることが、

多くの子に起こります。

 

ここも、

こうなる子が多いと知っていると、

こうなった子を、

優しく受け止めることができます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -701)、(×÷  {\normalsize {α}} -144)、(分数  {\normalsize {α}} -300)