分数の四則混合の中の分数計算をできなくなった子を見ると、「計算の仕方を忘れた」と理解することが多いようです。でも、習った順と、大きく違う順で計算することに、戸惑っているだけのことが、意外と多いのです。

 {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{3}{10}} )× {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{11}{12}}=  の四則混合の

答えを出す力は、

分数の計算を習った順から離れて、

四則混合の計算順に

分数の計算パターンを使えることです。

 

この四則混合の計算問題を

題材にして

どういうことなのかをお話しします。

 

 

四則混合の計算パターンは、

① 計算する前に、

計算順を決めること、

② 計算順に従って、

一つ一つ順に計算すること、

この 2つです。

 

ですから、

 {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{3}{10}} )× {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{11}{12}}=  も

四則混合の計算パターンから、

まず、計算順を決めます。

 

実際に、決めます。

① かっこの中の - 、

② かっこの右の × 、

③ 右端の + の順です。

 

 

次に、

計算順に従って、

一つ一つ順に計算します。

 

1番目の計算は、

かっこの中の - です。

 

計算式は、

 {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{3}{10}}= です。

 

これは、

分数のひき算の計算パターンを利用します。

 

2つの分母が、違いますから、

通分して、

それから、引くのが、

分数のひき算の計算パターンです。

 

 

通分するためには、

共通分母を見つけます。

 

共通分母を出す計算パターンを利用して、

大きい方の分母 10 を、

小さい方の分母 5 で割り、

10÷5=2  と割り切れますから、

共通分母は、10 です。

 

 

 {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{3}{10}}= を、

共通分母 10 に通分すれば、

通分の計算パターンを利用して、

 {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{3}{10}} {\Large\frac{4}{10}} {\Large\frac{3}{10}}=  です。

 

引きます。

 

これで、

 {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{3}{10}} {\Large\frac{4}{10}} {\Large\frac{3}{10}} {\Large\frac{1}{10}}  と、

答えが出ます。

 

 

さて、

このような分数のひき算の計算パターンを

習う順番を

思い返します。

 

すると、

例えば、

① 分数とわり算の関係、

② 約分、

③ 分数のたし算、

④ 分数のひき算、

⑤ 分数のかけ算、

⑥ 分数のわり算、

⑦ 分数と小数の関係・・・と、

このような順です。

 

 

ところが、

 {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{3}{10}} )× {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{11}{12}}=  の計算順は、

① かっこの中の - 、

② かっこの右の × 、

③ 右端の + です。

 

この四則混合の 3つの計算を、

習った順にすれば、

① たし算、

② ひき算、

③ かけ算です。

 

計算順の

① かっこの中の - 、

② かっこの右の × 、

③ 右端の + と、

かなり違います。

 

 

この子の分数の計算のレベルが、

習った順であれば計算できる程度であれば、

この四則混合を

計算できないことになります。

 

最初に、ひき算を計算して、

次に、かけ算を計算して、

最後に、たし算を計算するのですが、

このたし算は、

ひき算よりも先に習うからです。

 

このように習った順と大きく違うと、

四則混合の計算を

計算順に、一つ一つ計算することに

ひどく混乱して、

計算できなくなる子がいます。

 

しかも、

こうなる子が、

意外と多いのです。

 

 

でも、

計算順が、

習った順と違うことに戸惑っていると

理解されることが少ないのです。

 

そして、普通は、

計算を忘れていると、勘違いされます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -1218)、(分数  {\normalsize {α}} -490)