たし算 7+5= の計算の学び方は、昔話の語り方に似ています。

7+5= の計算は、

+ の左の 7 を見て、

その次の 8 から、

+ の右の 5 回、

8、9、10、11、12 と数えます。

 

このような計算の仕方そのものを、

「正しい答えを出す計算の仕方」と認めます。

 

そして、受け入れて、

たし算を、繰り返し計算すれば、

7+5= を見ただけで、

答え 12 を浮かべる感覚をつかむことができます。

 

これは、

一つの学び方です。

 

「正しい答えを出す計算の仕方」の

「正しさ」を証明しません。

 

「正しい」と認めてしまう態度です。

 

また、

このように数える計算の仕方だけが、

「正しい答えを出す計算の仕方」と

決めていません。

 

数える計算の仕方とは違う

別の計算の仕方があることを認めています。

 

でも、

「正しい答えを出すことができる」

何らかの方法を、

「正しい計算の仕方」と認めて、

繰り返し使って計算する学び方です。

 

とても非常識な学び方にみえますが、

実は、

数学や、科学では普通です。

 

どれだけのことを正しいと認めれば、

どれだけのことを正しいとできるのか

このような話の進め方です。

 

7+5= のようなたし算の

7 の次の 8 から、

8、9、10、11、12 と数える計算を、

正しい答えを出す計算の仕方と認めれば、

すべてのたし算の

正しい答えを出すことができます。

 

しかも、

数える計算を繰り返すだけで、

誰もが自然につかむ答えを浮かべる感覚も、

正しい答えを出す計算の仕方になります。

 

7+5= のようなたし算を、

繰り返し、数えて計算することで、

数えて出す答え 12 と、

同じ答え 12 が、

問題 7+5= を見るだけで浮かぶのです。

 

このような感覚も、

正しい答えを出す計算の仕方になります。

 

なお、

このような学び方は、

昔話の語り方に似ています。

 

昔昔、

あるところにおじいさんとおばあさんが・・・の語り方です。

 

これだけのことを認めれば、

このようなストーリーを楽しむことができる・・・

このような構造です。

 

たし算 7+5= の計算の仕方は、

+ の左の 7 の次の 8 から、

+ の右の 5 回、

8、9、10、11、12 と数えて計算します。

 

昔話と同じような構造です。

 

(基本  {\normalsize {α}} -251)、(+-  {\normalsize {α}} -159)

 

3けた×1けたのかけ算の計算の仕方は、2けた×1けたのかけ算を計算できる力を利用すれば、子どもが、ほぼ自力で発見できます。

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  123 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ のような

3けた×1けたのかけ算の

計算の仕方を教えます。

 

こちらの計算を実況中継で見せる教え方です。

 

下の 2 から、真上の 3 を

この順に示しながら、

「にさんがろく(2×3=6)」と計算してから、

下の 2 の真下を示して、

「ろく(6)」です。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:123 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:\:\:\:\:6\end{array}  }}\\ と、子どもが書きます。

 

続いて、

下の 2 から、左斜め上の 2 を

この順に示しながら、

「ににんがし(2×2=4)」と計算してから、

上の 2 の真下を示して、

「し(4)」です。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:123 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:\:\:46\end{array}  }}\\ と、子どもが書きます。

 

最後に、

下の 2 から、左斜め上の 1 を

この順に示しながら、

「にいちがに(2×1=2)」と計算してから、

上の 1 の真下を示して、

「に(2)」です。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:123 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline246\end{array}  }}\\ と、子どもが書いて、

計算が終わります。

 

子どもが、

計算の仕方をつかむまで、

3~4問や、

5~6問、

同じような実況中継を見せます。

 

でも、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:123 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  23 \\ \:\times  \:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ の部分は、

子どもが楽に計算できる部分です。

 

「分かっている!」と、

言いませんが、

でも、子どもは思いますから、

こちらの実況中継を

真剣に見てもらえないはずです。

 

「わかっている!」は、

「自分で計算できる」だからです。

 

だから、

実際の教え方は、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:123 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ の 1 を、

無言で隠すだけにします。

 

こうすると、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:23 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ を子どもは見ますから、

見慣れた計算です。

 

「できるでしょ・・・」や、

「計算して・・・」と言わなくても、

ほとんどの子は、計算します。

 

子どもの計算を無言で見ていて、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:123 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \:\:\:\:\:46\end{array}  }}\\ と、子どもが書いたとき、

隠していた 1 を見せます。

 

そして、

子どもが、 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:123 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline246\end{array}  }}\\ と書いたら、

「そう、それでいい」と認めます。

 

計算の仕方を、

自力でつかんだのですから、

子どもは、うれしそうです。

 

ただ、

数の子ですが、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:123 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline146\end{array}  }}\\ と書く子もいます。

 

隠されていた 1 が見えたのですから、

そのまま、1 を書いてしまう子です。

 

見えた 1 を書いたのです。

間違いではありません。

とても素直なのです。

 

ですが、

ここで取り組んでいることは、

3けた×1けたの計算を完成させることです。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:123 \\ \times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline \end{array}  }}\\ の計算を、

2 から 3を見て、

そして、2 から 2 を見たのですから、

次は、2 から 1 を見る計算の流れです。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:123 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline146\end{array}  }}\\ と書いた子を、

計算の流れに戻します。

 

「違う!」のようなことを言わないで、

下の 2 から、左斜め上の 1 を

この順に示しながら、

「にいちがに(2×1=2)」と言い、

子どもの書いた  {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:123 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline146\end{array}  }}\\ の 1 を示して、

「ここ、に(2)」とリードします。

 

子どもは、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:123 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline146\end{array}  }}\\ の 1 を、2 に書き直して、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:123 \\ \:\times  \:\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ \hline246\end{array}  }}\\ と完成します。

 

(基本  {\normalsize {α}} -250)、(×÷  {\normalsize {α}} -060)

 

「残っている力は何か?」をハッキリとさせてから、一歩先の計算をリードします。こうすると、ポジティブな見方を、子どもは盗みます。

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{7}{12}}=1 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{7}{12}}= まで書いて、

止まっています。

 

 {\Large\frac{3}{12}} の 1 を、

 {\Large\frac{12}{12}} に変えて、

 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{15}{12}} と、できないようです。

 

このような子を目の前にして、

「残っている力は何か?」を意識します。

 

とても単純な話ですが、

「残っている力は何か?」を意識するから、

残っている力をアレコレと推測できます。

 

だから、

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{7}{12}}=1 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{7}{12}}= の先の計算ではなくて、

ここまでの計算を評価します。

 

 {\Large\frac{1}{4}} を、 {\Large\frac{3}{12}} に変えています。

正しい通分です。

 

そして、

 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{7}{12}} で止まっていますから、

分子の 3 と、7 を見て、

3-7 を計算できないことは、

分かっています。

 

さらに、

3-7 を計算できるようにする工夫は、

 {\Large\frac{3}{12}} の 1 を使うことも、

分かっていそうです。

 

と、

このような力が、

この子に残っているらしいと推測します。

 

ここまで考えてから、

教えます。

 

1 を、

 {\Large\frac{12}{12}} に変える計算だけを、

こちらが計算してしまう実況中継で教えます。

 

「引けないから、

引けるようにします」は、不要です。

分かっていると推測しているからです。

 

いきなり、

 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{7}{12}}= の 1 を示して、

「この 1 を変える」と言って、

下の余白に、

「ここに」、

「下、12、上、12」とリードします。

 

見て、聞いている子どもは、

 {\Large\frac{12}{12}} を、下の余白に書きます。

 

頭の中に、

 {\Large\frac{12}{12}} が浮かべば計算できますが、

「頭の中に、 {\Large\frac{12}{12}} をイメージして」と教えても、

子どもにはピンときません。

 

だから、

下の余白に、

 {\Large\frac{12}{12}} を書かせてしまいます。

 

こうすれば、

結果として、

子どもは頭の中で、

 {\Large\frac{12}{12}} をイメージできます。

 

続けて、

 {\Large\frac{12}{12}} の分子の 12 と、

 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{7}{12}}= の分子の 3 を

順に示しながら、

「12、足す、3、15」とリードして、

= の右を示して、

「上、15」、

「下、12」です。

 

見て、聞いていた子どもは、

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{7}{12}}=1 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{15}{12}} と、書きます。

 

次は、

 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{15}{12}} {\Large\frac{7}{12}} を示して、

「引く(-)」、

「これ」です。

 

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{7}{12}}=1 {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{15}{12}} {\Large\frac{7}{12}}= と

子どもが書いたとき、

心の中で、

「あっ、そうか」や、

「なるほど、これで引ける」となります。

 

こちらが、

「残っている力は何か?」として、

「通分はできている」、

「引けないことは分かっている」、

「工夫して引けるようにすることは分かっている」と、

ポジティブな部分を見ると、

子どももまねして、

自分のポジティブな部分を見るようになります。

 

そして、

引けるようにする工夫を、

力として残せる子に育ちます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -249)、(分数  {\normalsize {α}} -078)

 

7+8= を見たら、答え 15 が浮かぶたし算の感覚は、81 組の1けたのたし算が対象です。たし算を利用するひき算も、81 組です。そして、ひき算を繰り返せば、15-7= を見たら、答え 8 が浮かぶひき算の感覚を持ちます。

1 けたのたし算で、

答えが 9 までは、

36 組です。

 

1+1=、2+1=、3+1=、

4+1=、5+1=、6+1=、

7+1=、8+1=、

1+2=、2+2=、3+2=、

4+2=、5+2=、6+2=、

7+2=、

1+3=、2+3=、3+3=、

4+3=、5+3=、6+3=、

1+4=、2+4=、3+4=、

4+4=、5+4=、

1+5=、2+5=、3+5=、

4+5=、

1+6=、2+6=、3+6=、

1+7=、2+7=、

1+8=。

 

この 36 組のたし算は、

答えが 9 以下です。

 

筆算に書いても、

 {\normalsize { \begin{array}{rr}\:\:5 \\ +\:\:\: 2 \\ \hline \end{array} }} \\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr}\:\:3 \\ +\:\:\: 6 \\ \hline \end{array} }} \\ のように、

繰り上がりが出ません。

 

答えが 10 以上は、

45 組です。

 

9+1=、8+2=、9+2=、

7+3=、8+3=、9+3=、

6+4=、7+4=、8+4=、

9+4=、

5+5=、6+5=、7+5=、

8+5=、9+5=、

4+6=、5+6=、6+6=、

7+6=、8+6=、9+6=、

3+7=、4+7=、5+7=、

6+7=、7+7=、8+7=、

9+7=、

2+8=、3+8=、4+8=、

5+8=、6+8=、7+8=、

8+8=、9+8=、

1+9=、2+9=、3+9=、

4+9=、5+9=、6+9=、

7+9=、8+9=、9+9=。

 

この 45 組のたし算は、

答えが 10 以上です。

 

筆算に書くと、

 {\normalsize { \begin{array}{rr}\:\:5 \\ +\:\:\: 7 \\ \hline \end{array} }} \\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr}\:\:8 \\ +\:\:\: 4 \\ \hline \end{array} }} \\ のように、

繰り上がりが出ます。

 

繰り上がりの出ない 36 組と、

繰り上がりの出る 45 組の

合わせて 81 組のたし算を練習すると、

問題を見たら、

答えが浮かぶようになります。

 

たし算の答えを浮かべる感覚は、

この 81 組のたし算が対象です。

 

さて、

この 81 組のたし算を利用して、

ひき算を計算できます。

 

答えが 9 までの 36 組のたし算でしたら、

例えば、

1+1=2 を利用して、

2-1=1 です。

 

あるいは、

2+7=9 を利用して、

9-2=7 です。

 

長くなりますが、

36 組のひき算を列挙します。

 

2-1=、3-2=、4-3=、

5-4=、6-5=、7-6=、

8-7=、9-8=、

3-1=、4-2=、5-3=、

6-4=、7-5=、8-6=、

9-7=、

4-1=、5-2=、6-3=、

7-4=、8-5=、9-6=、

5-1=、6-2=、7-3=、

8-4=、9-5=、

6-1=、7-2=、8-3=、

9-4=、

7-1=、8-2=、9-3=、

8-1=、9-2=、

9-1=。

 

もちろん、

ひき算 2-1 や、9-2 を

筆算に書いても、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\:\:\:\: 2 \\ -\:\:\: 1 \\ \hline \end{array} }} \\ や、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\:\:\:\: 9 \\ -\:\:\: 2 \\ \hline \end{array} }} \\ ですから

繰り下がりが出ません。

 

答えが 10 以上の 45 組のたし算でしたら、

例えば、

3+9=12 を利用して、

12-3=9 です。

 

あるいは、

8+7=15 を利用して、

15-8=7 です。

 

長くなりますが、

45 組のひき算を列挙します。

 

10-9=、10-8=、11-9=、

10-7=、11-8=、12-9=、

10-6=、11-7=、12-8=、

13-9=、

10-5=、11-6=、12-7=、

13-8=、14-9=、

10-4=、11-5=、12-6=、

13-7=、14-8=、15-9=、

10-3=、11-4=、12-5=、

13-6=、14-7=、15-8=、

16-9=、

10-2=、11-3=、12-4=、

13-5=、14-6=、15-7=、

16-8=、17-9=、

10-1=、11-2=、12-3=、

13-4=、14-5=、15-6=、

16-7=、17-8=、18-9=。

 

このひき算 12-3 や、15-8 を

筆算に書くと、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 12 \\ -\:\:\: 3 \\ \hline \end{array} }} \\ や、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 15 \\ -\:\:\: 8 \\ \hline \end{array} }} \\ ですから、

繰り下がりが出ます。

 

さて、

1けたの 81 組のたし算は、

問題を見たら、

答えが浮かぶ感覚を持っています。

 

だから、

たし算を利用するひき算は、

たし算の答えを、一瞬で出せますから、

たし算の計算自体で困ることがありません。

 

アレコレと、

試行錯誤する気持ちの負担があるだけです。

 

そして、

たし算を利用するひき算を

繰り返し練習すれば、

81 組のひき算を見たら、

答えが浮かぶようになります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -248)、(+-  {\normalsize {α}} -158)

 

9+5= のようなたし算の答えを浮かべる感覚を利用して、14-9= のようなひき算を繰り返し計算すると、ひき算の答えを浮かべる感覚を持つことができます。

暗算のたし算の感覚は、

一けたのたし算の答えを、

問題を見るだけで浮かべる力です。

 

1+1= から、9+9= までです。

 

そして、

次のような 25 問を、

20秒以下で計算できるようになれば、

暗算のたし算の感覚は安定します。

 

6+8=、4+6=、9+5=、7+5=、8+8=、

4+8=、6+5=、7+9=、8+5=、4+4=、

5+7=、8+7=、9+6=、4+7=、5+6=、

8+4=、7+7=、5+4=、8+6=、7+8=、

5+5=、7+6=、9+8=、7+4=、6+7=。

 

さて、

この暗算のたし算の感覚を利用して、

暗算のひき算を計算できます。

 

14-9= のひき算を、

「9 に、何かを足して、14 にする何か?」で、

答え 5 を計算することができます。

 

9+5= の

9 と、5 と、+ を見るだけで、

答え 14 を、

心に浮かべてしまうたし算の感覚を利用しています。

 

アレコレと試して計算しますから、

子どもは少し戸惑いますが、

計算の仕方にはすぐに慣れます。

 

でも、

たし算の感覚を利用するひき算の計算には、

ひき算の問題に制限があります。

 

例えば、

14 からのひき算でしたら、

14-5= 、

14-6= 、

14-7= 、

14-8= 、

14-9= に限られます。

 

14-1= から、14-4= までと、

14-10= から、14-13= までは、

たし算の感覚を利用して計算できません。

 

たし算の感覚は、

一けたのたし算が対象です。

 

二けたのたし算 13+1= や、

2+12= の答えを浮かべる力ではないからです。

 

だから、

14-1= から、14-4= までと、

14-10= から、14-13= までは、

たし算の感覚を使わない計算の仕方を教えます。

 

14-1= でしたら、

14 の 1 をかくして、

4-1= が見えるようにしてから、

「し、引く、いち、さん(4-1=3)」、

隠していた 1 を見せてから、

「じゅうさん(13)」です。

 

14-12= でしたら、

4 と、2 をこの順に示しながら、

「し、引く、に、に(4-2=2)」です。

 

子どもは、

この教え方にすぐに慣れて、

自分で計算し始めます。

 

さて、

たし算の感覚を利用する

ひき算の計算を繰り返すと、

14-5= 、

14-6= 、

14-7= 、

14-8= 、

14-9= を見たら、

答えが浮かぶようになります。

 

個人差が大きいところですが、

数週間で、

答えが浮かぶようになります。

 

そして、

14-5= 、

14-6= 、

14-7= 、

14-8= 、

14-9= の答えが、

ひき算の感覚で浮かぶようになると、

筆算のひき算の繰り下がりを、

楽にスラスラとできるようになります。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 54 \\ - 25 \\ \hline \end{array} }} \\ や、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 54 \\ - 26 \\ \hline \end{array} }} \\ や、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 54 \\ - 27 \\ \hline \end{array} }} \\ や、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 54 \\ - 28 \\ \hline \end{array} }} \\ や、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 54 \\ - 29 \\ \hline \end{array} }} \\ のような筆算のひき算の

繰り下がりの計算です。

 

繰り下がりの計算の仕方にすぐに慣れて、

しかも、

ひき算の感覚で答えが浮かびますから、

楽にスラスラと計算できます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -247)、(+-  {\normalsize {α}} -157)

 

ひき算は、たし算の逆です。6+8= を見たら、答え 14 が浮かぶたし算の感覚を利用すれば、14-8= を計算できます。でも、14-3= は、たし算の感覚を利用できません。答えが 11 で、二けただからです。

ひき算は、

たし算の逆です。

 

計算の仕方から、

ひき算がたし算の逆だと分かります。

 

6+8= のたし算を、

6 の次から、

7、8、9、10、11、12、13、14 と、

8 回数えて計算します。

 

これに対して、

14-8= のひき算は、

14 の一つ前から、

13、12、11、10、9、8、7、6 と、

8 回、

たし算とは逆向きに数えて計算します。

 

たし算は、

数が増える方に数えて、

ひき算は、

数が減る方に数えます。

 

数える向きが、逆です。

 

これとは違う計算の仕方があります。

 

8+6=14 のたし算と、

14-8=6 のひき算を見比べると、

ひき算は、

たし算の逆になっていることを利用します。

 

14-8= は、

「8 に何かを足して、14にする何か?」で、

計算することができます。

 

8+6=14 から、

8 に 6 を足せば、14 ですから、

14-8= の答えは、6 です。

 

どちらの計算の仕方でも、

ひき算は、

たし算の逆です。

 

さらに、

8+6=14 のたし算から、

14-8= を、

「8 に何かを足して、14にする何か?」と、

計算することを広げると、

「足して 14 になる 2 つの数は?」と変わります。

 

「足して 14 になる 2 つの数は?」を、

一けたの数で探せば、

5 と 9 、

6 と 8 、

7 と 7 の 3 つの数の組が、

足すと 14 です。

 

でも、

二けたの数まで広げると、

1 と 13 、

2 と 12 、

3 と 11 、

4 と 10 の 4 つの数の組も、

足すと 14 です。

 

このことを利用すれば、

14-3= や、

14-13= のようなひき算も計算できます。

 

14-3= は、

3+11=14 から、

14-3=11 と計算できます。

 

14-13= は、

13+1=14 から、

14-13=1 と計算できます。

 

さて、

8+6= を見たら、

答え 14 が心に浮かぶ力を持っている子です。

 

たし算の感覚です。

 

このたし算の感覚が、

答えを浮かべることができるのは、

一けたのたし算です。

 

だから、

14-〇= を、

「〇 に何かを足して、14にする何か?」の計算で、

たし算の感覚を利用できるのは、

〇 と、ひき算の答えが、

一けたのときだけです。

 

14-3= や、

14-13= のようなひき算で、

たし算の感覚を使って、

答えを探すことができません。

 

14-3= の答えは、11 で、

二けたです。

 

14-13= は、

引く数 13 が二けたです。

 

8+6= を見たら、

答え 14 が心に浮かぶ力を利用して、

14-8= を計算するのと、

同じようにして、

14-3= や、

14-13= のようなひき算を計算できません。

 

二けたのたし算の感覚まで、

育てていないからです。

 

そこで、

たし算の感覚を利用する計算と

違う計算の仕方を教えます。

 

14-3= でしたら、

1 を隠して、

4-3= が見えるようにして、

「し、引く、さん、いち(4-3=1)」とリードしてから、

隠していた 1 を見せて、

「じゅういち(11)」です。

 

14-13= でしたら、

4 と 3 をこの順に示しながら、

「し、引く、さん、いち(4-3=1)」とリードしてから、

= の右を示して、

「ここ、いち(1)」です。

 

このようにすれば、

たし算の感覚を利用できないひき算、

14-3= や、

14-13= を計算できます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -246)、(+-  {\normalsize {α}} -156)

 

2020年10月10日(土)~10月16日(金)のダイジェスト。

20年10月10日(土)

 

6+8=、4+6=、9+5= のような

たし算 10 問を、

40 秒くらいの速さで計算して見せると、

「わぁ、速い」、

「でも、できそうな速さだ」、

「やってみよう!」と、

子どもを刺激できます。

 

 

20年10月11日(日)

 

13-4= の計算を、

子どもが、

心の中でリハーサルするような教え方をします。

 

子どもの心が育ちます。

 

 

20年10月12日(月)

 

「切れたままの集中を、

どのようにしたら戻せるのだろうか?」と

考えれば、

集中の戻り方が、

突然であることに気付いて、

そうなるような教え方を選びます。

 

 

20年10月13日(火)

 

「戸惑っている」や、

「見慣れていない」計算、

30÷2= や、

32÷3= を、

「少しも分からない」と言います。

 

子どもらしい表現です。

 

 

20年10月14日(水)

 

筆算のかけ算  {\normalsize {  \begin{array}{rr}  67 \\ \:\times  \:\:\:\: 8 \\ \hline \end{array}  }}\\ は、

2回の九九(8×7=56、8×6=48)に続いて、

繰り上がりのたし算(48+5=53)を計算します。

 

2回の九九の後、

たし算への切り替えが難しくて、

戸惑うのが普通です。

 

 

20年10月15日(木)

 

筆算のかけ算は、

九九に続いて、

繰り上がりのたし算を計算します。

 

九九を計算する感覚から、

たし算を計算する感覚への切り替えは、

慣れが必要です。

 

 

20年10月16日(金)

 

たし算は、

数えれば答えを出せます。

 

でも、

大きな数のたし算は、

筆算で計算できます。

 

7+8= のような

一けたのたし算の組み合わせで、

筆算のたし算を計算します。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 46 \\ +\: 28 \\ \hline \end{array} }} \\ のような筆算でしたら、

6+8= と、4+2= を計算することと、

6+8=14 の 1 を、

4+2=6 に足して、

6+1=7 にすれば、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 46 \\ +\: 28 \\ \hline\:\:74\end{array} }} \\ と計算できます。

 

だから、

一けたのたし算が、計算の基礎です。