とぼとぼと歩きます。
口をとがらせて文句の一つも言いそうな顔です。
合っているはずなのに、
たくさんの×が付いていて不満です。
「合っているのに、どうして×なの?」のような
マイナスの気持ちに支配されて、
口をとがらせて、とぼとぼと歩きます。
「強いマイナスの気持ちに支配されているね」、
「あなたを見れば分かるよ」、
「あなたの体の動きだけを変えるよ」、
「すぐに不思議なことが起こるよ」のように、
こちらは心の中で決めて、
優しく穏やかに、でも強くリードします。
何も言わずに、この子の腰を押します。
そして、歩き方を、
「とぼとぼ」から、「サッサ」に変えます。
とぼとぼと歩くスピードを、
サッサと歩くように速めます。
どうなるでしょうか?
笑いだします。
口をとがらせたままでいられなくなります。
歩くスピードを速くしただけです。
マイナスの気持ちを、
少しも変えようとしていません。
そうであるのに、
マイナスの気持ちが消えて、
椅子にスッと座って、
笑顔で間違いを直し始めます。
6+8=、4+8=、7+9=、8+5=、5+5=、
このようなたし算を、
ダラダラと計算しています。
「あ~ぁ、嫌だな」のような
マイナスの気持ちに支配されています。
「気が乗らないのに、やろうとしているね」、
「問題を見たら答えが出るのに、書くのが面倒なのだね」、
「あなたに代わって答えを言うよ」、
「次々に言うと不思議なことが起こるよ」、
このように心の中で決めてから、
この子の耳元で、
早口で次々と答えだけを言います。
「じゅうし(14)」と言って、
6+8=14 と書いたらすぐに、
「じゅうに(12)」と言って、
4+8=12 と書いたらすぐに、
「じゅうろく(16)」と言って、
7+9=16 と書いたらすぐに・・・。
こちらは早口で答えを言います。
子どもが書くまで、にこやかに待ちます。
書いたらすぐに、次の答えを言います。
このようにリードすれば子どもは、
答えを書くスピードが、
少しずつ、しかし急速に速くなります。
答えを書くスピードが速くなれば、
ダラダラとした気持ちが消えます。
3~5問で子どものやる気に火がついて、
自分で、速いスピードで計算し始めます。
(基本052)