連立方程式を解く前に、
未知数に付いている数(係数)を、すべて同時に見て、
どのように解くのかを決める子です。
この子の頭の中の考えを、
推測して追いかけます。
未知数が4つ(x、y、z、w)で、
式が4つでしたら、
4つの係数があります。
の係数だけを抜き出すと、
1番目の式: 1 1 1 1
2番目の式: 1 2 3 6
3番目の式: 1 3 4 5
4番目の式: 1 4 7 7
のような16個の数です。
未知数(x、y、z、w)に付いている係数を、
計算しています。
未知数(x、y、z、w)そのものを、
計算していません。
だから、
係数だけを見ます。
そして、
係数だけを見ると、
この連立方程式の特徴が分かります。
xの係数は、すべて1で、同じです。
yの係数は、1ずつ大きくなっています。
zと、wの係数は、さまざまです。
この特徴を利用すれば、
(2番目)-(1番目)、
(3番目)-(2番目)、
(4番目)-(3番目) と計算することを思い付きます。
xが消えて、
yの係数が、すべて「1」の
3つの式ができます。
正確に言えば、
xが消えるのではなくて、
xに付いている係数が、
1-1=0 になって、
この0と、xを掛けて、0 です。
このことを、
「xが消える」といいます。
連立方程式を計算すると、
のような
新しい連立方程式になります。
やはり、
未知数(y、z、w)の係数を見比べます。
1番目の式: 1 2 5
2番目の式: 1 1 -1
3番目の式: 1 3 2
のような9個の係数です。
yの係数は、すべて1のような特徴を見て、
(1番目)-(2番目)、
(3番目)-(1番目) と計算することを思い付きます。
計算すると、
のような
新しい連立方程式になります。
やはり、
係数を見比べて、
(1番目)-(2番目) と計算することを思い付きます。
9w=9 となります。
これから、
w=1 と求まります。
ここまでの計算を逆向きに利用すれば、
順に、
z=2、y=3、x=4 と求まります。
こちらは、
連立方程式を解く前に、
「何を消すの?」、
「どうするの?」と聞き続けるだけです。
こうするだけで、
ここまでに推測したように考えて、
計算する子に育ちます。
でも、
の連立方程式を、
同じように解けません。
4つの式の並び方がひねってあります。
(4番目)-(1番目)、
(2番目)-(4番目)、
(3番目)-(2番目) と計算することように教えます。
理由を説明しません。
理由抜きで、
計算の仕方を指定されると、
子どもは自然に、
「どうして?」と考えます。
yの係数が、すべて1になりますから、
「なるほど!」と納得して、
他の連立方程式でも、
係数を見比べて利用するようになります。
(基本 -145)、(分数
-046)