連立方程式の未知数が4つでも、係数を見比べることで、解く前に解き方を決める子に育てることが可能です。

連立方程式を解く前に、

未知数に付いている数(係数)を、すべて同時に見て、

どのように解くのかを決める子です。

 

この子の頭の中の考えを、

推測して追いかけます。

 

未知数が4つ(x、y、z、w)で、

式が4つでしたら、

4つの係数があります。

 

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+y+z+w=10\\x+2y+3z+6w=22\\x+3y+4z+5w=26\\x+4y+7z+7w=37\end{array}\right.\end{eqnarray}} の係数だけを抜き出すと、

1番目の式: 1  1  1  1

2番目の式: 1  2  3  6

3番目の式: 1  3  4  5

4番目の式: 1  4  7  7

のような16個の数です。

 

未知数(x、y、z、w)に付いている係数を、

計算しています。

 

未知数(x、y、z、w)そのものを、

計算していません。

 

だから、

係数だけを見ます。

 

そして、

係数だけを見ると、

この連立方程式の特徴が分かります。

 

xの係数は、すべて1で、同じです。

yの係数は、1ずつ大きくなっています。

zと、wの係数は、さまざまです。

 

この特徴を利用すれば、

(2番目)-(1番目)、

(3番目)-(2番目)、

(4番目)-(3番目) と計算することを思い付きます。

 

xが消えて、

yの係数が、すべて「1」の

3つの式ができます。

 

正確に言えば、

xが消えるのではなくて、

xに付いている係数が、

1-1=0 になって、

この0と、xを掛けて、0 です。

 

このことを、

「xが消える」といいます。

 

連立方程式を計算すると、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y+2z+5w=12\\y+z-w=4\\y+3z+2w=11\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような

新しい連立方程式になります。

 

やはり、

未知数(y、z、w)の係数を見比べます。

 

1番目の式: 1  2   5

2番目の式: 1  1  -1

3番目の式: 1  3   2

のような9個の係数です。

 

yの係数は、すべて1のような特徴を見て、

(1番目)-(2番目)、

(3番目)-(1番目) と計算することを思い付きます。

 

計算すると、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}z+6w=8\\z-3w=-1\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような

新しい連立方程式になります。

 

やはり、

係数を見比べて、

(1番目)-(2番目) と計算することを思い付きます。

 

9w=9 となります。

 

これから、

w=1 と求まります。

 

ここまでの計算を逆向きに利用すれば、

順に、

z=2、y=3、x=4 と求まります。

 

こちらは、

連立方程式を解く前に、

「何を消すの?」、

「どうするの?」と聞き続けるだけです。

 

こうするだけで、

ここまでに推測したように考えて、

計算する子に育ちます。

 

でも、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+y-z+w=10\\x+3y-4z+5w=26\\x+4y-7z+7w=37\\x+2y-3z+6w=22\end{array}\right.\end{eqnarray}}連立方程式を、

同じように解けません。

 

4つの式の並び方がひねってあります。

 

(4番目)-(1番目)、

(2番目)-(4番目)、

(3番目)-(2番目) と計算することように教えます。

 

理由を説明しません。

 

理由抜きで、

計算の仕方を指定されると、

子どもは自然に、

「どうして?」と考えます。

 

yの係数が、すべて1になりますから、

「なるほど!」と納得して、

他の連立方程式でも、

係数を見比べて利用するようになります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -145)、(分数  {\normalsize {α}} -046)