や、
のひき算で、
ひどく混乱しています。
混乱してしまい、
何が何だか分からなくなり、
パニックを起こしたような状態です。
このような子を目の前にして、
こちらは、
慌てないように自制して、
深い冷静さを保ちます。
そして、
「この子は、計算できるようになる」と、
先に信じてしまいます。
さらに、
この子をリードする前に、
自分の内面に言い聞かせます。
百の位から借りるひき算は、
この子が、自力でつかむしかないことと、
パニック状態から抜け出ることが、
この子に自信を持たせることを、
自分に言い聞かせてから、
この子をリードします。
もちろん、
計算の仕方を何回でも、
この子が納得するまで教えます。
でも、
計算は、
この子が自力でする作業です。
「こうすれば、正しく計算できます」と、教えて、
この子を、
「なるほど、そういう風に計算するのですね」と、
納得させることはできますが、
この子が自力で計算するとき、
「なるほど」と納得したように
計算できるかどうかは、
この子次第なのです。
や、
のひき算は、
「なるほど」と納得したように、
計算しようとしても、
そのように計算することが難しいのです。
こうなる理由は、
百の位から 1 を借りる説明が、
長くて、
そして、込み入っているからです。
だから、
ひどく混乱して、
パニック状態になります。
しかも、
パニック状態になるような計算は、
この子には、
とても大きな試練です。
そして、
人は誰も、
大きな試練を乗り越えたとき、
大きく育ちます。
試練が大変であればあるほど、
乗り越えたときの育ちは大きいのです。
つまり、
や、
のひき算で、
パニック状態になっているこの子が、
こちらの手助けを受けながら、
でも、
パニックから抜け出るのは、
この子しかできないことですから、
自分が自分を育てることになって、
パニック状態から抜け出た後、
大きく育ちます。
さて、
お勧めの教え方は、
百の位から 1 を借りるのではなくて、
いつも左隣から 1 を借りる教え方です。
そして、
こちらの計算を実況中継で見せる教え方です。
の 3 と 6 をこの順に示しながら、
「3-6、引けない」、
「13-6=7」です。
このリードで、
子どもは、
と書きます。
このリードのように、
引けなければ、
引けるようにします。
「1 を借りて」は、
手段です。
どのようなやり方であっても、
引けるようにすることが、
の一の位のひき算の目的です。
その手段の一つが、
「1 を借りる」です。
繰り返しますが、
「借りる」のではなくて、
「引けるようにする」のです。
「1 を借りる」でも、
「1 を付ける」でも構いません。
つまり、
「3」を、
「13」にすれば、
「6」を引くことができます。
ただ、これだけの話です。
の続きは、
0 を示して、
「これ、1 減って、9」です。
3 を、13 にしていますから、
左隣が、1 減ります。
でも、
0 から、
1 減らすことはできません。
これは、
「3」を、「13」にしたのと同じようにできます。
「0」を、「10」にするだけです。
10 から、
1 減ると、9 です。
この計算を、
0 を示して、
「これ、1 減って、9」と実況中継しています。
0 を示して、
「これ、1 減らせない」、
「10 にする」、
「10 から、1 減って、9」と、
回りくどい実況中継もできます。
子どもに親切なように感じますが、
回りくどすぎると、
子どもは使えなくなります。
0 を示して、
「これ、1 減って、9」のように単純にすれば、
子どもが、自力でひき算を計算するとき、
使うことができます。
の 0 が、
9 になることを教えてから、
「9-2=7」です。
見て聞いていた子は、
と書きます。
この続きは、
の 203 の 2 を示して、
「1 減って、1」です。
見て聞いていた子は、
と書きます。
百の位から 1 を借りる説明ではなくても、
このように計算できます。
も、同じような教え方をします。
左隣から、
「1 を借りる」と説明しないで、
引けるようにしてしまう計算です。
こちらの計算を実況中継で見せる教え方です。
の 3 と 8 をこの順に示しながら、
「3-8、引けない」、
「13-8=5」です。
見て聞いていた子どもは、
と書きます。
続いて、
の 0 を示して、
「これ、1 減って、9」です。
の 0 が、
9 になることを教えてから、
「9-5=4」です。
見て聞いていた子は、
と書きます。
そして、
の 403 の 4 を示して、
「1 減って、3」、
「3-1=2」です。
見て聞いていた子は、
と書きます。
普通の説明は、
十の位から、1 を借りられないので、
百の位から、1 を借ります。
こうしても説明できますが、
長くて、そして、
とても難しい説明になります。
引けなければ、1 を付けるだけにして、
1 を付けたら、
その左隣が、1 減ると説明すれば、
百の位から借りなくていいことになります。
そのような単純な説明でも、
子どもを大きく混乱させるひき算です。
(基本 -280)、(+- -180)